住宅や土地などの固定資産には、どのくらい税金がかかるのか、その計算方法を知りたいと思われる方も多いのではないでしょうか?
住宅や土地といった固定資産を所有している人には固定資産税が課せられます。
また、かかる税金の金額を決める際には、国が定めた「固定資産税評価額」という独自の基準が用いられます。
では固定資産税評価額はどのようにして決められるのでしょうか?
今回は固定資産税の対象となる資産やかかる税額の計算方法など、具体例を用いてご説明いたします。
簡単な計算方法ですので、この記事を参考に、実際にどのくらいかかるのか、目安として算出してみてくださいね。
1.固定資産税の対象となる資産
納税者が所有している土地や家屋は固定資産とみなされ、固定資産税の対象になります。
また、事業のために用いられる構築物や機械、器具、車両などの資産は償却資産と呼ばれ、これらの固定資産も対象となります。
ただし、償却資産には耐用年数と呼ばれる期限が設けられており、その期限を過ぎると固定資産からはずされます。
国税庁の公式ウェブサイト(https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/houji312.htm)には、それぞれの償却資産に課せられた耐用年数が掲載されているので、参考にすることをおすすめします。
2.固定資産の評価方法
固定資産税の対象となる資産の価額は「固定資産評価額」という金額にもとづいて計算されます。
固定資産評価額は総務大臣が定めた固定資産評価基準にもとづき、各市町村の首長が価格を決定します。
固定資産評価額の割合には地域差があるものの、一般的には家屋の時価や土地の公的価格に対して、70%程度の金額がつきます。
ただし土地の価格は変動することもあるため、評価額は3年に1度の間隔で見直されます。
3.固定資産税の計算方法
実際に固定資産税を算出する場合、どのような計算が必要になるのでしょうか?
固定資産税は「固定資産税評価額×標準税率(1.4%)」の計算式で求められます。
下記のような具体的な例を挙げて、実際に固定資産税がいくら課せられるかを計算してみましょう。
【計算例】
固定資産評価額500万円の住宅地(300㎡)と固定資産評価額1,500万円の住宅を持っている場合
※1㎡あたりの路線価が1万6,700円
STEP1:課税対象となる土地の価格を算出する
まずは、土地の固定資産税の対象となる価格を求めましょう。
土地の固定資産税には、200㎡以下の土地は課税対象価格が1/6になる「小規模住宅用地の特例」と、200㎡以上の部分は対象価格が1/3になる「一般用住宅地の特例」が認められます。
ただし一般用住宅地の特例の適用は、土地の面積が住宅面積の10倍以上にならないことが条件です。
このケースの場合は住宅地の面積が300㎡なので、2つの特例が適用されます。
●小規模住宅用地の特例が適用された価格
1万6,700円×200㎡×1/6=55万6,700円(100円以下四捨五入)
●一般用住宅地の特例が適用された価格
1万6,700円×100㎡×1/3=55万6,700円(100円以下四捨五入)
この2つの価格を合計して、土地の固定資産税の対象となる価格は111万3,400円となります。
STEP2:課税対象となる家屋の価格を算出する
次は、家屋の固定資産税の対象となる価格を求めます。
新築家屋には床面積が50㎡以上280㎡の場合、120㎡までは税額が半分になるという減額制度(2016年3月まで)が適用できます。
しかし、このケースでは通常の住宅となりますので、課税対象となる価格はそのまま1,500万円となります。
STEP3:固定資産税の算出方法
固定資産税は、ここまで算出してきた価格に標準税率の1.4%を掛け合わせた金額になります。
●土地
111万3,400円×1.4%=1万5,587円(小数点以下四捨五入)
●家屋
1,500万円×1.4%=21万円
この2つの価格を合計して、22万5,587円が固定資産税の価格となります。
4.納税方法
固定資産税の納税は、市町村から納税通知書の内容にもとづいて行われます。
詳細は納税通知書の中に記入されていますが、4期に振り分けられている点が各市町村で共通しており、それぞれ定められた期日以内に支払うことが義務付けられています。
ちなみに東京都では6月、9月、12月、2月が支払期限と定められており、その月以内に支払う必要があります。(12月は27日まで)
期限を過ぎると延滞金が課せられる可能性があるため、注意しなければいけません。
5.まとめ
課税対象となる資産はさまざまですが、評価額の計算までに複雑なプロセスが必要となる固定資産は、正確な税額の算出がとても困難なものであるといえるでしょう。
税理士などの専門家に依頼すれば確実性は上がるのですが、それもまた負担となってしまうのも現実です。
なるべく自分の力で正確な計算ができるように、その方法を理解しておくことが大切です。
ここで紹介した情報も参考に、固定資産税について、しっかり理解をしておきましょう。