贈与前に押さえておきたい暦年課税制度のメリットとデメリット

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暦年課税制度

ケース2:生涯にわたり2,500万円までが非課税となる。
(例)1年目に父から1,500万円、2年目にも父から1,000万円をもらった。

▼詳しく知りたい方はこちら
相続税対策に意外と使える!相続時精算課税制度の活用法

3-2.どちらを選んだほうが得か

それぞれの制度について本来の目的という観点から、両者を比較してみましょう。

まず、暦年課税制度の目的は、相続税の補完です。
つまり、生前に贈与をして相続財産を減らし、相続税の負担を減らすという抜け道を用意しないための制度でした。
相続税よりも高い税負担を課すことで、贈与をしにくくする目的があるといわれています。

次に、相続時精算課税制度の目的は、景気の底上げにあるといわれています。
つまり、一定のラインまで税金がかからなくすることで、贈与を受けた人が積極的にお金を使いやすい体制を整える目的があるのです。
財産をあまり持っておらず、相続税を支払わなくていい人は贈与税も支払う必要がない、という考え方にも基づいています。

ここでの結論としては、「相続財産があまりなく、相続税を支払う必要がないと思われる人は、相続時精算課税制度を選択すべき」としておきましょう。

相続財産の把握があいまいで、相続税の支払いが発生するのかどうかわからず、迷ってしまう場合は、専門家に相談されることをおすすめします。

4.実際に暦年課税を行う際の注意点

4-1.相続が発生する前に注意すべきこと

相続開始前3年以内に贈与が行われた場合、注意が必要です。
相続税の課税価額に贈与を受けた財産の価額が加算され、相続税が計算されます。
相続税が高くなる場合もあるので、注意しましょう。

参考:国税庁 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4161.htm

4-2.名ばかり贈与

実際に財産を贈与する場合にも注意が必要です。
よくあるパターンとして、「親が孫・子名義で銀行口座を作り、そこに入金している」という贈与のやり方があります。
この場合、名義が子・孫になっているため、一見すると贈与とわかりにくいです。

しかし、何らかのきっかけで税務署にそれが発覚した場合、「名ばかり贈与」として、修正申告等が必要になるケースがあります。
簡易的なもので十分なので、贈与の度に契約書を作成したほうがいいでしょう。

5.まとめ

暦年課税制度は、年間110万円までなら贈与税がかからない、というのが大きな特徴です。

しかし間違った贈与方法を選択してしまうと、贈与税を支払う必要が出てきたたり、贈与とはみなされず、相続税を支払うことになるケースもあります。
暦年課税制度を利用する場合は、この点に注意しましょう。

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