相続の悩みを気軽に聞ける!相続診断士の試験と業務を解説

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最近「相続」という言葉をニュースで耳にすることが多く、世間の相続への関心が高まっていると感じる方も多いのではないのでしょうか。

そのニーズに応えるべく「相続診断士」という資格があります。

「相続診断士」とは、相続について幅広い知識を持っている人達のことです。

ですが、「相続税なら税理士に頼まなきゃだし、不動産名義変更なら司法書士に頼まなきゃだし・・・そうすると相続診断士って何をする人なの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は「相続診断士」について、実際に相続診断士の資格を持っている著者が一から解説致します。

実際に相続の相談を受けて感じたこともお伝えしていこうと思いますので、これから資格を取ろうと思っている人も、相続診断士に相談しようと思っている人も、ぜひ参考にしてみてください。

1. 相続診断士とは

1-1. 相続診断士の役割

相続診断士は、簡単に言いますと「交通整理」の役割を担っています。

実務では、相続税に関することは税理士、不動産登記に関することは司法書士、相続争いなら弁護士・・・など、実際の手続きは各専門家しか対応できません。

しかし、こういう場合はどの専門家に頼めばよいのだろう・・・と迷う方も多いはずです。

そこで出番となるのが、相続診断士です。

各専門家はその専門分野を深く知っている分、自身の専門分野は得意としていても他の分野に関して詳しくない方が多いのも事実です。

相続は上でお伝えした通り多岐に渡ることが多いですから、相続に直面した人が、これはこの先生、あれはあの先生と、明確に判断できる方も多くはないのではないでしょうか。

相続診断士はその方のニーズを聞いて状況を整理し、問題点を明確にし、その問題に合った各専門家へ繋ぐという意味で「交通整理」をしているといえます。

それ以外でも、いきなり専門家に頼むのは敷居が高く感じる方や、専門家に聞くまでもないちょっとした疑問などを聞きたい方にも、相続診断士は必要とされています。

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1-2. 試験概要

試験形式 コンピュータによる択一形式
試験内容 合計で60問

カテゴリー毎の出題数
コンプライアンス 10問(20点)
民法相続編 15問(15点)
相続税 15問(20点)
相続税穴埋め 12問(24点)
法定相続分 3問(9点)
基礎控除 2問(6点)
小規模宅地 3問(6点)

試験時間 60分
合格点 70点(100点満点中)
試験日 受験申し込み日の21日目以降~3ヶ月先であれば、
会場が空いている好きな時に予約可能
受験場所 全国197ケ所以上(受験会場一覧は協会HPを参照)
受験方式 コンピュータによる試験
受験料 37,800円(税込み)
更新時期 2年に1回(更新試験あり:16,200円)

相続診断士の試験はこちらで申し込むことができます。

「一般社団法人 相続診断協会」

http://souzokushindan.com/

運営会社は、相続診断協会という2011年に設立された民間の会社です。

設立から4年程で、約2万人の合格者を輩出しています。

1-3. 難易度について

みなさんが気になる難易度についてですが、こちらに関しては筆者の主観をお伝えしようと思います。

筆者は試験申込から27日後に受験したのですが、1日平均2時間勉強したため、約54時間勉強したことになります。

使った教材は、協会から送られてくるテキストとDVDのみで、模擬問題もテキストに付いているものと協会HPにある過去問題のみを演習し、98点で合格しました。

ちなみに筆者はFP3級も取得しましたが、FP3級よりは難易度は易しい印象です。

相続という分野で限られているので、勉強もしやすかったと思います。

試験問題も、テキストについている演習問題と同じもしくは似たような問題が出ますので、協会から送られてくるテキストとDVDをしっかり勉強することが、合格への一番の近道かと思います。

