相続税の対策をしたいけれど、何からはじめたらいいのかわからず、お困りの方はいらっしゃいませんか?
相続税は誰にでも発生する税金ではなく、また一生のうちに何度も支払う税金ではないため、なじみがないという方も少なくありません。
また、平成27年から基礎控除額が下がり、相続税の対策を行うことが必要となる方が大幅に増えました。
今回は、相続税とは何なのか、また、相続税を下げるための節税対策や納税資金準備等の相続税対策について、主な相続税対策を網羅的にご紹介していきたいと思います。
1.相続税の基礎知識
1-1.相続税とは
相続税は、亡くなった方の財産を引き継ぐ際に発生する税金です。
すべての方に発生するわけではなく、相続税の基礎控除額(「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」)を超えた場合に、超えた部分に対して課税されます。
相続税の課税対象となるのは、主に預貯金や不動産等のプラスの財産です。
一方、政策的考慮によって相続税がかからない非課税財産(墓地・墓石、国等に寄付した財産等)や、一定の金額までは非課税となり、非課税枠を超えた部分が課税対象となるものがあります(生命保険金や死亡退職金等)。
1-2.相続税の納付について
相続税は原則として死亡の日から10ヶ月以内に現金で一括納付しなければなりません。
つまり、10ヶ月以内に相続財産を洗い出し、相続人間で遺産分割協議を終え、申告書の提出・納付をする必要があります。
期限内に相続税の申告と納付をしなければ、延滞税や無申告加算税がかかります。
また、延納や物納もできますが、現金一括納付が原則の為、現金が用意できない場合は借り入れを行うか相続財産を売却する等して現金を準備する必要があります。
それでは、どのようにして相続税に備えて行けばいいのか、また、相続税を減らすにはどのような方法があるのかをご紹介して行きたいと思います。
2.生命保険を使った相続税対策
2-1.非課税枠を活用した節税対策
生命保険金は、一定の金額(「500万円×法定相続人の数」)までは非課税となります。生命保険金は相続人が受け取れるプラスの財産ですが、相続人が受け取った場合、一定の金額までは相続税の課税対象とはなりません。
なお、相続人以外の方(例えば被相続人の孫や兄弟等)が生命保険金の受取人になっている場合は非課税枠を使うことはできず、生命保険金の額面がそのまま相続税の課税対象となりますので注意が必要です。
2-2.生命保険を使ったその他の対策
生命保険は、上記でお伝えした相続税の課税対象から一定の金額が非課税となることだけではなく、他にもメリットがあります。
まず、現金化が容易なことです。
相続が発生した後は葬儀代や入院費、相続税の納税資金等、すぐに現金が必要となる場面があります。
しかし、被相続人の預貯金を引き出すには、金融機関に遺産分割協議書等の必要書類を提示し、口座の解約手続きをする必要があります。
一方、生命保険は保険会社に対し受取人が保険金の請求を行うだけで支払われる為、容易に現金を取得することができます。
また、生命保険金は受取人を指定することができます。
受取人を指定できることのメリットは、保険金については受取人の固有の財産となる為、遺産分割協議の対象外となります。
つまり、保険金額がそのまま受取人の財産とすることができます。
3.贈与を使った節税対策
3-1.暦年贈与の基礎控除額を使う
暦年贈与の課税対象期間は、1月1日~12月31日までの1年間の間に受贈者(財産をもらった人)が取得した財産の合計額をもとに贈与税が課税されます。
贈与税には110万円の基礎控除額が設けられています。
つまり、課税対象期間中に受け取った財産が110万円以下であれば贈与税がかからずに財産を取得することができます。
これを上手く使うことで、大幅な節税対策を図ることができます。
例えば、毎年110万円ずつ贈与した場合、10年後には1,100万円を贈与税がかからずに財産の承継をすることができます。
ただし、相続開始前3年以内に受けた贈与財産については相続税の課税対象となり、相続税が課税されます。
また、基礎控除額内の贈与等の場合には、名義預金にも注意が必要です。
税務署に名義預金であると認定されない為には、贈与契約書を作る等の対策を合わせて行うことをお勧めします。
3-2.おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。
適用を受ける為には、贈与税の申告が必要となります。
3-3.住宅取得資金贈与の特例(平成31年6月30日まで)
父母や祖父母等の直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たす場合は一定の金額まで贈与税が非課税となる特例です。
贈与者に制限はありませんが、受贈者は贈与年1月1日において20歳以上の子(代襲相続人を含む)又は贈与年1月1日において20歳以上の孫である必要があります。
適用を受ける為には、贈与税の申告が必要となります。
3-4.教育資金一括贈与(平成31年3月31日まで)
30歳未満の者の教育資金に充てる為に、父母や祖父母等の直系尊属が金銭等を出し、金融機関に信託等をした場合には、受贈者1人につき1,500万円(学校以外の物については、うち500万円)までの金額については贈与税が非課税となります。
ただし、受贈者が30歳を過ぎた時に使い残した金額があった場合は、その金額に対して贈与税がかかってしまう為、注意が必要です。
この規定の適用を受けようとする受贈者は、一定の日までに教育資金の支払いに充てた金銭等に係る領収書を取扱金融機関の営業所等に提出しなければなりません。
【区分(支払)】 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、大学、専門学校、その他各種学校等 【具体例】 【非課税額】 |
【区分(支払)】 学校等以外の物 【具体例】 相続についてまだ不安が…そんな時は無料でプロに相談しましょう大切な人がお亡くなりになると、悲しむ暇も無いほど、やることがたくさんあります。 そう思われる方は「お金の知りたい!」がオススメする税理士を無料で紹介してくれるサービスを是非ご活用ください。 SNSFACE BOOK |