過ぎても放棄できる!?知っておくべき相続放棄の手続き期間

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相続放棄 手続き期間

相続放棄をするには、何をすればいいのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか?

実は相続放棄は、手続き期間をどうカウントするかが大事なポイントです。
知らなかったでは済まされないので、しっかり覚えておきましょう。

相続放棄の具体的な手続きと合わせて、知っておきたい知識をまとめました。

1.相続放棄の手続き期間

相続権があることを知ったときから3か月以内にしなければなりません。

1-1.いつから開始するのか

具体例で見てみましょう。

Aさんが2015年9月10日に死亡。

Aさんの子供であるBさんが2016年3月10日にAさんの死亡を知った。

この場合、Bさんは2016年3月10日から3か月以内に相続放棄をすればいい。

 

2015年9月10日から3か月以内でないことに注意が必要です。
そもそも、相続権があることを知らなかったのですから、放棄のしようもありません。

2.手続き期間を過ぎたらどうなるの?

2-1.法律を知らなかった場合の扱い

放棄したい相続が起こっていた場合、扱いはどうなるのでしょうか?
次のような言い分も考えられます。

そもそも相続放棄を3か月以内にしなければいけないという法律の規定を知らない。だから、この規定を知ったときから3か月以内に相続放棄をすればいい。

 

一見、もっともな理屈のようですが、認められません。
日本に暮らしていて、20歳以上であれば法律の規定は知っていて当たり前だと解されているからです。

同様に、3か月という相続放棄の期限は知っていたものの、自分自身に相続権があるという規定も知らなかった、という場合も、相続放棄は認められません。

2-2.事実を知らなかった場合の扱い

事実を知らなかった場合、事情が異なります。
次の例で考えてみましょう。

Aさんの兄弟であるCさんは、Aさんが死亡したことは知っていた。

しかし、Aさんの子供であるBさんが相続放棄をしたこと、そのため、両親がいない状況で相続権が自分に発生したことを知らなかった。

 

この場合、自分に相続権があるという事実そのものを知らなかったわけですから、相続放棄は事実を知った時点から3か月以内にすればいいとされています。

2-3.期間を過ぎてしまった場合の対応方法

法律を知らなかったらまったくダメなのかというと、そういうわけでもないようです。
東京高等裁判所は「家庭裁判所は、却下すべきことが明らかな場合以外は、相続放棄の申述を受理すべきものであると解される」 という見解を出しています。

実際は、個別具体的なケースで扱いが異なる可能性があるということです。
「もう相続放棄できないかも」と思ったら、まずは弁護士に相談してみましょう。

3.相続放棄の手続き

3-1.申し立てのプロセス

申立期間についてですが、自己のために相続があったことを知ったときから3か月以内に手続きを行う必要があります。
この期間内に相続放棄の申述をしなければ、被相続人のすべての権利義務を承継します。

申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。
わからない場合は、被相続人の最後の住民票を取得して、家庭裁判所に聞きましょう。
また、申し立ては、各相続人が単独で申し立てすることができます。

3-2.必要書類

必要書類は次の通りです。

・相続放棄の申込書
・被相続人の住民票の除票
・戸籍謄本等
・申述書を家庭裁判所の窓口に直接提出する場合は、認印と身分証明証

3-3.家庭裁判所の審理

申述書が提出されると、家庭裁判所は必要事項の調査、審理に入ります。
その結果を踏まえ、申述を受理するかを決定します。主に、次のポイントが審議されるので、注意しましょう。

・相続放棄をした人が相続人か否か
・申述が熟慮期間内になされたものか否か
・相続放棄の申述が本人の意思に基づいてなされたものか否か
・なぜ相続放棄をするのか
・遺産の内容について

3-4.相続放棄の取下と取消

相続放棄申述の取下とは、申述書を提出し、それが受理される前に新たな財産が発見された場合など、相続放棄をしないほうがいいと判断した場合に、相続放棄の申述を取り下げられる制度です。

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