夫か妻が亡くなった時の相続を一次相続として、その後で生じる配偶者の相続を二次相続と呼び、配偶者の相続税の控除を受けた人は、この二次相続がリスクになる可能性があるのです。
当り前ですが、相続税の控除を受けると、控除された分だけ高額の財産を受け継ぐことができます。
配偶者がよほどお金を使わない限り、ある程度の財産は配偶者が亡くなった後で、子どもなどの相続人へ持ちこされることになります。
しかし相続人が子どもなどの場合には、配偶者控除のような高い割合での控除を利用することができません。その結果、二次相続として高い相続税が課せられる可能性があるのです。
多くの財産を引き継ぐからこそ相続税も高くなるのですが、実際にはこの二次相続が大きな負担になるというケースも存在しています。
自分の相続税が安くなっても、その時に回避したリスクを自分の子どもたちが受けることになるかもしれません。
控除の制度を利用する前に、二次相続の影響について考えておく必要があります。
5.まとめ
被相続人の財産は、被相続人と配偶者が年月をかけて、一緒に積み上げてきたものであるともいえます。
そう考えると、配偶者控除を適用することで、相続税が差し引かれることなく、財産をそのまま受け継ぐことができるというのは、自然なことだと言えるかもしれません。
しかし、この制度はあくまでも、相続における選択肢の1つです。
制度を利用することで、リスクが発生する可能性があることも覚えておきましょう。
大事な人の財産です。
メリットとデメリットを比べて、自身にとって最も良いと思える形で引き継げるようにしたいものですね。