その場合、相続開始の日付によって、旧民法の家督相続であったり、旧民法であるけれども登記原因については相続であったり、現在の民法であったりと、その相続が発生した時期によって混在してしまう事があります。
相続発生日付がいつなるのかを、戸籍を取得してしっかり確認をしてから相続登記を行うように注意が必要です。
5.まとめ
今回は家督相続について、特徴や家督相続が定められた旧民法、家督相続人の優先順位や相続発生後の手続き等について解説させて頂きました。
時代の流れと共に、法律も変わってゆきます。
それに伴い、相続も状況が変化し、独占的ではなく全員が平等という形に変化を遂げました。
日本人には「家を守る」という意識が根強くあり、時代を遡れば遡る程そのような意識をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
だからこそ、法は変わっても根底にある意識は変わっておらず、そのギャップが冒頭でも述べたような、相続争いの引き金になってしまうのかもしれません。
遺産の多い少ないは関係なく、この家督相続の意識を発端として争いが起こるケースもあります。
また、皮肉な事に家督相続制度が廃止されてから現在に至るまで、年々相続争いの件数は増えています。
意思を主張する事も時には必要かもしれませんが、なぜそのような法律に変化していったのか、ご理解頂いた上で協議を行うと、争いも少しは減るかもしれませんね。
著者:栗田 千晶(相続ハウス)相続診断士