実際に家を購入したことのある方は、登録免許税の価格がどのくらいかかるのか、イメージがあるかと思いますが、上記のように居住用の登記は軽減税率が適用されていることが多いです。
相続登記の際は住宅購入時よりも費用がかかると考えておくといいでしょう。
3.登録免許税の算出方法
登録免許税は不動産の価格、債権金額などが基準価格となります。
所有権移転登記の場合は不動産価格となりますが、ここでの価格とは、原則として固定資産税台帳の登録価格によります。
固定資産税台帳は市区町村の役所にある資産税課などで閲覧することができ、そのときに登録されている価格を使って登録免許税を算出します。
登録免許税の算出は基準価格に税率を乗じます。
(固定資産税評価額×税率:0.4%)
例えば、評価額が500万円の自宅と、評価額3,000万円の自宅用地を被相続人から相続人へ名義変更する場合でご紹介しましょう。
なお、評価額については1,000円未満の端数は切り捨てとなります。
【相続を原因とする所有権移転登記】
(A)自宅:500万円×4/1000=2万円
(B)自宅用地:3,000万円×4/1000=12万円
【A+B=14万円】が登録免許税額です。
4.登録免許税の納付方法と登記手続き
4-1.相続登記の手続き方法
相続登記の手続きの流れは以下のとおりです。
(1)登記事項証明書を取得する。
(2)必要書類を取得する。
(3)相続登記申請書類を作成する。
(4)管轄の法務局へ相続登記を申請する
※管轄の法務局は法務省のサイトで確認することができます
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html
▼手続き方法について詳しく知りたい方はこちら
【相続登記をしないと後悔する!やり方や必要書類を解説】
4-1.必要書類
相続の内容により必要書類は異なりますが、主なものは以下になります。
・登記事項証明書(法務省サイトよりダウンロードすることができます)
・被相続人の除籍謄本、戸籍関連書類、住民票除票
・相続人の戸籍謄本、印鑑証明、住民票の写し
・固定資産評価証明書
・遺産分割協議書(法定相続分による取得の場合は必要なし、遺言書がある場合は遺言書(検認済みのもの))
・不動産の登記簿謄本
・司法書士への委任状、印鑑
▼必要書類について詳しく知りたい方はこちら
【これでバッチリ!相続登記の必要書類と揃え方】
4-2.費用
必要書類の多くは発行手数料がかかります。
手数料そのものは少額ですが、発行元の役場へ行くための交通費や取得のための手間暇は侮れません。
また、登記手続きは自分で行うことも可能ですが、かなりの知識を必要とするため通常は専門家に依頼します。
登記の専門家である司法書士への報酬は個々の事務所で異なるため、一概にいくら、とはいえません。
値段設定も、不動産価格に準じたり、手間暇に応じて課金されたりと様々です。
ただ、一応の目安としては数万円~十数万円程度のようです。
▼かかる費用について詳しく知りたい方はこちら
【何がどれくらいかかるか知っておこう!相続登記費用の相場】
4-3.登録免許税の納付方法
納付は原則として現金で行い、領収書を申請書に貼り付けて提出します。
ただし税額が3万円以下の場合は、印紙での納付も可能です。
提出先は法務局です。
納付は登記申請までに済ませましょう。
5.まとめ
土地の名義変更にかかる費用は意外と高額です。
相続時は相続税に気が取られがちですが、相続税の有無にかかわらず発生する登録免許税は相続時の必要経費といえます。
ただでさえ相続時は葬儀やお墓、香典返しなど多くの出費がかさみます。
知識を蓄え万が一に備えておきたいものです。