法律上では身近な人が最低限受け取れる財産の割合が保障されており、この割合を「遺留分」といいます。
この遺留分の割合も、法定相続分と同様に、相続のケースによって変わります。
相続人の組合せ | 遺 留 分 (遺留分割合×法定相続分) |
|
---|---|---|
配偶者のみ | 配偶者 | 1/2 |
配偶者と子 | 配偶者 | 1/2×1/2=1/4 |
子 | 1/2×1/2=1/4 | |
子のみ | 子 | 1/2 |
配偶者と母親 | 配偶者 | 1/2×2/3=1/3 |
母親 | 1/2×1/3=1/6 | |
母親のみ | 母親 | 1/3 |
配偶者と兄 | 配偶者 | 1/2 |
兄 | 遺留分なし | |
兄弟姉妹のみ | 遺留分なし |
この権利が侵害された場合には、手続きを行うことによって侵害された分を取り戻すことができます。この手続きを「遺留分滅殺請求」といいます。
もしも遺言で「すべての財産を第三者に渡す」などの指示があった場合でも、遺留分で保障されている割合だけは受け取ることができるようになっています。
4.まとめ
相続人の範囲は決められているとはいえ、遺産分割は必ずこの通りにしなければならないというものではありません。
なので、遺産分割は、相続の中でも親族間のトラブルが生じやすい作業の1つだといっても過言ではありません。
相続人の範囲や順位について知っておくことは相続のトラブルを回避できる可能性も高くなります。
身近な人たちの間で余計な溝が生じないようにするためにも、相続人の範囲や順位について理解し、円滑な遺産分割を行えるようにしましょう。