スムーズな相続のために必要な相続人代表者指定届とは

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相続人代表者指定届

被相続人である方が亡くなった際には、相続人代表者指定届という手続きを行うことをご存じでしょうか?

被相続人が亡くなると、まだ支払いが終わっていない税金の納税などを誰かが代わって行なわなければいけません。
これらの作業を変わりに行う代表者を「代表相続人」と呼びます。
そして、この代表相続人が誰かを決めるために必要な手続きとして「相続人代表者指定届」というものが存在しています。

この相続人代表者指定届も、相続を行う際の大事な手続きの1つです。
スムーズに相続を進められるように、この手続きの内容を具体的に把握しておきましょう。

1.相続人代表者指定届とは

1-1. 代表相続人とは

被相続人の納税通知書などの書類を受け取り、手続きや納税などを行う代表者を「代表相続人」と呼び、代表相続人を指定する際に必要となるのが「相続人代表者指定届」です

代表者ときくと、相続分や遺産分割協議での影響力も強くなるような気がしますが、そんなことはありません。
相続は手続きが煩雑なので、少しでもスムーズに行えるよう相続人の窓口となってもらうのが代表相続人なのです。

代行すべき故人の納税義務は住民税、軽自動車税、固定資産税・都市計画税などです。

相続代表者の詳細は自治体ごとに異なりますが、一般的にこれらの納税義務をすべてに共通した事項とされています。
つまり、一旦代表相続人に指定されると、固定資産税だけでなく他の税目の通知書や納税書類もその者に送られてくるということです。

1-2. 代表相続人が必要な理由

被相続人が亡くなると、相続人は被相続人の納税義務も承継します。
本来であれば自治体は戸籍や住所などを確認し、被相続人と推定される人々に被相続人の納税に関する通知を郵送します。

しかし、相続人が複数いる場合は郵送が煩雑ですし、推定相続人に漏れがあると相続人間でも情報格差が生じてしまいます。
そのため、「代表相続人」という窓口がいると有益なのです。あくまで利便性を追求した結果なのですね。

2.相続人代表者指定届に必要なものと手続き方法

相続人代表者指定届は被相続人の所在地の自治体(市町村役場等)へ提出する必要があり、その詳細は自治体ごとに異なるため、一般的な概要をお伝えします。

2-1.相続人代表者指定届に必要なもの

相続人代表者指定届を行う上で必要になる書類は、通常、自治体の公式サイトなどからダウンロードできます。

「代表者」「被相続人」「代表者以外の相続人全員」の情報を記載します。

押印は代表者のみの書式もあれば、相続人全員分の押印が必要な場合もあります。
押印は、多くは認印可となっています。

通常は署名と押印で済みますが、任意で相続分の記入を求める自治体もありますので、自治体の書類に合わせて記入しましょう。

なお、添付書類は自治体によって幅があり、申込書のみで済む自治体もあれば、相続人であることを証する書類(遺産分割協議書の写しや、戸籍謄本の写しなど)も提出が必要な場合があります。
提出前に確認しておくと安心です。

2-2.相続人代表者指定届の手続き方法

郵送、もしくは窓口へ直接提出します。手数料も気になるところですが、各自治体の効率アップにつながる申し出でですので、一般的に手数料はかかりません。
また代表者を変更したいときは、相続人代表者指定届が変更届を兼ねるケースが多いです。

3.金融機関で相続人代表者指定届が必要な場合

凍結されている預金を解約するためにも、相続人代表者指定届が必要になる場合があります。
金融機関における代表者の扱いを見てみましょう。

3-1.金融機関における相続人代表者とは

金融機関の相続人代表者指定届も、利便性の向上を目的としているのは納税の際と同じです。
被相続人の死亡により口座は凍結されてしまいますが、凍結解除や払い戻しは原則として相続人全員で行う必要があるからです。

代表者が指定されれば、その者だけで各種手続きを進めることができるため、手間を大幅に省くことができるでしょう。

3-2.手続きは厳格傾向

金融機関ごとに相続人代表者指定届の書式や提出書類は異なりますが、自治体よりも要件は厳しいと考えておきましょう。

自治体における相続人代表者の役割は「納税の通知を受け取る」ことが主でしたが、ここでは現金の引き出し預金解約が行えるため、相続人代表者が相続人全員の同意を得ているかどうかをより厳密に見極める必要があるからです。

手続きはもちろん、代表者を誰にするかは相続人間でしっかりと話し合いたいです。

4.まとめ

相続ではさまざまな手続きが必要ですので、少しでも負担を軽減したいです。
相続人代表者指定届も最初は申請の手間があるかもしれませんが、一度相続人代表者を決定してしまえば、その後手続きはスムーズになります。

被相続人の財産を管理するためにも、相続手続きを効率的に行うためにも、迅速、かつ適切に相続人代表者指定の届け出を行いたいですね。
いざというときのために、相続人代表者指定届の内容についてきちんと押さえておきましょう。

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