課税対象に?基礎控除額が引き下げられた相続税法改正を解説

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今まで法定相続人がいれば最低でも6,000万円までは非課税だったのですが、改正後は最低3,600万円まで下がります。

これは、法定相続人の数が少ない場合、都内に持家を持っている方はほぼ相続税が発生するといっても過言ではありません。

例)自分、妻、子供2人の4人家族で世田谷区の一軒家(120㎡・路線価35万円)に住んでいた場合に、自分が亡くなった場合を見てみましょう。

【相続人】3人(妻、子供2人)
【基礎控除額】3,000万円+600万円×3人=4,800万円
【土地の評価額】4,200万円(120㎡×35万円で計算したとする)

この場合、預金などの不動産以外の財産があと600万円(基礎控除額(4,800万円)-土地の評価額(4,200万円))以上あると、4,800万円を超えるので相続税が発生する可能性があります。

決してお金持ちの家庭だけの問題ではなく、一般家庭にも影響があることがわかりますね。

2-1. フローチャート

下のフローチャートは、相続税が発生するかしないかの目安です。

法定相続人の数によって基礎控除額が変わるため、あくまでも目安ではありますが、自分に影響があるかもしれないのかどうか、参考にしてみてください。

詳しくは次の項目で説明します。

FILE-20150806-18363FWJBJDVDRCP

2-2. 都心部の影響データ

相続税の基礎控除が引き下げになったことによって、相続税が発生する人はどれくらい増えるのでしょうか。

下記の図は、全国主要都市の、相続税改正前と改正後を比較したデータです。どの都市も、課税対象になる人の範囲が増えていることがわかりますね。

東京都心では、今まで港区や中央区辺りに住んでいる人が課税対象になる人が多いとされていましたが、その範囲が世田谷区や練馬区辺りまで広がっていることがわかります。

このサイトの図はとても分かりやすいので、ご興味がある方はリンクを見てみてください。

「へーベルハウス 相続税の改正と対策」

http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/souzokuzei/index.html

3. 相続税がかかるかどうかを確認してみましょう

相続税が発生する可能性があるかどうかを調べるために、まず前提として確認しておくべきことがあります。

3-1. 法定相続人

まずは基礎控除額を出すために、法定相続人の数を把握することから始まります。

通常は戸籍で家族の構成を調べなくても分かりますが、亡くなった後に戸籍を取得したら実は認知した子供がいて、他にも法定相続人がいることがわかった、ということも少なくありません。

正確に数を把握するためにも、被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍を取っておくことをおすすめします。

戸籍は被相続人の本籍地でしか取れないため、本籍地の役所に行って受け取るか、郵送で送ってもらうこともできます。

「相続の手続きで使うので、生まれてから亡くなるまでの戸籍を全てください」と言えば、スムーズに対応してもらえるので、覚えておくとよいでしょう。

3-2. 相続財産

次に、被相続人が残した相続財産を把握します。

相続財産とは被相続人が残した財産全てのことを言い、具体的には下記のようなものです。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 株や有価証券
  • 家財など(骨董品、絵画、車、宝石、家具など)

これら全てを評価して金額として表したものを「評価額」といいます。

そして、それぞれの評価額を足した合計が相続財産額となるのです。

しかし、現金以外の財産を評価して金額化するのには専門的な知識が必要です。

特に不動産の評価は難しく、税理士でも評価する人によって評価額が違ってきたりするので、相続の経験が豊富な税理士に頼まないと過大評価されてしまう可能性があるので注意しましょう。

3-3. チェックの仕方

法定相続人と相続財産額が分かれば、後は下記の公式に当てはめれば、相続税が発生する可能性があるかどうかわかります。

【相続財産額】>【基礎控除額】・・・相続税が発生する可能性がある

【相続財産額】<【基礎控除額】・・・相続税が発生する可能性は低い

まとめ

ここまで説明したように、基礎控除額が引き下げになったことによって課税対象になる人も増えています。

自分や家族が亡くなった時、相続税が発生するかどうかの流れは把握できたと思いますが、実際の計算は専門家に頼むことをおすすめします。

相続税が発生するかどうかの無料シミュレーションは、税理士事務所や信託銀行、最近は不動産会社でも出してくれますので、一度シミュレーションしてもらいましょう。

著者:相続ハウス 彼末 綾子(相続診断士)

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