ただし、相続または遺贈により財産を取得したときに日本国内に住所がない人で次のいずれにも該当しない人は、遺産総額から控除できる債務の範囲が限られ、葬式費用も控除することができません。
・相続や遺贈によって財産をもらったときに日本国籍を有し、被相続人または財産をもらった人が被相続人の死亡前5年以内に日本国内に住所を有したことがある
・相続や遺贈によって財産をもらったときに日本国籍を有しないが、被相続人が日本国内に住所を有していること
▼参考「相続財産から控除できる債務」(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4126.htm
6. 債務控除をするときの注意点
債務控除をするときに注意すべきポイントを3つご紹介します。
6-1. 保障債務の債務控除
債務控除は原則として、支払うことが確定している債務のみが対象なので、保証債務は控除することができません。
6-2. 財務が時効となっているもの
すでに財務が時効となっている債務については、支払う必要がないため控除することができません。
6-3. 相続財産の維持・管理に関する費用
相続財産の相続発生後の維持・管理に関する費用は、民法第885条によって、相続財産の中から支弁することと定められています。
したがって、こちらも債務控除として控除することはできません。
民法第885条
1.相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。
2.前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によって得た財産をもって支弁することを要しない。
7.まとめ
債務や葬式費用、税金などのうち、控除できるものとできないものを細かく判別することは、難しいと思われます。
なので、これはどうかな?と少しでも疑問に思うことがあれば、専門家に相談し、判別してもらうことをおすすめします。
また債務控除は相続税の負担を軽減させる手段の1つでもあります。
相続税の申告の際には、忘れずに行うようにしましょう。