土地を相続したときに活用できる3つの相続税対策とは

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相続税対策 土地

相続税対策の1つとして土地を使った方法があると聞いたけれど、どのように活用したらいいのか、わからない方も多いのではないでしょうか?

法改正により、相続税の課税対象となる人が増えたとともに、税対策としてさまざまな方法を検討されている方も多くなっています。
実は相続税において、土地はさまざまな方法で評価額を下げたり、節税をしたりできるようになっているので、それらを活用すれば相続税を大きく抑えることができます。

今回は土地の相続に活用できる3つの節税方法をご紹介します。
それぞれメリットやデメリット、活用する際の注意点などがありますので、最大限活用できるよう、しっかりと理解しておきましょう。

1. 方法① 賃貸アパート(マンション)の建設

相続した土地に賃貸アパート(もしくはマンション)を建てることによって、相続税の評価額を減らす方法です。

自己の所有する土地に賃貸用のアパート(マンション)を建設し、自分が亡くなって土地を相続させることになったときの相続人の金銭的負担を減らします。

ただしやり方によってはあまり効果がなかったり、逆に評価額が上がったりしてしまう場合もあるので注意しなければなりません。
この方法のメリットとしてはおもに以下の3つがあります。

1-1. メリット

土地の評価が下がる

自己の土地にアパート(マンション)を建設することによって、その土地は相続税法における貸家建付地(かしやたてつけち)となり、土地の相続税評価額を減らすことができます。

【計算式】
貸家建付地の価額=自用地とした場合の価額-自用地とした場合の価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合

この「借地権割合」「貸家権割合」「賃貸割合」が大きくなるほど、減らせる相続税価額も大きくなります。

出典:貸家建付地の評価(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hyoka/4614.htm

建築費から建物の評価を引いた差額が評価減になる

建物を建築する際に支払った建築費は、通常、建物の相続税評価額(固定資産税評価額)を上回る場合が多いです。
その差額については評価減といえます。

また、建築した建物を貸家にした場合は、自用地として利用する場合の評価額から借家権等の割合を控除して評価するため、その分建物の相続税評価額を減らすことができます。

【計算式】
建物の評価=固定資産税評価額-固定資産税評価額×借家権割合×賃貸割合

小規模宅地等の評価減のための候補地になる

空き地に建物を建てて、貸付事業用(貸家等)または居住用の土地に変えることによって、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例を適用できる可能性があります。

要件を満たしてこの特例が適用できた場合、その土地は貸付事業用の土地として5割評価額を減らせることができます。
(ただし200㎡まで)

詳細は後述する「3. 方法③ 小規模宅地等の特例を利用する」をご参照ください。

1-2. デメリット(注意点)

この方法のデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

資金繰りが厳しくなる

建築資金が用意できない場合は借入をすることになるわけですが、その場合は家賃収入から所得税・住民税を引いた額の残りを返済資金に充てなければいけなくなります。

相続税対策を目的に始めたつもりが、税金ばかりかかって結果的に損をしてしまう可能性もあるので、建築資金がない場合はこの方法を実行すべきか、慎重に検討したほうがいいでしょう。

修繕費と空き室リスクがある

アパート(マンション)経営につきものなのが、建物の維持のために必要な修繕費リスクと、部屋が埋まらない空き室リスクです。
この方法を成功させるためには、賃貸ビジネスにおけるオーナーとしてのスキルが求められます。

売却が難しくなる

賃借人がいる土地は簡単に取り壊しなどができないため、アパート(マンション)を建てると更地の土地よりも売却するのが難しくなります。
土地の売却を検討するなら、建物を建てる前にしたほうが良いかもしれません。

2. 方法② 広大地評価を利用する

自己の所有する土地が、広大地に該当する場合に活用できる相続税対策の方法です。

一般的に、周りに比べて広い土地(大都市圏では500㎡以上、その他の地域では1000㎡以上が目安)に適用されるものなので、活用できる人は限られていますが、広大地と認められると、このようなメリットがあります。

2-1. メリット

土地の評価が半分程度になる

自己の土地が広大地と認められると、相続税の評価をする際に地積に応じた広大地補正をすることができます。

【計算式】
広大地の価額=広大地の面する路線の路線価×広大地補正率×地積
広大地補正率=0.6-0.05×(広大地の地積÷1,000㎡)

仮に土地が5000㎡以上だった場合、広大地補正率は0.35になるので、単純評価で65%減にもなるのです。

出典:広大地の評価(国税庁HP)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hyoka/4610.htm

2-2. デメリット(注意点)

広大地評価に詳しい専門家が少ない

広大地評価は、贈与や後述する小規模宅地等の特例などに比べると利用機会が少ないため、それに関わったことがある税理士の人数はより少なくなっています。
この方法を活用する際には、広大地評価に詳しい税理士を探してその人にサポートしてもらうようにしましょう。

適用のハードルが高い

広大地評価に関しては、税務署はその土地を広大地と認めるかについて厳しく審査しています。
広い土地であればどれも広大地に該当するというわけではありませんので、適用できることを前提として、相続税の見積もりをするのは避けましょう。

3. 方法③ 小規模宅地等の特例を利用する

小規模宅地等の特例は、今回ご紹介する土地に関する相続税対策のなかでも、最も大きな財産評価上の減額要因となるものです。

相続開始の直前において、その土地が特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等、貸付事業用宅地等のいずれかの宅地等に該当している場合に適用されます。

3-1.メリット

土地の評価が最大80%まで減額できる

小規模宅地等の特例を受けると、宅地等の種類によって一定の面積までの土地について、相続税評価額を最大80%まで減額することができます。

【特定事業用宅地等または特定同族会社事業用宅地等】
限度面積:400㎡
減額割合:80%

【貸付事業用宅地等】
限度面積:200㎡
減額割合:50%

【特定居住用宅地等】
限度面積:330㎡
減額割合:80%

たとえば相続した自宅(特定居住用宅地等)の面積が350㎡、評価が1億500万円(30万円/㎡)だった場合、小規模宅地等の特例による減額は30万円×330㎡(限度面積)×80%(減額割合)=7920万円となるので、相続税評価額は1億500万-7920万=2580万円となるのです。

3-2. デメリット(注意点)

申告後に宅地の選択を変更できない

小規模宅地等の特例の適用を受ける宅地は納税者が自由に選択することができますが、一度選択をすると変更をすることができなくなります。

適用要件が厳しい

小規模宅地等の特例には、亡くなった人が住んでいた自宅の敷地であること、宅地等をもらった人が配偶者以外の場合は、その宅地等を持ち続けることなど、被相続人、相続人のそれぞれに対する厳しい適用要件があります。

詳しい適用要件については、国税庁のウェブサイトでご確認ください。

▼相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(国税庁HP)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

4.まとめ

今回は土地を所有する人が活用できる相続税対策の方法についてご紹介しました。

いずれの方法にもメリットとデメリットの両方があり、また適用するための厳しい要件が設定されているので、誰もが活用できるとは限りません。

まずは「自身の所有する土地ではどの方法が活用できるのか」ということを確認するところから始めてみましょう。

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