【保存版】今からできる!相続対策でおさえておくべき3つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
相続税対策

相続が発生するかわからないけれど、できれば今のうちに相続対策をしておきたいと考える方も多いのではないでしょうか?

対策はしたいけれども具体的にどんな対策があるのか?何か備えておきたいという気持ちはあるが、何をするべきなのかが分からない・・・そんな方もいらっしゃるかもしれません。

相続対策には、大きく分けて「1. 相続税対策」「2.遺産相続対策(争族対策)」「3.納税資金対策」の3つの対策方法があります。

今回はそれら3つの対策と、それぞれの具体的な対策方法についてご紹介させていたします。
3つの観点と、それぞれについての対策も色々な方法がありますので、ご自身の財産や相続人の状況等に当てはめて、最前の対策探しにお役立てください。

スポンサードリンク

1. 相続税対策

そもそも相続税をなるべく発生させないように、また、発生してしまう場合には節税を行う為の対策です。
財産総額を圧縮する方法や、特例を活用して税金を抑える方法等が挙げられます。

1-1.生前贈与

まず、節税対策として挙げられるのは、「生前贈与」です。
被相続人が生きているうちに、配偶者や子等に財産を贈与することをいいますが、一口に生前贈与といっても、ただ財産を移すだけでは多額の贈与税が課税されてしまうこともあります。

賢く贈与する為には、特例等を活用して財産を移すのも手です。
どんな生前贈与があるのかをご紹介していきます。

1-1-1. 暦年贈与

贈与税は、1月1日から12月31日の1年間に、1人の人がもらった財産の合計額が一定額を超えると、超えた分にかかる税金です。
この一定額のことを基礎控除額といい、控除となる金額は年間110万円です。

その年の1月1日から12月31日までの間に贈与を受けた財産の計算をすることから「暦年贈与」といわれています。
その年の贈与額が110万円以内であれば、申告をする必要はありませんし、贈与税を払う必要もありません。

年間にすると110万円ですが、例えば110万円の基礎控除範囲内である100万円の贈与を20年間し続けると、20年間で2,000万円ものお金を移すことができます。

更に、贈与は受贈者1人に対しての基礎控除額が110万円なりますので、贈与者は複数の受贈者に贈与することができます。
ただし、基礎控除以内の贈与は特に、名義預金にならないように気を付けて下さい。

▼詳しくはこちら
気軽な資金移動の恐怖/完全版!名義預金の回避方法

また、相続人ではなく誰にでも行うことができますので、例えば相続人でない親族(子の配偶者等)に贈与をすると更に年間の節税幅が広がります。
この暦年贈与は、長期的かつ計画的に行いましょう。

▼詳しくはこちら
早めの対策が肝心!非課税で贈与できる暦年贈与って?

1-1-2. おしどり贈与

おしどり贈与とは、夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除のことをいいます。
(以下、おしどり贈与で解説させていただきます。)

どんな制度かといいますと、結婚して20年以上経った夫婦間で、自宅やその購入資金の贈与があった際に、最高2,000万円まで配偶者には控除が認められるという制度です。

更に「1-1-1.暦年贈与」で解説した贈与税の基礎控除額110万円も、こちらの制度に組み合わせることができますので、他の贈与がなかった場合には、合計2,110万円までは贈与税がかからずに贈与できるということです。

贈与してから3年以内に相続が発生すると、相続の計算上、その贈与財産は相続財産に持ち戻して計算する必要があります。
ですが、このおしどり贈与を受けた場合には、3年以内に相続が発生した場合であっても、贈与財産を相続財産に持ち戻して計算される必要はありません。

おしどり贈与は、結婚20年以上の夫婦なら誰にでも適用されるという訳ではなく、要件が定められていますので、要件をよく確認してください。

1-1-3. 住宅取得等資金贈与の特例

住宅取得等資金贈与の非課税(以下、住宅等取得資金贈与の特例で解説させていただきます。)とは、父母や祖父母等の直系卑属からの、自己の居住の為の住宅を購入、または、増築や改築をする際の資金を贈与される場合、一定の金額まで非課税で贈与を受けることができる制度です。

