相続と贈与はどちらがお得?それぞれにかかる税金と算出方法

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相続 贈与 税金

相続と贈与では、それぞれにどのくらいの税金が課せられるのか、知りたい方も多いのではないでしょうか?

相続と贈与、どちらも自身の財産を渡す行為ですが、その方法が生前に行う贈与か、それとも亡くなった後で発生する相続かによって、課税される税の種類や金額は異なります。

もちろん税率も異なるため、なるべく負担の少ない方法で財産を渡したいと考えるのであれば、これらの違いを理解することが大切です。
また、条件によっては想定外の税が課せられる可能性もあるので、注意しなければいけません。

今回は相続と贈与のそれぞれにかかる税金について、税率や算出方法、節税のために活用したい控除制度や注意点など、詳しくお伝えします。

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1.相続税と贈与税の違い

被相続人が亡くなると、所有していた財産が相続人に受け継がれることになります。
こうした財産の継承のことを相続といい、継承された財産に課せられるのが相続税なのです。

それに対して贈与とは、財産を所有している人が、自らその財産を他者に譲り渡すことです。
この方法で行われる財産の継承を贈与といい、継承された財産に課せられる税金を贈与税といいます。

2.相続にかかる税金

相続を行う際に課せられる相続税は、どのくらいになるのでしょうか?
計算方法や控除制度など、具体的な内容について紹介します。

2-1.相続税とは、どんな税金か?

相続税は、相続や遺贈によって得た財産に対して課せられる税金であり、財産を受け取った相続人は課税対象となります。
ですがその範囲は、相続人の条件によって異なります。

国税庁の公式ウェブサイトでは、その範囲は以下のようにさだめられています。

相続税のかかる人と課税される財産の範囲
相続税のかかる人 課税される財産の範囲
(1)相続や遺贈で財産を取得した人で、財産をもらった時に日本国内に住所を有している人 取得したすべての財産
(2)相続や遺贈で財産を取得した人で、財産をもらった時に日本国内に住所を有しない人で次の要件全てにあてはまる人
イ 財産をもらった時に日本国籍を有している
ロ 被相続人又は財産をもらった人が被相続人の死亡の日前5年以内に日本に住所を有したことがある
取得したすべての財産
(3)相続や遺贈で財産を取得した人で、財産をもらった時に日本国内に住所を有しない人で次の要件全てにあてはまる人
イ 財産をもらった時に日本国籍を有していない
ロ 被相続人がその死亡の日に日本国内に住所を有している
取得したすべての財産
(4)相続や遺贈で日本国内にある財産を取得した人で日本国内に住所を有しない人((2)及び(3)に掲げる人を除きます。) 日本国内にある財産
(5)上記(1)~(4)のいずれにも該当しない人で贈与により相続時精算課税(※1)の適用を受ける財産を取得した人 相続時精算課税の適用を受ける財産

出典:http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4102.htm

2-2.相続税の計算方法

相続税には、被相続人の配偶者や子供といった法定相続人に基礎控除が認められています。
基礎控除の金額は、3,000万円に加えて法定相続人1人につき600万円と定められています。

さらに、課税される相続税の税率によって、控除される金額が段階別に決められています。
国税庁の公式ウェブサイトに掲載されている、税率ごとの控除額を紹介します。

相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超~1億円以下 30% 700万円
1億円超~2億円以下 40% 1,700万円
2億円超~3億円以下 45% 2,700万円
3億円超~6億円以下 50% 4,200万円
6億円超~ 55% 7,200万円

出典:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/05_4.htm

実際にどれだけの税金がかかるのか、具体的な例を示して計算してみましょう。

【例】
被相続人の子ども2人が、6,000万円の現金を相続で受け取った場合。

まずは、基礎控除の金額を求めましょう。
3,000万円+600万円×2人=4,200万円

6,000万円から基礎控除額を引きます。
6,000万円-4,200万円=1,800万円
課税対象となる金額は、1,800万円となります。

次に、相続税の金額を求めましょう。
1,800万円を法定相続分にすると、子ども一人当たりの課税価額は900万円になります。

900万円に課せられる税率は10%となります。
900万円×10%=90万円

子どもは2人ですから、相続税額の合計は180万円となります。

この合計額を、実際に相続した財産の割合に按分して、各子どもは相続税を支払うことになります。

2-3.相続税の控除制度

財産の内容や相続人の条件によって、相続税の負担が軽減されるさまざまな控除制度も設けられています。
こうした制度を利用することによって、相続税がかからなくなるケースもあります。

