保険金や退職金も課税対象?民法と税法で異なるみなし相続財産

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みなし相続財産

受取人が相続人ではない方になっていた場合とは、例えば、被相続人の孫があげられます(孫に代襲相続が発生した場合は相続人となる為、非課税の適用が受けられます)。

4-1-2.相続税が2割加算

みなし相続財産の受取人が、一親等の血族(つまり、親・子)ではない方の場合は、その受取人はその分の税金に2割加算した金額が課されます。

相続税法上では、被相続人の配偶者や親、子、そして代襲相続人となる孫以外の人が財産を相続若しくは遺贈して取得した場合、相続税額の2割に相当する金額を加算することが定められています。

4-2.相続放棄をした場合

みなし相続財産の受取人が相続放棄をした場合であっても、受取人はみなし相続財産を受け取ることができます。
つまり、相続放棄した人がみなし相続財産の受取人になっていた場合、被相続人のマイナスの財産を引き継がず、プラスのみなし相続財産のみを受け取ることができるのです。

ただし、この場合も非課税枠を利用できないのでご注意ください。

4-3.養子の数

民法上、養子の数に制限はありません。
一方、相続税法上の養子の取扱いは異なります。

法定相続人の中に実子がいる場合、普通養子は1人まで、実子がいない場合の普通養子は2人までしか法定相続人の数に算入することができないことになっています。

例えば、被相続人の法定相続人として実子1人と養子2人がいる場合、実子1人と養子1人のみが法定相続人の数に算入され、みなし相続財産の非課税枠を計算する際には合わせて1,000万円(「500万円×法定相続人の数2名」)までが非課税となります。

実際の法定相続人は3人いますが、みなし相続財産についての非課税額が1,500万円にならない為、注意が必要です。

なお、特別養子縁組をした者、連れ子養子、代襲相続人で被相続人の養子となった者は実子とみなされ、養子の数の制限を受けることはありません。

5.まとめ

今回は民法上と税法上のみなし相続財産の違いについてご説明しました。

民法上では相続財産ではありませんが、税法上では相続財産になるものがあります。
相続財産ではないと思い、相続税申告にみなし相続財産を入れないで計算した場合、後に過少申告となりペナルティとして過少申告加算税等の余計な税金がかかってしまう可能性があります。

このように、同じ言葉でも法律によって異なった意味合いを持つ為、十分注意が必要です。
判断に迷われた時は、弁護士・税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

著者:山﨑 あすか(相続診断士)
監修:税理士法人エスネットワークス

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