税金が軽減される!相続財産の寄付で適用される非課税特例

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相続 寄付

相続財産を寄付すると、相続税が抑えられると聞いたことはありませんか?

被相続人から財産を相続した方のなかには、相続財産の一部を寄付したいと考えている方もいることでしょう。
実は相続した財産を寄付すると特例として、相続税の非課税や減免などを受けることができる場合もあるのです。

では、相続財産を寄付すると、どれくらい相続税が抑えられるのでしょうか?
また現金以外の不動産や株式などの財産は寄付することができるのでしょうか?

今回は相続財産の寄付について、対象となる財産やお得な控除制度など、詳しくお伝えします。
相続財産の寄付を考えている方は、その方法について覚えておきましょう。

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1. 相続財産の寄付について

1-1.相続税の非課税特例

故人から相続した財産または遺贈によって取得した財産を特定の寄付先に寄付すると、その財産分については相続税の課税対象に含まれなくなるという特例があります。

また、この非課税特例は、一定の寄付金を支払ったときに受けられる、所得税の寄付金控除とも併用することができます。

1-1-1.寄付金控除とは

寄付金控除とは、納税者である個人が特定寄付金(国や地方公共団体・公共法人に対する寄付金)を支出した場合に受けられる所得控除です。
控除額の計算式は寄付金控除(所得控除)を選択する場合と、寄付金特別控除(税額控除)を選択する場合によって異なります。

●寄付金控除(所得控除)を選択する場合
(年内に支出した特定寄附金の合計額)−2,000円=寄附金控除額

●寄付金特別控除(税額控除)を選択する場合
年内に支出した特定寄附金の合計額-2,000円×40%=寄附金控除額

【計算例】
所得税率20%の人が100万円を寄付して、寄付金の所得控除を申請した場合

寄付金控除額:100万円-2,000円=99万8,000円
実際に還付される金額:99万8,000円×所得税率20%=19万9,600円
となり、この分の所得税が控除されることになります。

1-2. 非課税特例を受けるための要件

非課税特例を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

1-2-1. 国、地方公共団体又は特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人などに寄附した場合

・寄附した財産は、相続や遺贈によって取得した財産であること。
・相続財産を相続税の申告書の提出期限までに寄附すること。
・寄附した先が国や地方公共団体又は教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人であること。

1-2-2. 相続や遺贈によって取得した金銭を特定の公益信託の信託財産とするために支出をした場合

・支出した金銭は相続や遺贈で取得したものであること。
・その金銭を相続税の申告書の提出期限までに支出すること。
・その公益信託が教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる一定のものであること。

1-2-3. 特例の適用除外となるケース

以下のような場合は非課税特例を受けることができません。
・寄附を受けた日から2年を経過した日までに特定の公益法人又は特定の公益信託に該当しなくなった場合や特定の公益法人がその財産を公益を目的とする事業の用に使っていない場合。
・寄附又は支出した人あるいは寄附又は支出した人の親族などの相続税又は贈与税の負担が結果的に不当に減少することとなった場合

▼参考「相続財産を公益法人などに寄附したとき」(国税庁ウェブサイト)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4141.htm

1-3. 非課税特例を受けられる寄付先

相続税の非課税特例は、以下の寄付先に寄付をした場合に受けることができます。

国や地方公共団体
国、都道府県、市区町村などが該当します。

●認定NPO法人や特定公益増進法人
日本赤十字社、財団法人日本ユニセフ協会、公益財団法人がん研究会など、さまざまな団体が該当します。

2. 相続財産の寄付の方法

相続財産の寄付には大きく、被相続人の意思による寄付と相続人の意思による寄付の2パターンがあります。

2-1. 被相続人の意思による寄付

被相続人が自分の死後に遺産を寄付する方法には、さらに遺贈と死因贈与の2つがあります。

●遺贈による寄付
遺言書に遺産を寄付する旨を記載しておくことで、自身の死後に遺言書に書いた通りに寄付をしてもらいます。

●死因贈与による寄付
死因贈与とは、財産をあげる人(贈与者)が死亡したときに効力が発生する贈与のことで、被相続人が生前に財産を寄付する旨を寄付先に伝え、相手がこれを承諾することで契約が成立します。

2-2. 相続人の意思による寄付

財産を受け取った相続人が自身の意思によって寄付をすることも、もちろん可能です。
寄付をした相続人が非課税特例を受けるためには、相続税の申告期限(被相続人が亡くなった翌日から10ヵ月以内)までに、相続税の申告書に寄付したことを証明する書類を添付した上で申告をしましょう。

3. 現物寄付

相続財産の寄付は現金だけでなく、不動産や美術品などの現物でも、寄付を行うことができるとされています。

3-1. 美術品の寄付

相続財産として絵画などの美術品を相続したものの、価値も分からないし、必要ないと思われる方もいるのではないでしょうか。

そんな場合は相続した美術品を特定の団体に寄付することによって、ただ美術品を無償で手放せるだけでなく、現金の寄付と同じように、相続税の非課税特例を受けることができます。

3-1-1. どこに寄付すれば特例が受けられる?

相続税の非課税特例を受けるための美術品の寄付先はどこでもいいというわけではなく、次のいずれかに限られています。

・国または地方公共団体

・公益事業者
※民法34条の規定によって設立された公益法人、その他の公益を目的とする事業を営む法人で、科学・教育の振興等に寄与するところが著しいと認められている法人(理化学研究所、日本育英会、学校法人、社会福祉法人など)

民法第34条
法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

3-1-2. 非課税特例を受けるための手続き方法

相続税の非課税特例を受けるためには、相続税の申告期限(被相続人が亡くなった翌日から10ヵ月以内)までに、相続によって取得した美術品を寄付しなければなりません。

寄付が完了したら相続税の申告書に特例の適用を受ける旨を記載し、美術品を寄付したことを証明する証明書を添付して提出しましょう。

3-1-3. 非課税特例を受けられないケース

もし美術品の寄付をしてから、2年以内に以下のようなケースが発生すると、寄付をした美術品が相続税の課税対象に含まれることになります。

・寄付先が公益事業者でなくなった場合
・寄付先が寄付を受けた財産を公益事業以外に供した場合

美術品を寄付したからといって、まだ相続税が課税される可能性がゼロになったわけではないので注意しましょう。

3-2.不動産の寄付

不動産を寄付する場合の寄付先は自治体となりますが、自治体ごとに寄付制度は設けられているものの、実際に行うのは難しいようです。

たとえ土地や建物であっても、自治体にとって有効活用ができるものでなければ、寄付を受け付けてくれないのです。
必要のない不動産を所有していても、固定資産税や都市計画税がかかってしまうだけなので、相続人からしても困りますよね?

そのため、寄付できなさそうな不動産が相続財産にある場合は、思い切って相続放棄をしてしまうというのもひとつの手です。

4.まとめ

相続財産の寄付はただ社会貢献ができるだけでなく、同時に相続税の節税にもなります。

非課税の特例が受けられるのには、期限がありますので迅速な対応が必要です。
また、不動産の場合は現実的には寄付は難しいということも念頭においておきましょう。
一度、専門家に相談してみることをおすすめします。

寄付をしたご自身もお得になれるように、相続した財産を上手に寄付してみてはいかがでしょうか?

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