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【相続税で損しないために!活用すべき生前贈与の総まとめ【保存版】】
1-2.不動産の評価を下げる
相続税対策としてもう1つ挙げられるのが、「不動産の評価を下げる」という方法です。
誰かに贈与をして財産を移すのではなく、被相続人が所有して財産の評価そのものを下げてしまおうというものです。
評価が下がることによって、相続財産全体の評価額も下がるので、それに伴って節税に繋がるという訳です。
では、不動産の評価を下げるにはどんな対策があるのか?ご紹介していきます。
1-2-1.貸家建付地
貸家建付地とは、自分の所有する土地に、自分の所有するアパートやマンション、貸しビル等、賃貸用の建物を建てて、他人に貸している土地のことをいいます。
その土地を所有している人(地主)が、自宅の敷地の様に自由に土地を使用していた場合には、自用地として評価されますが、貸家人に貸している状態の貸家建付地は、自用地に比べて評価が低くなります。
どれくらいの割合で評価が低くなるのかといいますと、下記の計算式に当てはめた評価額になります。
この時の、借地権割合や、借家権割合は、地域によって異なります。
国税庁のホームページに記載されている、路線価や評価倍率表で確認できます。
また、土地評価の詳しい説明については、下記の記事で紹介しています。
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【評価額で相続税が変わる!気になる土地の評価とその算出方法】
1-2-2.小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす被相続人の、自宅や事業に使われていた土地に対して、相続時の評価を減額してくれる特例のことです。
小規模宅地等の特例は、評価減の割合が対象となる宅地の種類によって変わってきますが、適用できると非常に節税効果の大きな特例です。
この制度は、相続が発生して初めて適用になる特例ですが、要件が細かく設定されています。
宅地の種類によってそれぞれ要件等が異なりますので、下記の記事をご参照ください。
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【知ってお得に納税!相続評価が減額になる小規模宅地等の特例】
1-3.相続人を増やす(養子縁組)
養子縁組とは、親子関係のない者同士を、法律上、親子関係があるものとすることです。
例えば、孫や子の配偶者等と養子縁組をすることにより、血縁関係はなくとも、戸籍上の相続人の数が増えます。
相続税の計算においては、相続財産の総額から「基礎控除額」を控除します。
下記が基礎控除額の計算式になります。
「相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」
つまり、相続人の数が増えると、自動的に基礎控除額が増えるというわけです。
また、死亡保険金や死亡退職金を相続人が受け取る場合、それらも法定相続人の数に応じて500万円×法定相続人の数までは非課税になります。
こちらも、法定相続人が増えると、非課税になる金額が多くなります。
このように、相続人の数が増えることにより、節税に繋がるという方法もあります。
ところが相続税上の計算では、非課税に出来る相続人の数に限度があります。
また、相続人が増えれば増えるほど揉める原因にもなります。
ですから、安易に養子縁組を行うのではなくデメリットも考慮した上でご検討ください。
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【養子は相続財産を貰えるの?養子縁組を行う際の注意点】
1-4.非課税財産を活用する
1-4-1.生命保険
生命保険の死亡保険金は相続税の対象ですが、「500万円×法定相続人数」の非課税枠が設けられています。
現金だとそのままの金額が相続税の対象になってしまいますが、生命保険の死亡保険金で受け取ると、非課税枠分を控除した金額に対して相続税が課される為、現金で受け取る場合に比べて、相続税が少なくなるという訳です。
預貯金が潤沢にある場合には、そのまま保有しているよりも、相続税の対象となってしまう現金から保険に変えておくだけで節税になります。
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【相続税額を大幅に抑える!生命保険でできる相続税対策】
1-4-2.お墓等
お墓や仏壇等には、相続税がかかりません。
これらの財産は祭祀財産といい、先祖を敬う為のものであり、お金に替えられない物だからです。
その為、価値があるものであったとしても非課税財産の対象になります。
ですので、生前にお墓や仏壇を購入しておけば節税が可能ということです。
また、お墓の場合には土地を買うのではなく使用権を買うということになるので、不動産取得税等の税金が課されることもありません。
1-5.配偶者控除(配偶者に対する税額軽減)
配偶者控除とは、次の2つのうちのどちらか高い方までが非課税となる制度です。
① 被相続人の配偶者が、相続や遺贈によって取得した財産の総額が、法定相続分以内であれば、相続税はかかりません。
② 遺産総額から、配偶者の取得する相続財産が1億6,000万円未満であれば、相続税はかかりません。
つまり、配偶者が被相続人の財産をもらった場合、1億6,000万円未満は無税、または1億6,000万円を超えた場合であっても、法定相続分までなら、相続税額は0円ということになります。
配偶者に相続させた場合には、非課税になる枠が大きいので有効ですが、二次相続を考えると逆に増税になる場合もありますので、シミュレーション等をされた上で実行されることをお勧めします。