最近は海外投資という言葉を身近に聞くようになりました。
その中で分散投資先の一つとしてあげられるニュージーランド。
映画のロケ地やラグビーで有名な国として知られている方も多いと思いますが、今回は投資先としてのニュージーランドの基礎や魅力について解説します。
1. 海外投資とは
海外投資とは文字通り国外の金融商品に投資することを意味します。日本居住者が海外投資を自由にできるようになったのは、1998年の外為法の改正からであり、それまでは日本人が海外で資産運用することに対して厳しい規制がありました。
1-1. 海外投資をするメリット
リスクの分散
「分散投資」とは投資対象を多様化させることで、リスクを軽減させることを指します。一国の一通貨だけを持つより、海外の投資先にも目を向け、
リスクとリターンのバランスを取ることでより効果的な結果へ繋がります。
高金利
ご存知のように、日本の政策金利はとても低いのが現状ですが、海外の先進国・新興国では高い金利を保っているところがたくさんあります。
税制優遇
海外投資では「オフショア投資」として、一般的に非居住者の投資に対して税制を優遇しています。しかしながら、海外での課税が少ない場合でも国内に資産を戻す場合は申告の義務があります。
1-2. 海外投資をするデメリット
海外投資をする際に注意しておきたい点も見てみましょう。
元本割れのリスクがある
これは国内・海外問わず元本保証でない限りどの投資にもつくリスクです。元本保証やセキュリティ・担保がないものは当然元本割れする可能性もあります。
為替差損のリスクがある
海外投資をする上での大きな壁となるのが為替リスクです。日本円⇔外貨に返還する際に出るリスクです。例えば、US$1=120円のときに投資した後円高になり、US$1=100円になっていた場合、USドルでは利益が出ていても利益を日本円に還元したら利益は減ることになります。その逆で円安になれば日本円で利益がさらに増加する場合もあります。
現地との共通言語は英語である
海外の金融機関は基本的に英語対応となっています。日本での代理店や日本人の仲介者がいる場合は日本語で手続きをしていくことも可能ですが、手数料などを取られることもあります。金融機関自体に日本語サービスを提供しているところもあるので、企業を選ぶ場合はその点も考慮しましょう。
2. ニュージーランドについて
ニュージーランドは南半球、オーストラリアの隣に位置する島国です。
一般的に歴史が浅いと言われているニュージーランドですが、原住民はマオリと呼ばれ、1000年以上前から現地で暮らしてきたと考えられています。
ニュージーランドは1642年、オランダ人のエイベル・タズマンにより発見されましたが、その100年後1769年にイギリス人のジェームス・クックが訪れ、1840年にイギリス政府とマオリの間でワイタンギ条約が結ばれました。
その時から英国法がニュージーランドの礎となりました。
1893年には世界初の女性参政権の確立、土地改革を初め、法律・政治・社会規範が形成されていくことになります。
現在は主要先進国の一つとして活躍しています。
また、経済・政治環境が安定していること、治安の良さや自然環境の素晴らしさ、相続税・贈与税などがないことなどを理由に、ニュージーランドに移住する人々も毎年増えています。
3. ニュージーランド投資
世界最大の酪農製品輸出国であるニュージーランドは、製造業や金融機関の規模が他の国と比べて小さく、コモディティ商品に特化しているため世界金融危機の際に影響が少なかったことで知られています。
また、他の主要先進国(米国・英国・日本・EU)が低金利な中でも高い政策金利を維持しています。
ニュージーランドの人口は移民増加と共に上昇しており、それによる不動産需要に伴い不動産価格もしています。
ニュージーランド投資の種類としては、不動産投資・信託・定期預金・投資家ビザ(永住権)が一般的です。
同国は海外からの投資を促進しているため、投資環境も整っており、他のオフショアと同様に税率が優遇になっています。
4. 他の国との比較
ニュージーランドを他の国と比べた際に一番に挙げられるのは国としての規模が小いということ。ニュージーランドは他の国と比較した際、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
4-1. ニュージーランド投資のメリット
ニュージーランドは安定した先進国でありつつ金利が高いことが最大のメリットといえます。
南アフリカ、ブラジル、インド、ロシアなどの新興国ではさらに高い金利が設定されています。しかしこれらの新興国は不安定な政情・経済事情を抱えること・情報の信頼性などの問題からリスクも高くなります。
ニュージーランドを他の国と比べると地政学リスクが低いことからも安定した投資先としての魅力があります。
また、NZ政府は海外からの投資を奨励しているので、投資に対する規制は最小限にとどめられています。よって、投資の手続きや資金の出し入れをスムーズに行うことが可能です。
もちろん、海外投資のメリットでもお話したように、一国一通貨にしぼるより、国内・先進国・新興国それぞれの利点やリスクを見極めながら分散投資していくのが鍵となります。
4-2. ニュージーランド投資のデメリット
酪農大国であるニュージーランドですが、オーストラリア・中国・アメリカが輸出のほぼ50%を占めています。よって、上記のどれかの国の景気が悪くなると、必然的にNZにも影響が出てしまいます。
また、NZドルのリスクとしては経済規模が小さいため、ニュージーランドドルの流通量が多くありません。したがって、NZドルは流動性に欠けています。
通貨の数が少ないということは、為替のレートが動きやすいということなので、レートの動きが激しい通貨です。
しかしながら、NZドルはスワップ金利が高いという魅力もあります。
NZに対するレートは比較的円高(2016年11月現在NZ$1=76円ほど)なので、投資資金が少なくて済むという面もあります。
5. ニュージーランド投資を始めるにあたって
目的に合った金融機関を選ぶ
不動産、定期預金、投資家ビザなど、自分の投資目的や金額に合った金融機関を選ぶことが大切です。
必要書類
ニュージーランドではマネーロンダリングとテロ活動防止への法律が整備されており、口座開設には相応の手続きが必要となります。一般的には、パスポートと運転免許証など最低2つの本人確認書類が必要となります。