また、特例など(小規模宅地の特例、配偶者控除)を使って相続税額が0円となる場合にも、申告は必要です。
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【申告は必要?不要?知っていて損はない相続税の申告の基礎知識】
8.期限のない手続き
8-1. 銀行口座解約・有価証券名義変更等手続き
金融機関ごとに、口座の解約手続きや株等の有価証券の名義変更手続き・解約手続きを行う必要があります。
銀行の口座に関しては、金融機関は名義人の相続が発生したことを知ると口座を凍結してしまいます。
解約手続きをしなければ、口座からお金を引き出すことも振り込むこともできなくなります。
その為、公共料金やクレジットカードの引き落としに使っている口座を凍結する場合は注意が必要です。
口座の解約手続きや有価証券の名義変更手続・解約手続きを行う際は、各金融機関によって提出する書類が異なる場合があります。
必ず金融機関に確認をして下さい。
8-2.不動産の名義変更手続き
被相続人が不動産を所有していた場合、法務局でその不動産を受け継ぐ方の名前に名義を変更します。
不動産の名義変更手続きに期限はなく、変更しなかったことによる罰則等もありません。
しかし、不動産の名義変更を怠っていると、後々下記のようなトラブルが生じる可能性がありますので、早めに名義を変更することをおすすめします。
・不動産の売却や不動産を担保提供等ができない
・相続人全員が固定資産税を支払う義務を負う
・相続人の誰かが認知症になると、裁判所を通して成年後見人を選任して遺産分割協議をする必要がある
・相続人の相続が発生したことにより新たな相続人が増え、遺産分割協議が困難になる
・相続人に行方不明者がいると、所定の手続きを踏まなければ名義変更ができない
・相続人の債権者に差し押さえられる可能性がある
・不動産賠償が受けられない
8-3.その他の手続き
相続が発生した後にやらなければならない主な手続きとしては、既に述べてきたものの他にも、例えば自動車の名義変更手続き、運転免許証やパスポートの返却、携帯電話の解約、ゴルフ会員権の処分等、様々な種類の手続きが必要となります。
被相続人がどのような財産を持っていたのかによって異なりますので、期限のあるものから先に取り組まれることをおすすめします。
9.まとめ
今回は遺産相続手続きの大まかな流れと必要となる主な手続きについてご紹介しました。
手続きに関しては、細かく掘り下げるとまだまだ行なわなければならないものがたくさんあります。
手続きに期限があるものに関しては、期限を過ぎてしまうと手続きを行えなくなるものやペナルティが課せられる場合もある為、注意して下さい。
慌てず確実かつスムーズに財産を承継することができるように、元気なうちに準備をされることをおすすめします。
著者:山﨑 あすか(相続ハウス)