相続対策として生前贈与を活用するための方法と注意点

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相続対策 贈与

相続時清算課税では最大で2,500万円の特別控除額が適用されます。
この特別控除額を越えた金額については、一律で20%の贈与税が課せられます。

一度に高額の財産を贈与したい場合に向いている制度ですが、相続時清算課税を選択した場合には、贈与を行った人が亡くなった際に、その財産の価値に相当する金額が相続税の課税対象として加算されることになります。

贈与された財産の金額が2,500万円を越えていて、その分の贈与税を納めていた場合には、納めた贈与税の金額は控除されます。
相続時精算課税を適用するとスムーズに贈与することはできるものの、相続税対策という観点からは注意が必要です。

2-3.教育資金の贈与

教育資金という目的で、子か孫に資金を贈与した場合には、1,500万円までが非課税になる制度が設けられています。

ただし、この形式で贈与された資金については、引き出せる理由が「学校などに支払う入学金や、その他の費用」「塾などの学校以外で支払う必要がある費用(このケースは500万円が限度)」に限られています。
また、子供か孫が30歳になっても使われずに残っていた資金には、贈与税が課せられます。

2-4.住宅取得資金贈与の特例

教育資金の贈与の場合と同様に、子か孫に住宅資金として財産を贈与すると、最大で3,500万円までの贈与税が非課税になります。
ただしこの特例は、相続時清算課税制度を選択して贈与を受けることが条件となっています。

2-5.おしどり贈与

配偶者に居住用の家屋の贈与や、その購入費用にあてるための資金を贈与すると、2,000万円までの配偶者控除を受けることができます。
この制度を「おしどり贈与」と呼びます。

基礎控除と合わせて最大で2,110万円が控除になる制度ですが、適用されるためには「婚姻期間が20年以上」「贈与を受けた翌年の3月15日までに受贈者が住み、さらに今後も住み続けること」「過去にこの制度を利用していない」などの細かい条件が満たされている必要があります。

2-6. 結婚・子育て資金の一括贈与

祖父母か父母が、20歳から50歳までの年齢の子に対して結婚資金や子育て資金などの目的で贈与を行った場合は、最大で1,000万円(結婚関係の資金は300万円)までの資金が非課税となります。

ただしこの制度は、受け取った人が亡くなった場合や50歳に達した場合、贈与された財産が亡くなって終了の合意が取れた場合に終了となります。
この時に残っている財産があると、その財産は贈与税の課税対象になります。

2-7.自社株式の贈与

会社を今後経営していく目的で、非上場会社の株式を先代の経営者から贈与された場合には、その株式に関する贈与税の納税が猶予されます。
また、その後に贈与を行った先代の経営者が亡くなった場合には、猶予税額の全部または一部が免除されます。

ただし、この特例を受けるためには「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」にもとづいて、その会社が経済産業大臣の認定を受けていなければいけません。

3.贈与で相続対策をする上での注意点

生前贈与を行う場合の大きなリスクとして「贈与した財産が名義預金とみなされてしまう」といった問題があります。
このような問題に対する注意点を紹介します。

3-1.名義預金とみなされないためには

本人が生前贈与をしたつもりでも、生前贈与されたとみなされず、相続の際に申告漏れが指摘されてしまう場合があります。
贈与したつもりの預金がただ相手の名義に変わっているだけのケースは「名義預金」と呼ばれ、相続税の追徴が起こりやすいケースとして問題視されています。

名義預金とみなされないためには「贈与税が110万円を越える場合は申告を行う」「贈与契約書をかわす」「印鑑は被相続人と違うものを使い、名義人が通帳やキャッシュカードを管理する」などの対策をとり、贈与された財産であることを示せるようにしておくことが大切です。

3-2.贈与の証拠を残すことが大切

名義預金のケースのように、生存贈与された財産については、贈与されたことをきちんと示すことが重要となります。

上記でもあげた「贈与契約書の作成」などの手続きを行うと、贈与が行われたことの証拠になります。
こうした証拠を残しておくと、いざという時のリスクに備えることができるのです。

4.まとめ

贈与には、併用することでより効果的に相続対策につながる制度が多く存在しています。
上手に活用することで相続にかかるお金を低くおさえることができますが、そのためにはそれぞれの制度と注意点について把握することが欠かせません。

相続対策のために贈与の活用の検討をしている人は、制度についてしっかりと理解した上で、効果的に活用できるようにしましょう。

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