相続トラブル防止のために!自筆でつくる遺言書の書き方

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遺言書の書き方

相続が発生した場合に備えて、トラブル防止のためにも遺言書を残しておきたいと考える人も多いのではないでしょうか?

遺言書を書いておきたいと思ったとき、まず考えるのが、いつでもすぐに書くことができる遺言、「自筆証書遺言」でしょう。
手軽に作成できる一方、手軽すぎてトラブルになるケースもあります。

今回は自筆証書遺言の書き方をご紹介します。
注意点をしっかりと押さえて、トラブルにならない遺言書をのこしましょう。

1.いつでもどこでも、自由に書ける自筆証書遺言

重度の認知症など特別の場合を除き、満15歳以上であれは誰でも遺言書を作成できます。
特に自筆証書遺言は、以下の要件で作成可能です。

(1)本人が全文を書く
(2)作成年月日、氏名を記載する
(3)押印する

しかし、押印や日付の書き方など、法律上、有効となる遺言を書くためには一定のルールが存在します。
自筆証書遺言の書き方と注意点をご紹介します。

1-1.自筆証書遺言の書き方

実は書き方に決まりはありません。
そのため作成の際は紙とペン、そしてハンコさえあればいいといえます。

押印は認印でも拇印でもいいとされていますが、実印の方が信用度は高いです。

遺言書を書き間違えたり変更したりする場合にも押印が必要となりますので、その点からも実印を用意することをおすすめします。

1-2.自筆証書遺言でありがちなミス

シンプルな要件なため気軽に作成可能なのが長所ですが、1人で作成できてしまうがゆえに、ミスを指摘されず要件を満たさないまま相続を迎えてしまう例もあります。
3つの注意点を挙げてみました。

1-2-1.遺言書の注意点1:全文自筆

文体や書式といった規定はありませんが、「書く」という作業が必要です。
代筆やパソコンの印刷はもちろん、点字機やテープレコーダーに録音したものも認められません。

しかしそれ以外の点は自由であり、縦書き、横書きはどちらでもかまいませんし、枚数が複数に及ぶときは全体で一つの文章であることが確認できれば問題ありません。

1-2-2.遺言書の注意点2:作成年月日

制作年月日は特定されなければなりません。
遺言の作成時期は有効性を判断するうえで不可欠の要素です。

たとえば、日付の不明確な2通の、しかも内容の異なる自筆証書遺言が発見された場合、どの内容を遺言とすべきか遺族には判断できません。

「何月吉日」という表現では明確にはなりません。
遺言書ではなく封筒に日付を記載するという事例もあり、これは有効か否かの決着が裁判に持ち越されました。

裁判では封筒への日付も有効とされましたが、慎重を期して日付は遺言書に記載したいです。

1-2-3.遺言書の注意点3:氏名を記載

氏名は、本人が特定されれば芸名や通称でもかまわず、苗字や名前だけでもよいとされています。
しかし、せっかく書くなら本名をフルネームで記載し、遺族の疑問や不安を減らしたいところです。

このように個人がいつでも作成できるというメリットがある一方、ちょっとしたミスで不備に終わってしまうケースもあります。

また、当事者だけに「誰が」「誰に」「何を」といった基本的な事柄が抜け落ちてしまうこともあります。
本人だけでなく、相続人の名前や相続させたい物(場所)も正確に記載しましょう。

2.手軽な反面、相続発生時の手間がある。後にトラブルになるケースも

2-1.必要な裁判所の検認とは

自筆証書遺言が有効と認められるためには裁判所の検認が必要です。
発見された遺言書は遅滞なく裁判所に提出しなければなりません。

費用は数百円程度ですが、申立書が必要なほか、遺言者、相続人の戸籍謄本なども添付する必要があります。

自筆証書遺言が有効と認められるためには、こういったハードルをクリアしなければならないことを知っておきましょう。

2-2.紛失や隠ぺいの可能性

自筆証書遺言の存在が相続人に知らされておらず、発見されないまま、遺産分割協議が終了してしまう恐れもあります。

終了後に、遺産分割協議と異なる内容が記載された遺言書が発見された場合は、遺産分割協議をやり直さなければならないこともあります。

さらに深刻な問題として、遺言書の発見者が自分に不利な内容の遺言書を隠ぺいしてしまうという可能性も否定できません。

隠ぺいに関してはデータが取れないので何ともいえませんが、遺言書の有効性を争った裁判例は多く存在します。

こういった懸念を防ぐ遺言書として、公正証書遺言と秘密証書遺言があります。
この2つの概要を次の項目で見ていきましょう。

3.公正証書遺言と秘密証書遺言とは

3-1.手続きが大変!公正証書遺言

公正証書遺言書の主な要件は以下のようになります。

・証人の2人以上の立ち会いを得る
・遺言者が公証人に遺言の内容を口述する
・公証人が趣旨に添って作成する

作成するのは公証人であるため、筆記の間違いを防ぐ手続きが慎重に行われます。
遺言者、証人双方、筆記が正確であることを承認し、各自署名押印します。その後さらに公証人が署名押印します。

作成・手続きの煩雑さに加え、証人が必要なので内容を秘密にできない、費用がかかる(遺産1億円で数万円程度)といった注意点がありますが、裁判所の検認は不要であり、不備や書き間違いは防ぐことができます。

3-2.内容を秘密にできるが検認が必要、秘密証書遺言

秘密証書遺言の主な要件は以下のようになります。

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