例えば、再婚して連れ子を養子にしたが、後にその相手とも離婚し、その際、連れ子の離縁を忘れていたなどの場合、この連れ子は法定相続人になります。
思い当たる節がある場合は、戸籍の確認を忘れずに行いましょう。
3-4.死亡、行方不明の法定相続人の扱い
法定相続人が、被相続人より前に亡くなっている場合には、その法定相続人の子どもなどが法定相続人となります。
これを代襲相続といいますが、兄弟姉妹およびその子供(甥、姪)も亡くなっていた場合、その孫には代襲することはできません。
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また、法定相続人が行方不明になっている場合、まずは生死と現住所を把握しなければいけません。
行方不明だからといって、その人抜きで遺産分割や遺産分割協議書の作成を行ったとしても法的に無効になります。
さらに、あとからその人が見つかった際に相続権を主張された場合、相続を一からやり直すことになるので、注意しましょう。
行方不明の人がいる場合、弁護士など専門家に相談するのが一番効果的です。
4.こんな人は法定相続人になれない
4-1.相続欠格
法定相続人が相続に関して、不正な利益を得るために不正な行為をした、またはしようとした場合には、相続人の資格を喪失します。
これを、相続欠格といい、民法において次のように定められていることも覚えておきましょう。
民法第891条
次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
4-2.相続廃除
被相続人となる人の意思に基づいて、相続人の相続権をはく奪することができる規定も設けられています。
これも、民法に規定が設けられていることを覚えておきましょう。
民法第892条
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
なお、相続人に与える影響がとても大きい規定でもあることから、暴言を吐いた、喧嘩で殴られたなどの理由だけで、相続廃除とはならない場合もあります。
5.まとめ
法定相続人が「誰か」「何人いるのか」によって、相続の割合が異なります。
法定相続人の範囲をきちんと把握して、相続に備えましょう。
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