もし自分の遺留分が侵されていることを知らなかった場合は、相続発生から10年経つと請求権は時効となります。
▼詳しくはこちらをご覧下さい。
【相続で権利を守る!知っておくべき遺留分減殺請求の基礎知識】
7.期限はないができるだけ早くやった方がよいこと
7-1.不動産登記
被相続人名義の不動産があった場合は登記(名義変更)が必要ですが、登記には特に期限はありません。
しかしいつでもいいからと放置してしまうと、最悪の場合登記できなくなってしまう可能性もあります。
▼詳しくはこちらをご覧下さい。
【放置しているとどうなるの?相続登記の期限と方法】
7-2.銀行口座の解約
被相続人名義の銀行口座を解約し、そのお金を相続人へと移す作業です。
期限はありませんが早めに終わらせましょう。
7-3.生命保険金の受け取り
被保険者が被相続人であった場合、受取人に生命保険金が支払われます。
亡くなると自動で支払われるのではなく、保険会社に被保険者が亡くなったことを伝えて初めて支払われますのできちんと保険会社に連絡をしましょう。
7-4.その他の名義変更など
水道、電気、ガス、クレジットカード、携帯電話、運転免許証、パスポート、各種会員権など、各種名義変更も法的な期限はありませんが早めに名義変更しましょう。
8.申請すると受け取れる補助金や還付
これからご紹介するものは、申請は必須ではありませんが、申請すると補助金や還付が受け取れるお得な制度です。
条件に当てはまっている場合はぜひ申請しましょう。
8-1.国民健康保険加入者の葬祭費
被相続人が国民健康保険に加入していた場合、亡くなってから2年以内に市区町村の国民健康保険の窓口で申請をすると葬祭費として数万円が受け取れます。
詳しい金額は市区町村によって異なりますので窓口でご確認ください。
8-2.健康保険組合加入者の埋葬費
被相続人が会社などの健康保険組合に加入していた場合、亡くなってから2年以内に健康保険組合に申請をすると、葬儀や埋葬の補助として5万円が支給されます。
8-3.高額医療費の超過額
これは亡くなった方に限ったことではありませんが、対象の医療費の支払いから2年以内に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出して認定証を交付してもらえば、自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。
加入している健康保険組合、または市区町村国民健康保険の窓口で手続きをします。
亡くなる直前に入院していて入院費が高額になったという方もいらっしゃると思いますので、その場合はぜひ申請をしましょう。
8-4.クレジットカードの保険金
被相続人が海外旅行中に亡くなった場合、クレジットカードに死亡保険が付いていれば保険金を受け取れることができます。
どのような条件で受け取れるかは各カード会社にご確認ください。
ただしカード会社は亡くなった事実を自動的に知ることはできませんので、死亡保険受取の申請をする必要があります。
9.まとめ
相続の手続きについて一挙にご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
手続きが多すぎて大変だと思われるかもしれませんが、順番に確実に行っていくことで効率的に終わらせることができます。
また目の前の手続きで精一杯になってしまうと、受け取れるはずのお金も受け取れないまま期限が過ぎてしまいます。
やらなくてはいけない手続きはもちろんですが、やっておくとお得になる制度もぜひ活用してみてください。
著者:相続ハウス 彼末 彩子(相続診断士)
※ちなみに、必要手続きを調べていると「住民票の抹消届」というものが見受けられる場合がありますが、世田谷区役所に問い合わせたところ、死亡届を提出すると住民票は自動的に抹消されますので別途届出は必要ありません、とのことでした。
念のため提出先の市区町村役場にお問い合わせください。