どこまでが相続人になる?代襲相続の範囲確認はこれで完璧

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下の図を見てみましょう。

 

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次男と三男は健在ですが、どちらも相続権をとりあげられているため、もし父が亡くなった時は、次男と三男の子であるAさんとBさんがそれぞれ代襲相続をすることになります。

したがって、この場合は母、長男、Aさん、Bさんが相続人になりますね。

今まで説明してきた代襲相続は、全て相続人が亡くなっていることによって起こる場合でしたが、次の2つは相続人が生きているうちに代襲相続が起こる場合です。

3-1. 相続人欠如

相続人欠如とは、相続に関して不正な利益を得ようとして不正な行為をした人またはしようとした人から、相続人の資格を剥奪する制度です。

不正な行為というのは次のような行為で、それをした人は被相続人の申し立てがなくても、家庭裁判所の指示によって相続権を失うことになります。

  • 故意に被相続人を殺したり、殺そうとした、または相続人を殺して自分が相続者になろうとしたなど、相続に関係する殺人を犯したまたは未遂でも事件を起こした
  • 被相続人が殺害されたことを知っていたのに告発をせず、告訴しなかった
  • 詐欺や脅迫によって遺言書を書かせたり、遺言をさせたりその内容を取り消したり変更させたりした
  • 相続に関する遺言書を偽造したり、変造したり、本来あった遺言書を破棄したりした

3-2. 相続人廃除

相続人廃除とは、上記の相続欠格までの重大な理由はないけれども、被相続人からみてその人に相続させたくないと思うような非行があり、その人に相続させたくない場合に、被相続人の請求によって家庭裁判所が審判または調停によって相続権を剥奪する制度です。

被相続人に対して虐待を日常的に繰り返していたり、重大な侮辱を与えていた、または推定相続人に著しい非行があったなどの理由で、相続人から相続権をとりあげることができます。

欠如との大きな違いとしては、被相続人からの申し立てが必要だということと、仮に被相続人が亡くなった後でも遺言に相続人廃除の旨を書いていれば、廃除の申し立てができるということです。

ただし、相続人欠如も相続人廃除も制度自体は存在しますが、家庭裁判所にその理由が認められて実際に権利をとりあげるケースはかなり少ないので注意が必要です。

4. 代襲相続にならない場合

本来の相続人が生きている間に相続権を失い代襲相続が起こる場合を説明しましたが、これは本来の相続人が生きている間に相続権を失うのは同じですが、代襲相続が起こらない場合です。

相続放棄

家庭裁判所で相続放棄の申し立てをした場合、本来相続人である人は相続権を失うことになります。

ただし、ここで相続人欠如・廃除と決定的に違うのが、「もともと相続人でなかったとみなされる」ということです。

そもそも相続人でないのなら、相続を考える上では赤の他人と同じという訳ですね。

当然、赤の他人ならば財産は相続できませんし、もちろん代襲相続も起こりません。

下の図を見てみましょう。

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三男が相続放棄をした場合、三男は「もともと相続人でなかったとみなされる」ので、代襲相続は起こりません。

つまり、Bさんは相続できないことになりますね。

この場合の相続人は、母、長男、次男ということになります。

特に、被相続人に借金があった場合等は、自分が借金を肩代わりすることもなく、子や孫へマイナスの財産を相続させることもなくなるので、相続放棄をすると効果的です。

ただしここで注意しなければいけないのが、代襲相続が起こらないのは「家庭裁判所で相続放棄の手続きをした場合」だということです。

相続放棄にはもう1つ、遺産分割協議書で相続しない旨を書くという方法がありますが、これは実際に一切財産をもらわなくても相続権はそのまま存在しますので、代襲相続は起こります。

例えば、後から借金があることが判明し、その時に遺産分割協議書で相続しないとした相続人が亡くなっていた場合、借金はその相続人の子が負担することになるのです。

被相続人の借金を背負いたくなくて放棄する場合は、必ず家庭裁判所で相続放棄の手続きをしましょう。

5. 代襲相続の相続分例

ここでは代襲相続が起こった場合の、法定相続分割合を、例をあげてご説明します。

自分が相続人に当てはまる場合、どれくらいの財産を相続するのかを知る目安として参考にしてみてください。

5-1. 実子の相続分

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5-2. 兄弟姉妹の相続分

 

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5-3. 養子の相続分

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まとめ

代襲相続によって子が亡くなっていても孫へ相続させることができるので、先祖が築き上げた財産は家の繁栄に繋がることがわかると思います。

しかし反対に、代襲相続が起こることによって、相続人が複数になってしまったり、1回も連絡をとったことがない人と遺産分割協議をしなくてはいけなくなったりするリスクも伴います。

被相続人が亡くなってから慌てて確認するのではなく、何かあった時のために自分が相続人になりそうなのか、なるとしたらどういう問題が起きそうなのか、予め把握しておくようにしましょう。

著者:相続ハウス 彼末彩子(相続診断士)

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