例えば、被相続人の相続財産の中で、預貯金が潤沢にある場合には、子の自宅を購入する際の頭金に充てる為に贈与をしてあげ、節税にもなるという様な方法もあります。

贈与を行う年や、その住宅によっても非課税となる金額が違いますので、実行の際には、確認してください。

▼詳しくはこちら
住宅購入予定者必見!住宅取得等資金贈与で賢く節税する方法

1-1-4.教育資金の一括贈与

30歳未満の者の教育資金に充てる為に、父母や祖父母等の直系尊属が金銭等を出し、金融機関に信託等をした場合には、受贈者1人につき1,500万円(学校以外の物については、うち500万円)までの金額については贈与税が非課税となります。

ただし、受贈者が30歳を過ぎた時に使い残した金額があった場合は、その金額に対して贈与税がかかってしまう為、注意が必要です。

この規定の適用を受けようとする受贈者は、一定の日までに教育資金の支払いに充てた金銭等に係る領収書を取扱金融機関の営業所等に提出しなければなりません。

教育資金の一括贈与

▼詳しくはこちら
1,500万円まで非課税で贈与できる教育資金の一括贈与

1-1-5.結婚・子育て資金の一括贈与

20歳以上50歳未満の結婚・子育て資金に充てる為に、父母や祖父母等の直系尊属が金銭等を出し、金融機関に信託等をした場合には、受贈者1人につき1,000万円(結婚資金については、うち300万円)までの金額については贈与税が非課税となります。

ただし、受贈者が50歳を過ぎた時に使い残した金額があった場合は、その金額に対して贈与税がかかってしまう為、注意が必要です。
また、贈与者の相続が発生した時点での残高金額は、相続税の課税対象となります。

この規定の適用を受けようとする受贈者は、一定の日までに結婚・子育て資金の支払いに充てた金銭等に係る領収書を取扱金融機関の営業所等に提出しなければなりません。

結婚・子育て資金の一括贈与

生前贈与の比較については、下記記事でご紹介しております。

▼詳しくはこちら
相続税で損しないために!活用すべき生前贈与の総まとめ【保存版】

1-2.不動産の評価を下げる

相続税対策としてもう1つ挙げられるのが、「不動産の評価を下げる」という方法です。
誰かに贈与をして財産を移すのではなく、被相続人が所有して財産の評価そのものを下げてしまおうというものです。

評価が下がることによって、相続財産全体の評価額も下がるので、それに伴って節税に繋がるという訳です。
では、不動産の評価を下げるにはどんな対策があるのか?ご紹介していきます。

1-2-1.貸家建付地

貸家建付地とは、自分の所有する土地に、自分の所有するアパートやマンション、貸しビル等、賃貸用の建物を建てて、他人に貸している土地のことをいいます。

その土地を所有している人(地主)が、自宅の敷地の様に自由に土地を使用していた場合には、自用地として評価されますが、貸家人に貸している状態の貸家建付地は、自用地に比べて評価が低くなります。

どれくらいの割合で評価が低くなるのかといいますと、下記の計算式に当てはめた評価額になります。

貸家建付地の評価額

この時の、借地権割合や、借家権割合は、地域によって異なります。
国税庁のホームページに記載されている、路線価や評価倍率表で確認できます。
また、土地評価の詳しい説明については、下記の記事で紹介しています。

▼詳しくはこちら
評価額で相続税が変わる!気になる土地の評価とその算出方法

1-2-2.小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす被相続人の、自宅や事業に使われていた土地に対して、相続時の評価を減額してくれる特例のことです。

小規模宅地等の特例は、評価減の割合が対象となる宅地の種類によって変わってきますが、適用できると非常に節税効果の大きな特例です。

この制度は、相続が発生して初めて適用になる特例ですが、要件が細かく設定されています。
宅地の種類によってそれぞれ要件等が異なりますので、下記の記事をご参照ください。

▼詳しくはこちら
知ってお得に納税!相続評価が減額になる小規模宅地等の特例

1-3.相続人を増やす(養子縁組)

養子縁組とは、親子関係のない者同士を、法律上、親子関係があるものとすることです。

例えば、孫や子の配偶者等と養子縁組をすることにより、血縁関係はなくとも、戸籍上の相続人の数が増えます。

相続税の計算においては、相続財産の総額から「基礎控除額」を控除します。
下記が基礎控除額の計算式になります。

「相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」

つまり、相続人の数が増えると、自動的に基礎控除額が増えるというわけです。

また、死亡保険金や死亡退職金を相続人が受け取る場合、それらも法定相続人の数に応じて500万円×法定相続人の数までは非課税になります。
こちらも、法定相続人が増えると、非課税になる金額が多くなります。