2. コンプライアンスに基づく業務範囲

相続診断士は専門家ではないので、実際の手続きを行うことはできません。

手続きをする専門家には、税理士法、司法書士法、弁護士法などという決まりがあり、この業務はその資格を持った人しか行ってはいけないと法律で決められています。

この決まりのことを「コンプライアンス」といいます。

相続診断士はこのコンプライアンスをきちんと守りながら、相続に関するトラブルの芽を早めに摘み取ることが求められるのです。

基本的に、一般的な相続の説明はできますが、「個別具体的な手続き」はすることができませんので注意が必要です。

では、実際の業務では、具体的にどういうことができるのでしょうか。

業務別にご説明していきますので参考にしてみてください。

2-1. 税金関係

相続診断士ができる ・相続税の基礎控除額の説明
・相続人の法定相続割合の説明
・非課税贈与制度の内容の説明
・相続税申告に必要な書類の説明 など
相続診断士はできない ・相続税の申告手続き
・相続税の計算
・個別的な節税対策の提案
・税務書類の作成   など
専門家 税理士
必要資格 税理士

【実際の相談例】

Q.先月父が亡くなったので、相続税の申告が必要か知りたい。

A.相続診断士から基礎控除額のご説明と、各相続人の法定相続割合をご説明し、相続税の計算方法の流れをご説明した。それを聞いた相談者は、「それだと相続税がかかりそう」と懸念したため、税理士に繋ぎ、税理士がお父様の財産状況から相続税を算出した上で相続税申告を行った。

2-2. 法律関係

相続診断士ができる ・不動産名義変更(登記)の手順の説明
・遺言書の種類・特徴・書き方の説明
・公正証書遺言作成の際に証人になる
・似たような事例の判例紹介
・任意後見人になる   など
相続診断士はできない ・遺言書の作成アドバイス
・登記申請手続き
・調停、裁判の代理人になる
・相続放棄、遺留分減殺請求手続き
・法務局等に提出する書類作成   など
専門家 弁護士 司法書士 行政書士
必要資格 弁護士 司法書士 行政書士

【実際の相談例】

Q.そろそろ遺言書を作りたいが、どこから手をつけていいかわからない。

A.相続診断士から、遺言書の種類と方法・そのメリット及びデメリット、遺留分についてご説明した。それをうけて相談者が公正証書遺言を作成したいと要望があったため、司法書士に繋ぎ、司法書士が相談者と打ち合わせをし、公証役場で公正証書遺言を作成した。尚、その際証人として相続診断士が立ち会った。

2-3. 不動産関係

相続診断士ができる ・不動産売買の基本的な流れを説明
・一般的な不動産の相続対策例と、それに伴うメリット及びデメリットの説明
・不動産用語の解説  など
相続診断士はできない ・取引前に買主、売主に物件についての説明
・売買時の重要事項説明書面への記名と押印
・売買やリフォーム等、相続に有効な提案及び見積もり
・不動産の鑑定評価   など
専門家 不動産業者 不動産鑑定士 など
必要資格 宅地建物取引士 不動産鑑定士

【実際の相談例】

Q.相続税がかかりそうなので子どもに納税資金を遺しておきたいが、自分の財産は不動産ばかりで現金がほとんどない。

A.相続診断士が、相談者の所有している不動産の状況をお伺いしたところ、いくつかある不動産のうち1つは別荘で、相談者は高齢のためもう行くことはなく、管理も大変だとのことだった。別荘を売却し、その現金を納税資金に充てる方法もあると説明したところ、ぜひそうしたいと要望があったため、不動産業者に繋ぎ、売却手続きを行った。

2-4. 生命保険関係

相続診断士ができる ・保険の基本的仕組み及び種類の説明
・一般的な保険の相続対策例と、それに伴うメリット及びデメリットの説明   など
相続診断士はできない ・保険商品の販売
・保険を使った相続対策の個別具体的な提案  など
専門家 保険会社 保険販売代理店
必要資格 保険募集人資格

【実際の相談例】

Q.相続税を少しでも少なくしたいので、何か対策をしたい。

A.相続診断士から、生命保険の非課税枠についてご説明。500万円×法定相続人の数の金額までは非課税になるので、相談者の場合1,500万円まで非課税になり、生命保険に入るのが効果的をお伝えした。それを聞いた相談者が実際に保険に入りたいと希望したので、保険会社に繋ぎ、相談者に合った保険商品をご提案し、契約した。

