相続や贈与とは違う!理解しておきたい遺贈について徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
遺贈

「遺贈」という言葉をご存知ですか。
聞いたことはあるけれど、明確な意味はわからないという方は多いのではないでしょうか?

この「遺贈」の意味を正しく理解し、適切に使用しなければ、後々とんでもないことがおきてしまうことがあります。

今回は、この「遺贈」について、ご説明していきたいと思います。

1.遺贈とは

1-1.遺贈の意義

遺贈とは、遺言により特定の人に財産の全部又は一部を無償で譲与することを言います。
法定相続人以外の人は亡くなった方の相続財産を受け継ぐことはできません。

しかし、遺贈をすることにより法定相続人だけではなく、法定相続人以外の人や法人にも財産を譲与することができます。

1-2.遺贈の種類

遺贈には2つの種類があります。
それぞれご紹介して行きたいと思います。

1-2-1.包括遺贈

包括遺贈とは、相続財産の全体に対する配分割合を示した遺贈のことです。
例えば、「すべての相続財産のうち3分の1をAに遺贈する」というような場合です。

包括遺贈の場合、プラス財産だけではなく、遺言者に借金等のマイナス財産があった場合も指定された割合に従って受け継ぐことになります。

上記の例えの場合ですと、Aはプラスの相続財産の3分の1を取得するだけではなく、マイナスの相続財産の3分の1も相続することになります。

包括遺贈で財産を受け継ぐ人は、相続人と同一の権利義務を有します(民法990条)。
その為、法定相続人でない人も、相続人の一人として他の相続人と共に遺産分割協議をしなければなりません。

1-2-2.特定遺贈

特定遺贈とは、特定した相続財産を譲与することです。
例えば、「○○の土地をAに遺贈する」「○○銀行の預貯金をBに遺贈する」というような場合です。

特定遺贈では包括遺贈と異なり、特に指定がない限り遺言者にマイナス財産があったとしても、これを相続することはありません。

特定遺贈で財産を受け継ぐ人は、包括遺贈で財産を受け継ぐ場合と異なり、遺産分割協議が不要です。

2.間違いやすい用語

2-1.贈与との違い

贈与と遺贈の違いは、財産を譲与する人(贈与者)が生きているうちに譲与したかどうかという点があげられます。

贈与者が生きているうちに財産を譲与した場合を贈与といい、贈与者の相続が発生した後に財産を譲与した場合を遺贈といいます。

また、贈与は、財産をあげる人(贈与者)と財産をもらう人(受贈者)双方の合意のもと成立するという違いもあります。

2-1-1.死因贈与との違い

死因贈与とは、贈与者の相続が発生したことを原因として受贈者に財産を譲与する契約のことです。
例えば、「私(贈与者)の相続が発生したら、(受贈者に)1,000万円を贈与する」というような場合です。
贈与者の相続が発生した後に無償で財産を受け継ぐことができる点は遺贈と同様です。

遺贈との大きな違いは、死因贈与は贈与者と受贈者双方の合意が必要となる点です。
つまり、贈与者が生前に受贈者に対して「私の相続が発生したら、1,000万円をあげます」ということに対して、受贈者が承諾することによって成立する契約です。

一方、遺贈は贈与者が遺言書に財産を受贈者に遺贈する旨の記載をするだけで成立し、受贈者の承諾は不要です。
つまり、贈与者の一方的な意思表示のみで成立します。

このように、死因贈与は契約の一種の為、相続や遺贈のように贈与者の相続が発生後に放棄することはできません。

また、遺贈は遺言書に記載することが必要ですが、死因贈与はあくまでも契約となる為、口約束でも成立します(通常は契約証書等にすることが多いです)。

さらに、未成年者と死因贈与契約を結ぶ場合には、親権者の同意または代理が必要となります。

2-2.相続との違い

相続は被相続人の相続が発生した瞬間から自然に発生します。
一方、遺贈は、遺言書がなければ発生することはありません。

2-2-1.「相続させる」「遺贈する」の違い

遺言書に「○○の土地をAに相続させる」と書かれていた場合、相続人の間で遺産分割協議をすることなく、指定された人(ここでいうA)が財産を受け継ぐことができます。
しかし、「相続させる」という文言を使う場合には注意が必要です。

「相続させる」という文言を使う場合には、財産を受け継ぐ人は法定相続人でなければなりません。
法定相続人ではない第三者や法人に「相続させる」旨の遺言をすることはできません。

遺言で法定相続人以外の人に財産を取得させる為には、「遺贈する」という文言を使う必要があります。
ここを間違えてしまうと、その部分については法律上有効な遺言とされず、その財産については相続人全員で遺産分割協議をしなければならないこともあります。

そもそも、遺言書は遺言者の相続発生後に遺産分割について相続人同士で争うことを回避することや法定相続人以外の人に財産を遺したい場合に作成されることが多いです。

しかし、誤った表現をした為に、相続人全員で話し合いを行わなければならず、争いを回避する目的を果たすことができないことや、本来財産を遺したかった方に遺すことができない結果となってしまう場合があります。

一方、法定相続人に対しては「相続させる」「遺贈する」どちらも使うことができます。ただし、手続きをするにあたって若干の違いが生じる場合があります。
詳しくは、弁護士・司法書士等の専門家にご相談下さい。

3.遺贈で財産を取得した場合の税金

3-1.相続税

遺贈で財産を承継した人には、贈与税ではなく、相続税が発生します。
ただし、相続税は相続財産が基礎控除額を超えた場合にのみ発生します。

例えば、被相続人の法定相続人が1名だった場合、被相続人の財産のうち3,600万円(基礎控除額=3,000万円+(600×法定相続人の数))までは相続税がかかりません。

法定相続人以外の人が遺贈で受け継いだ相続財産も相続税課税価格としてその他の被相続人の財産と合算されて算出されます。

相続についてまだ不安が…そんな時は無料でプロに相談しましょう

大切な人がお亡くなりになると、悲しむ暇も無いほど、やることがたくさんあります。
何をどうやってどれから進めれば良いのかわからなかったり、余計な手間や時間、支出を避けたいと思っている方は多いと思います。

そう思われる方は「お金の知りたい!」がオススメする税理士を無料で紹介してくれるサービスを是非ご活用ください。
相続税申告の経験豊富な全国の税理士がしっかりとお話を伺い、スムーズな相続のお手伝いをいたします。

相続税申告での信頼できる税理士はこちら

相続用