このように、相続人の数が増えることにより、節税に繋がるという方法もあります。

ところが相続税上の計算では、非課税に出来る相続人の数に限度があります。
また、相続人が増えれば増えるほど揉める原因にもなります。
ですから、安易に養子縁組を行うのではなくデメリットも考慮した上でご検討ください。

▼詳しくはこちら
養子は相続財産を貰えるの?養子縁組を行う際の注意点

1-4.非課税財産を活用する

1-4-1.生命保険

生命保険の死亡保険金は相続税の対象ですが、「500万円×法定相続人数」の非課税枠が設けられています。

現金だとそのままの金額が相続税の対象になってしまいますが、生命保険の死亡保険金で受け取ると、非課税枠分を控除した金額に対して相続税が課される為、現金で受け取る場合に比べて、相続税が少なくなるという訳です。

預貯金が潤沢にある場合には、そのまま保有しているよりも、相続税の対象となってしまう現金から保険に変えておくだけで節税になります。

▼詳しくはこちら
相続税額を大幅に抑える!生命保険でできる相続税対策

1-4-2.お墓等

お墓や仏壇等には、相続税がかかりません。
これらの財産は祭祀財産といい、先祖を敬う為のものであり、お金に替えられない物だからです。
その為、価値があるものであったとしても非課税財産の対象になります。
ですので、生前にお墓や仏壇を購入しておけば節税が可能ということです。

また、お墓の場合には土地を買うのではなく使用権を買うということになるので、不動産取得税等の税金が課されることもありません。

1-5.配偶者控除(配偶者に対する税額軽減)

配偶者控除とは、次の2つのうちのどちらか高い方までが非課税となる制度です。

① 被相続人の配偶者が、相続や遺贈によって取得した財産の総額が、法定相続分以内であれば、相続税はかかりません。

② 遺産総額から、配偶者の取得する相続財産が1億6,000万円未満であれば、相続税はかかりません。

つまり、配偶者が被相続人の財産をもらった場合、1億6,000万円未満は無税、または1億6,000万円を超えた場合であっても、法定相続分までなら、相続税額は0円ということになります。

配偶者に相続させた場合には、非課税になる枠が大きいので有効ですが、二次相続を考えると逆に増税になる場合もありますので、シミュレーション等をされた上で実行されることをお勧めします。

▼詳しくはこちら
奥さんは無税って本当?相続税の配偶者控除を分かり易く解説
税金を多く払いたくないなら二次相続を考えて遺産分割すべき

2. 遺産相続対策(争族対策)

2つめの対策として挙げられるのは、遺産相続対策です。
残された相続人間での争いを避ける為に、生前から備えておく対策のことです。

揉めることが予測されていたにも関わらず、この遺産相続対策を怠ってしまうと、後々になって相続人間で遺産分割がまとまらずに争いが長引き、相続税を抑えられる特例等が受けられなかったという事例もありました。

争いや時間のロスを避ける為にも、しっかり対策をする必要があります。
では、どのような対策があるのか、解説していきます。

2-1.遺言書の作成

相続の発生後、まず遺言書の有無を確認します。
被相続人の遺言書が遺されていた場合には、遺言書の内容に従って被相続人の財産を分配していく流れになります。

ですが、遺言書が遺されていなかった場合には相続人全員で、相続財産を誰がどのように分けるのかを話し合う必要があります(=遺産分割協議)。

遺産分割協議は相続人全員の合意が必要になる為、話し合いがまとまらない場合には、いつまでたっても財産を分けることができません。
相続人同士の中が不仲であったり、被相続人が再婚をしていたり、その他にも遺産相続が絡んだ際に揉めることが予測される場合には、遺言書を作成して相続発生後の手続きがスムーズに進められるように備えておきましょう。

遺言書の種類や詳しい説明については、下記の記事でご紹介しています。

▼詳しくはこちら
【保存版】遺される家族のためにぜひ検討したい遺言書の全て

2-2.財産を整理する

財産が分けづらい内容だと、相続人にうまく分配することができずに、偏った財産を相続させることになってしまうかもしれません。
相続人が不公平を唱え、そこから争いの発端になってしまうことも考えられます。

例えば、自宅と親から相続した実家(空き家)等を3人の相続人に相続させる場合、使用していない空き家を生前に売却して現金化し、財産を分けやすくするという方法等があります。