3. 相続診断士が求められるケース

ここまで読むと、結局は専門家にしか手続きができないのだから、相続診断士はいらないのではないかと思う方もいるかもしれません。

ですが、相続診断士だからこそできることもたくさんあるのです。

ここでは私が相続診断士として相談に乗り、相談者の役に立っているなと感じたことをご紹介します。

3-1. どの専門家に聞けば良いのかわからない

「相続」とひとくちに言っても、誰一人として全く同じケースはありません。

その人その人によって悩みは違いますし、求められる対応も違います。

自分の相続の悩みを、誰に頼んでどの手続きをすればいいのかわからない人も多いので、そのような時に相続診断士が活躍します。

相談者の話を一通り聞いて、この悩みは税理士にこの手続きを頼んで、この悩みは司法書士にこれとこれの手続きを頼めばいいですよ、と専門家を振り分けることで、相談者は自分の悩みを正確に把握した上で解決することができます。

3-2. いきなり専門家と面談だと不安

「税理士」「司法書士」「弁護士」といった、いわゆる「先生」と呼ばれる人達に、直接話すのに抵抗がある人も多いのではないでしょうか。

よく見かけるのが、

・自分は全然財産がないのに恥ずかしい
・先生と一対一だと緊張する
・相談だけで高い相談料をとられそう
・敷居が高い

などという先入観があり、相談すること自体を躊躇してしまうことが多いのです。

しかし相続診断士は3-4.でご説明する通り、決して難しい専門資格ではありません。

専門家ではなく、「相続に詳しい知人」というような感覚で相談できるので、気軽に悩みを相談することができます。

それによってトラブルの芽を事前に摘み取ることができ、相続問題が深刻化する前に解決できるのです。

3-3. 偏りのないアドバイスがほしい

専門家にいきなり相談すると、どうしてもその分野内でのアドバイスになりがちです。

特に相続の経験があまりない専門家だと、例えば相続知識があまりない税理士に不動産相続の相談をしても税金面では解決できても、登記申請や遺産分割調停についてはよくわからない、ということが起こってしまうのです。

それに対して、相続診断士は相続に関することを専門家の垣根を越えて勉強しているため、そのような狭い視野で答えることはありません。

まずはこの手続き、次はこの手続き・・・と順序立てて効率的にアドバイスができるため、相談者も解決までの流れを正確に整理して考えられるのです。

3-4. 生活知識として役立つ

3-2で、相続診断士は「相続に詳しい知人」というような感覚で相談できる、とお伝えしましたが、まさにそのまま「相続に詳しい知人」となり、自分の生活面で役立つことが多いのです。

自分が暮らしていく上で、人の死は避けられませんよね。

自分自身はもちろん、家族、親戚、友人など、周りの人の暮らしを考えた時、これから起こる相続または起こってしまった相続について何か悩みがあるとき、まさに相続診断士の知識が役立ちます。

そのため、特に相続に関わる仕事をしていない一般の人でも、相続診断士の資格を取っている人もいます。

一度親の相続を経験して大変な思いをしたので、自分の子どもには同じ思いをさせたくないからと、知識をつけるために取得する人もいるので、決して敷居が高くないのがわかると思います。

まとめ

相続診断士について、資格を受ける人と相談したい人の両面からご説明してきましたが、参考になりましたでしょうか。

繰り返しになりますが、相続診断士は決して敷居が高いものではありません。

相談者の立場に寄り添い、話を聞いて導くことが相続診断士の役割です。

また、相続診断士は国家試験ではないので、資格を取ったからと言ってそれだけで事務所を構えて仕事ができる訳ではありません。

しかし近頃では、不動産会社、保険会社、信託銀行、葬儀会社など、会社として相続診断士を取得するように取り組んでいるところも増えています。

取得したからといってそれで就職できる訳ではないのですが、取得しておくと業務の幅が広がりますので、持っていると何かとメリットがあります。

そして相続について何かお困りの方は、気軽な気持ちで相続診断士に聞いてみてください。

今は小さな悩みでも、放っておくと手の施しようのない大きな問題になってしまうかもしれません。そうならない前に相談してみてください。

きっと自分の中でもやもやしているものが晴れ、何をするべきか明確になるのではないでしょうか。

相続診断士の活躍が大きければ大きいほど、相続で困る人も少なくなり、家族が笑って過ごせる時間が増えるはずです。

著者:相続ハウス 彼末 彩子(相続診断士)

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