なぜかというと、相続権は相続人に与えられた最低限度の権利であり、それをはく奪する制度である相続廃除の運用には家庭裁判所も慎重になるからです。
被相続人に対する虐待や重大な侮辱が事実としてあったとしても、それが犯罪やそれに準ずるほどの悪質なケースでなければ、なかなか廃除事由と認められることはないのです。
6.まとめ
相続廃除は、推定相続人のなかに遺産を相続させたくない人がいる場合に被相続人が活用できる、法律の力を借りて相続する権利を奪ってしまう、奥の手とも呼べる方法です。
家庭裁判所に認められるかは申請してみなければ分かりませんが、相続させたくない推定相続人がいる場合は、今回紹介した内容を参考に相続廃除の申請をしてみてはいかがでしょうか?