・収入印紙800円分
・連絡用の郵便切手代
・官報公告料3,775円(家庭裁判所の指示があってから納めます)
3-3. 審理を受け、審判が下される
家庭裁判所が受け取った書類をもとに、相続財産管理人選任の要件を満たしているかどうかを確認します。
その後、審理の結果、家庭裁判所から相続財産管理人選任を申立人が受ける必要があると判断されれば、相続財産管理人を選任するという審判が下されます。
4. 選任後の流れ
相続財産管理人選任後は、以下のような流れで相続財産の手続きが行われていきます。
4-1. 相続財産管理人の選任が公告される
家庭裁判所が相続財産管理人を選任したことを、官報への記載などによって広告します。
4-2. 相続財産管理人による相続財産の調査と管理
相続財産管理人が残された相続財産の調査や、財産目録の作成や不動産登記といった管理業務を行います。
4-3. 相続債権者と受遺者への請求申出の公告
「4-1.相続財産管理人の選任が公告される」から2ヵ月が経っても相続人が現れなかった場合は、相続債権者と受遺者に対し、2ヵ月以上の一定の期間内に請求の申出をするよう、官報に公告します。
4-4. 相続債権者と受遺者への支払い
「4-3.相続債権者と受遺者への請求申出の公告」に対して債権者や受遺者の届出があった場合は、相続財産管理人がそれぞれの割合に応じて支払いを行います。
4-5. 家庭裁判所へ相続人捜索の公告を請求
「4-3.相続債権者と受遺者への請求申出の公告」をしても相続人の存在が明らかにならなかった場合は、相続財産管理人が相続人捜索の広告を家庭裁判所へ請求します。
この請求を受けて家庭裁判所がもう一度広告を出し、それでも誰からも申し出がなかった場合は相続人がいなかったと判断されます。
4-6. 縁故者への相続財産分与手続き
「4-5.家庭裁判所へ相続人創作の公告を請求」から3ヵ月以内に、特別縁故者から財産分与を求める申し立てが家庭裁判所にあった場合は、相続財産管理人が財産分与の手続きを行います。
4-7. 相続財産管理人に報酬の支払い
相続財産管理人はすべての役割を終えた時点で、家庭裁判所に報酬支払いの申し立てを行えるようになります。
▼詳しくはこちらの記事もご参考ください。
【相続人がいない時はどうする?相続財産管理人を立てて解決】
5.まとめ
相続人がいない場合に選任される相続財産管理人は、このように被相続人が亡くなったあとで、相続財産の調査・管理をするためにたくさんの業務を行います。
決して簡単な業務ではないので、弁護士などの専門家が選任されるケースが多いです。
また、みなさんが家庭裁判所から相続財産管理人の補佐的に一定の手続きを依頼されることはあっても、相続財産管理人に選任される可能性はありません。
万が一、相続財産管理人の補佐として、手続きの依頼をされても慌てなくて済むように、今回紹介した内容については覚えておくようにしましょう。