【参考:相続税の速算表】
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | なし |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
第一次相続時に遺産を三等分することで、子が納めるべき相続税はそれぞれ80万円少ない、という結果になりました。
総額で80万円少なくなるというのも大きいですが、さらに2回に分けて支払えばいいという分割効果も大きいと考えます。
一次相続で母親にすべて渡した場合は、二次相続で一括310万円を支払わなければなりません。
しかし一次相続で子も1/3相続した場合は、160万円と70万円の2回に分けて相続すればいいのです。
山田家の世に相続財産に自宅が含まれている場合、手元に入る現金のわりに相続税が高い傾向があります。
そのため、相続税を1回で支払わなければならない場合、現金不足に陥ることも考えられます。
相続税が家計にダメージを与えにくい、という点からも一次相続時から一定の財産を相続しておくことは有効な手段です。
3-2.相続時の注意点
時々、「二次相続時は孫へも相続させるから相続人は減りません」ということをいう人がいるのですが、孫への相続は要注意です。
実は孫は法定相続人でないため、相続税額が2割加算となるのです。
孫に財産を残したい、という祖父母の想いは尊重すべきですが、子より相続税が割高になることは知っておきましょう。
このように、法律で細かく規定されている相続は、相続人の間でどうすべきか話し合いが不可欠です。
しかし、相続税の申告と納付は、故人の死亡から10か月となっています。
もし、放棄や限定承認を選択する場合は、3か月で答えを出さなければなりません。
その点からも、平素から相続について、話し合いをしておくことが望ましいといえます。
4.まとめ
家族間で相続の話をするのは難しいかもしれません。
しかし難しいからと先のばしにすると、いざという時に適切な手を打ちにくくなってしまいます。
まずは二次相続の問題があるということを知っておくことが大事です。
具体的に話し合わずとも、リスクを相続人の間で共有しておく、まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。