たとえば、子どもや孫の結婚や子育てを支援する目的で行った贈与であれば、1,000万円(結婚の場合は300万円)が非課税枠となる特例が存在しています。
それだけではなく、孫などの教育を支援する目的で行った贈与に関しても、特例によって1,500万円までが非課税と認められているのです。
3-4.贈与税の注意点
暦年課税制度による贈与には年間110万円までの非課税枠が設けられていることから、相続税の対策として生前贈与を行うケースも少なくありません。
しかし、贈られた財産が相続の対象にならないためには、生前贈与を行っていたことを証明する必要があるため、贈った人と受け取った人の間で贈与が行われた証拠を残しておくことが大切です。
そのために、あえて非課税枠である110万円をこえる贈与を行い、少額の贈与税を納めて記録を残しておくという方法も行われています。
4.まとめ
「財産を継承する」という意味合いでは共通している相続と贈与ですが、それぞれに課せられている課税制度の内容は大きく異なっています。
送る側にとっては大切な人に自分の財産を託すために、受け取る人は贈られた財産を活かしていくために、できるかぎり多い割合で財産を受け取りたいと考えるものです。
そのためにも、それぞれの課税制度について知ることは大切です。
充分に理解して、後悔のない形で財産の引継ぎを行ってください。