追徴課税がかかる可能性も!名義預金を贈与する際の注意点

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名義預金 贈与

近年、マイナンバーや一定以上の所得を持つ人が財産債務調書の提出を義務付けられるなど、相続税への監視の目が厳しくなっています。
そんな中、注目されているのが生前贈与です。

相続発生前に子どもに財産を移動させれば、相続税がかからずにすむと考えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、安易な財産の移動には注意が必要です。

今回は、名義預金が贈与として認められるためのポイントと注意点をご紹介します。

1.名義預金で贈与税、相続税がかかる?

1-1.名義預金は子どもの財産ではない

相続税の基礎控除枠が縮小されていることや、自宅の評価額を減額する特例の要件緩和など、複数の理由から生前贈与に注目が集まっています。
その中でも、気をつけたいのが名義預金です。

親が子の名義で預貯金をしても、子どもがその事実を知らず、実質的に親が管理している状態では親のお金とされるのです。

贈与を法律的に見ると、あげる側ともらう側の契約です。
つまり双方が「あげる」「もらう」の意思表示をしないと、そもそも贈与として成立していないのです。
そういった意味で、名義預金は贈与としてなり得ないのです。

仮に意思表示をして贈与をしたとしても、贈与税が発生するリスクがあります。
本来、贈与税は年間110万円以内でしたら税金がかかりませんが、定期的に贈与するお金が110万円の範囲内でも贈与税がかかるケースをご紹介します。

<例>
子どもに1,100万円を贈与したいが、税金がかからないよう10年に分けてあげようと考え、毎年上限の110万円を「贈与」という名目で振り込んでいた場合、110万円×10年毎の贈与額は、まとめて1つの贈与とみなされてしまう可能性が高いのです。

贈与税として課税される場合は、金額に応じた税率が課されます。
上記の例で1,100万円に贈与税が課された場合、税率は30%となり、207万円の納税義務が生じます。

【参考:贈与税の税率(特例税率)】

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円

1-2.名義預金で相続税が発生することもある

実質的に親が管理している名義預金が税務署の目に触れる危険は少ないのではないか、という考えを持つ人もいます。

しかし、贈与とみなされない場合は、のちに相続税が発生することとなり、課税されるという点では変わりません。
相続税が課税されるときに危ないのが、名義が子どもなので相続財産として申告しなかったという場合です。

1-3.相続時、名義預金を申告しないとどうなる

現状は申告漏れがあっても、税務署が調査にはいる前までに自主申告をすれば、追徴課税は免れます。

しかし2017年からは税務調査前の自主申告でも、申告漏れをした時点で、5%の過少申告課税がかかります。

さらに税務調査がなされると、税率が10%にアップします。
名義預金の税金逃れが多く、規制がより厳しくなっているのです。

2.名義預金にしない方法

名義預金は贈与となりえず、相続時に申告しないと故人の財産として課税される恐れがあることは既述の通りです。
そこで贈与税、相続税に配慮した、いわば名義預金にしないための贈与について見ていきましょう。

2-1.親が勝手にやっても意味がない

親が勝手に通帳を作り、お金を振り込む……というやり方では、実質は親の預金であり、名義預金と断じられても仕方がありません。
名義預金ではなく「贈与にする」ためのポイントは以下の通りです。

(1)贈与にはお互いの意思表示が必要
親が個人的にやるのではなく、子どもと意思の疎通を図ることが必要です。

(2)管理は子どもがする
贈与によって所有権が移るのですから、印鑑や通帳の管理は子どもがする。

(3)贈与契約書を作成
契約書を作成し、「何を贈与するのか」「日付」「親、子ども、双方の住所・氏名・印鑑」これらを記載する。
なお、110万円以内の贈与を複数年行うときは、毎年贈与契約書の作成が必要になります。

2-2.確実に贈与の証拠を残す方法

贈与契約者や、あえて110万円を超えて超過分の贈与税を納税するという手もあります。
例えば、毎年の贈与税を111万円にすると、どうなるでしょうか。

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