要注意!相続税の納付が遅れたら発生する延滞税の計算方法

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相続税をきちんと納税しなかった場合には「延滞税」というペナルティが発生することをご存じでしょうか?

相続税を納付期限までに支払わなかった場合、延滞税という形でペナルティが課せられ、支払わなければいけない税金の金額が上乗せされます。

では、延滞税は「いつから」「どのくらい」発生するのでしょうか?

今回は相続における延滞税について、税率や計算方法などの基礎情報をご紹介します。
相続税がすぐに支払えない場合の対応についても紹介するので、ぜひとも目を通してください。

1.相続税における延滞税とは

相続税の納付期限は、相続税の申告期限と同じで「相続の開始を知った翌日から10ヶ月以内」と定めれており、その期限までに納税者が自ら税額を計算し、申告・納税をしなければならないとされています。

もし、意図的に申告をしなかったり、ついうっかり期限を過ぎてしまった場合には国税通則法第60条によって、延滞税が課せらてしまいます。
また、遺産の分割方法が確定しないという理由で放置していた場合でも、延滞税は免れません。

第60条関係 延滞税
(納税者)
1.この条第1項の「納税者」には、相続税法第34条(連帯納付の義務)の規定による連帯納付義務者は含まれないものとする。

(完納する日)
2.この条第2項の「完納する日」とは、国税の全額を納付する日をいう。この場合の納付する日には、徴収法の規定により徴収したものとみなされる日が含まれる(徴収法56条3項、57条2項、67条3項、116条2項等)。

(源泉徴収等による国税の遅延納付の場合の延滞税の計算)
3.源泉徴収等による国税を、法定納期後納税の告知がされる前に納付した場合における法定納期限の翌日から納付の日までの期間は、この条第2項ただし書の.「納期限までの期間」に含まれる。

(相続により分割承継された場合の延滞税の計算)
4.未納の国税が相続により分割して承継された場合における延滞税は、その分割して承継された未納の国税を基礎として計算するものとする。ただし、相続開始前に国税の一部が納付されている場合には、その一部納付の日までの期間の延滞税は、被相続人の国税について算出した額を相続分によりあん分した額とする。

2.延滞税にかかる税率は

延滞税の税率は本来の納付期限から実際に納付した日までの日数により異なります。
納付日に応じて、本税の納付金額に下記の税率を掛け算し延滞税を導きます。
延滞税は本税だけを対象としているため、加算税などに対しては課されません。

本来の納付期限の翌日から2ヶ月以内 原則は年7.3%
※ただし、平成29年1月1日から12月31日の場合は年2.7%
本来の納付期限の翌日から2ヶ月超 原則は年14.6%
※ただし、平成29年1月1日から12月31日の場合は年9.0%

延滞税の税率は毎年変わりますので、きちんと確認しましょう。

▼詳しくはこちらをご参照ください。
国税庁ウェブサイト
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/nofu-shomei/entaizei/entai_wariai.htm

3.延滞税がかからないケースとは

3-1.誤指導があった場合

税務職員が納税者から十分な資料の提出があったにも関わらず誤った指導を行い、納税者がその誤指導を信頼し納税ができなかった場合には、その誤指導があった日から誤りであると知った日以後7日間までは延滞税がかかりません。

3-2.申告書提出後における法令解釈の明確化等

申告書を提出したあとで法令解釈が明確化したことで、その法令解釈と納税者の解釈とが異なった結果、追加で納税しなければならなくなった場合に、納税者のその解釈について相当の理由があると認められれば、法定納期限の翌日から当該法令解釈について納税者が理解した日以後7日間は延滞税がかかりません。

3-3.申告期限時における課税標準等の計算不能

相続税の課税標準が確定しないために申告・納付できない場合、法定納期限の翌日から具体的金額が確定した日以後7日間は延滞税がかかりません。

4.延滞税の計算方法

4-1.延滞税の計算式

延滞税は下記の計算式で求めます。

<計算式>
延滞税(100円未満切捨て)= ①の金額 + ②の金額

① 納付期限の翌日から2ヶ月以内の計算(1円未満切捨て)
(納付すべき税額 × 2ヶ月以内の延滞税の税率 × 2ヶ月以内の日数)÷ 365日
※うるう年であっても365日で計算します。

② 納付期限の翌日から2ヶ月超の計算(1円未満切捨て)
(納付すべき税額 × 2ヶ月超の延滞税の税率 × 2ヶ月超の日数)÷ 365日
※うるう年であっても365日で計算します。

4-2.延滞税の計算例

下記の条件をもとに計算してみましょう。

<条件>
納税額:100万円
相続の開始を知った日:平成28年6月28日(火)
納付期限:平成29年5月1日(月)
※相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月が納付期限となるため、本来であれば平成29年4月29日(土)が納付期限ですが、その日が土・日・祝であれば、その翌日が納付期限となります。
申告日:平成29年8月25日(金)

<日数の数え方>
「4-1.延滞税の計算式」で解説した2ヶ月の基準は下記のようになります。
①に該当する期間:平成29年5月2日(火)~平成29年7月1日(土)
②に該当する期間:平成29年7月2日(日)~平成29年8月25日(金)
その結果、①の日数は61日、②の日数は55日になります。

<計算>
①1,000,000円 × 2.7% × 61日 ÷ 365日 = 4,512円(1円未満切捨て)
②1,000,000円 × 9.0% × 55日 ÷ 365日 = 13,561円(1円未満切捨て)

①4,512円 + ②13,561円 = 18,000円(100円未満切捨て)

5.相続税が支払えない場合の対応

5-1.延納

原則、相続税の支払いは現金一括払いですが、それが出来ない場合には「延納」という制度を使い、5年間の分割払いにしてもらうことが可能です。
しかし、延納をするためには下記の要件を満たす必要があります。

【要件】
1.相続税の金額が10万円を超えていること。

2.相続財産のほとんどが不動産であるなど、相続税を金銭で納付することができない理由があること。

3.延納金額が50万円以上且つ延納期間が3年超の場合には、その相続税の金額に相当する担保を提供すること。

4.相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に「延納申請書」を税務署長に提出すること。

5-2.物納

原則、相続税の支払いは現金一括払いですが、それができない場合には「物納」という制度を使い、不動産や有価証券など現金以外の資産で納税することが可能です。
しかし、物納をするためには下記の要件を満たす必要があります。

【要件】
1.延納を利用しても現金で納付することが難しい事由があること。

2.物納する財産は、相続財産のうち下記の財産および順位でそれぞれ日本国内にあること。
第1順位:国債、地方債、不動産、船舶
第2順位:社債、株式、証券投資信託または貸付信託の受益証券
第3順位:動産

3.物する財産が物納不適格財産(抵当権がついている土地や境界が明らかでない土地)ではないこと。

4.相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に「物納申請書」を税務署長に提出すること。

6.まとめ

納付期限までに相続税を納めないと、高い割合の延滞税が課せられてしまいます。

また延滞税は該当する期間ごとによって異なるため、算出するのは難しいものです。
延滞税が発生しそうな場合は、専門家への相談されることをおすすめします。

きちんと納められない場合は延納や物納といった対策も行い、正確な納税を行うことを心がけるようにしましょう。

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