・配偶者控除
被相続人の配偶者が相続を受けた財産は、1億6,000万円か法定相続分に相当する金額のうち、高い方の金額までの控除が認められています。

・未成年控除
相続人が20歳未満であった場合、20年になるまでの年数1年につき10万円が相続税から控除されます。

相続の控除に関しては、他にも障害者に認められる控除や3年以内に支払った贈与税に対して行われる控除など、さまざまな控除が認められています。

▼相続税の控除について詳しく知りたい方はこちら
控除できれば相続税が安くなる!相続税の控除のまとめ

2-4.相続税の注意点

相続税については、他にもさまざまな注意点があります。
その中でも、特に注意してほしいものをお伝えします。

2-4-1.相続税の納税期限は10ヶ月

相続税の支払には、10ヶ月以内という期限が存在しています。
さらに相続人が複数いる場合、相続税の納税は全員で行うか、または連名によって行う必要があります。

2-4-2.不動産を売却した場合は、所得税が課せられる可能性がある

相続した土地や家屋といった不動産を売却し、利益が出た場合には、相続税とは別に所得税も課せられます。
相続税を支払えば大丈夫というわけではないので、注意しましょう。

2-4-3.負担をした人と受取人によって、課税の内容が変わる死亡保険金

被相続人が生命保険に加入しており、亡くなったことで死亡保険金が支払われた場合には、その死亡保険金も課税対象となります。
ですが、受取った死亡保険金には非課税枠が設けられています。
「500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額」

2-4-4.申告漏れや未納税にはペナルティーがある

未納税や申告漏れなどの理由で相続税を全額支払わず、期限である10ヶ月を過ぎてしまった場合には、支払っていない金額に対して延滞税が加算されます。
申告をしなかった場合には「無申告加算税」という延滞税が、少ない相続税を申告した場合には「過少申告加算税」という延滞税が、それぞれ課せられます。
こうしたペナルティーを負わないためにも、10ヶ月の期限以内に納税を行わなければいけません。

3.贈与にかかる税金

個人から財産を受け取った際には、受け取った財産の金額に対して贈与税が課せられます。
この贈与税について、税率や特例といった基本的な情報をお伝えします。

3-1.2つの課税制度がある贈与税

贈与税については2つの制度があります。
これらの制度は適用される条件が異なり、また控除される金額にも違いがあります。

3-1-1.暦年課税制度

暦年課税制度とは、1年間に行った贈与の財産の金額に対して贈与税が課せられる制度です。
この制度では110万円の控除が認められており、財産の価格が110万円を下回る場合には、申告や納税を行う必要はありません。

3-1-2.相続時精算課税贈与税

60歳以上の父親もしくは母親が、20歳以上の子どもや孫に贈与を行う場合に適用される制度です。
相続時精算課税贈与税の場合、その価格が2,500万円以下であれば、贈与税は課せられません。

ですが、贈与を行った父親か母親が亡くなった場合には、贈与された財産は相続税の対象となります。
そのため、後に相続税が課せられることを覚えておかなければいけません。

3-2.贈与税の税率

暦年課税制度の税率には、一般税率と特例税率の2種類があります。
国税庁の公式ウェブサイトに掲載されているそれぞれの税率と控除額は、以下のようになっています。

一般税率の速算表は、「特例贈与財産用」に該当しない場合の贈与税の計算に使用します。
例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。

特別税率の速算表は、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)※への贈与税の計算に使用します。
例えば、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などに使用します。(夫の父からの贈与等には使用できません)
※「その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)」とは、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属のことをいいます。

【一般税率】
基礎控除後の課税価格 200万円
以下
300万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
3,000万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

出典:http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm

【特例税率】
基礎控除後の課税価格 200万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
4,500万円
以下
4,500万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

出典:http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm

3-3贈与に関する特例制度

相続税と同様に、贈与税についても特別な条件に対して適用される特例制度があります。

たとえば、子どもや孫の結婚や子育てを支援する目的で行った贈与であれば、1,000万円(結婚の場合は300万円)が非課税枠となる特例が存在しています。
それだけではなく、孫などの教育を支援する目的で行った贈与に関しても、特例によって1,500万円までが非課税と認められているのです。

3-4.贈与税の注意点

暦年課税制度による贈与には年間110万円までの非課税枠が設けられていることから、相続税の対策として生前贈与を行うケースも少なくありません。

しかし、贈られた財産が相続の対象にならないためには、生前贈与を行っていたことを証明する必要があるため、贈った人と受け取った人の間で贈与が行われた証拠を残しておくことが大切です。
そのために、あえて非課税枠である110万円をこえる贈与を行い、少額の贈与税を納めて記録を残しておくという方法も行われています。

4.まとめ

「財産を継承する」という意味合いでは共通している相続と贈与ですが、それぞれに課せられている課税制度の内容は大きく異なっています。
送る側にとっては大切な人に自分の財産を託すために、受け取る人は贈られた財産を活かしていくために、できるかぎり多い割合で財産を受け取りたいと考えるものです。

そのためにも、それぞれの課税制度について知ることは大切です。
充分に理解して、後悔のない形で財産の引継ぎを行ってください。

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