2-3.生命保険

例えば、被相続人の相続財産が自宅とわずかな預金のみだったとします。
相続人が複数いた場合、このようなケースだと全ての相続人で平等に遺産相続をしようとすると、1つの不動産(自宅)を相続人全員での共有名義にするか、自宅を売却して得た現金を相続人全員で分けるということになります。

このような場合、相続人の誰か1人が自宅を取得し、さらにその相続人を死亡保険金の受取人に設定しておき、その生命保険金を、その他の相続に対して現金として支払う訳です。
そうすれば、自宅を共有名義にしたり、売却せずとも他の相続人も納得の上で自宅を相続することができます。

このような方法を「代償分割」といいます。
生命保険を活用し、代償分割にて遺産相続争いを防ぐという方法もあります。

▼詳しくはこちら
不動産など分割できない相続財産は代償分割でスッキリ解決

3. 納税資金対策

相続対策として、よく節税対策に目がいきがちですが、財産の評価額を下げるだけでなく、納税資金を確保する為に、納税資金に換価しやすい資産を用意してくということも重要な対策になってきます。

相続税は原則として、相続発生後10ヶ月以内に現金で一括納付しなければなりません。

3つめの対策として挙げられるのは、納税資金対策です。
これは、相続税の申告が必要な方にのみ当てはまる対策になりますが、相続税が支払えない…なんて事態を防ぐ為に、生前から納税資金対策を考えておきましょう。

3-1.生命保険

上記でも述べたように、相続税の納付は原則的には現金一括納付です。
よくあるケースが、相続財産のほとんどが不動産で、預貯金が少なく相続税を賄えないというケースです。
そういった事態に備えて、納税資金を確保するのに有効な対策が生命保険です。

生命保険金の受取人は、加入者の死亡と同時に死亡保険金を受け取る権利が発生します。
銀行に預貯金が遺されていた場合には、その口座は相続発生と共に凍結されてしまい、預貯金を受け取るまでに手間や時間がかかります。
そして、他の相続人と協力して手続きを進めていかなければなりません。

生命保険は、受取人本人が受取の手続きを済ませればすぐに使える現金となりますので、すぐに納税資金として充てることができます。

3-2.資産の売却

売却できる資産があった場合には、その売却代金で納税資金を確保することができます。
ところが、納税の為に急いで売却しなければならないと相手に思われると、足元を見られて売却価格が低くなる可能性もあります。

せっかくの資産価値を下げない為にも、時間に余裕を持って売却の手続きを進められることをお勧めします。

ただし、売却をしたことによりかかる税金もありますので、どういった方法が一番有効かは、税理士等の専門家に相談をしてから売却された方が宜しいかと思われます。

3-3.金融機関による借入

金融機関から融資を受けて納税する方法です。
金利は、金融機関により異なる為、それぞれ確認が必要になりますが、延納の金利より低い場合には有利となります。

ちなみに延納とは、相続税を現金一括で期限内に納付することが不可能な場合に、相続税を分割して支払う方法です。

延納できる期間は原則として5年以内です。
延納を税務署に認めてもらうには、担保の提供等、一定の条件が必要になります。

更に、利子税(相続税の延滞税よりは安いです)がかかります。
利子税の割合は、相続財産の不動産が占める割合や、延納期間によって、年間数%になります。
マイナス金利の今、金融機関から借入をする方が得かもしれません。
従って、金融機関からの借り入れと延納の双方の金利を比べた上で、負担の少ない方を選択しましょう。

4.まとめ

今回は、相続対策として大きく3つに分けた対策と、それぞれの対策の中で具体的な対策方法をご紹介させていただきました。

一口に対策といっても、実にたくさんの方法がありますが、大半は生前から早めに動き出すことが大切です。
ご自身の状況に当てはめて、何をすべきなのかをお考えいただき、来るべき相続に備えましょう。

著者:相続ハウス 栗田 千晶(相続診断士)
監修:税理士法人エスネットワークス

相続が発生したらまずは相談を【お金の知りたい】の無料相続相談

大切な人がお亡くなりになると、悲しむ暇も無いほど、やることがたくさんあります。
何をどうやってどれから進めれば良いのかわからなかったり、余計な手間や時間、支出を避けたいと思っている方は多いと思います。

そう思われる方は「お金の知りたい!」がオススメする無料相続相談を是非ご活用ください。
経験豊富な相続診断士がしっかりとお話を伺い、スムーズな相続のお手伝いをいたします。

詳細はこちら