遺言執行者の報酬は、遺言書に記載があればその通りに従い、もし記載が無ければ遺言執行者が家庭裁判所に申し立てて報酬額を決めてもらうことになります。
経費については別途支払いになります。
相続が発生しますと、不動産の名義変更、預貯金の解約や株式の名義変更等、多くの複雑で専門的な手続きが必要になってくる場合もあります。
執行者手数料は、財産額、また専門家や委託される仕事の内容によっても異なりますので、それぞれの専門家の確認が必要になります。
2-2. 公証役場での手数料
2-2-1. 手数料一覧
公正証書作成時の公証役場の手数料等は、政府が決めた公証人手数料令により次のように定められています。
従って、公正証書遺言も下表に掲載された法律行為の目的価格に応じて算出されます。
目的の財産額 | 手 数 料 |
---|---|
100万円まで | 5,000円 |
200万円まで | 7,000円 |
500万円まで | 11,000円 |
1,000万円まで | 17,000円 |
3,000万円まで | 23,000円 |
5,000万円まで | 29,000円 |
1億円まで | 43,000円 |
3億円まで、5,000万円ごとに13,000円加算 | |
10億円まで、5,000万円ごとに11,000円加算 | |
10億円超は、5,000万円ごとに8,000円加算 |
[出典:日本公証人連合会HP 手数料]
[手数料算定留意点]
1. 価額を算定することができないときは、500万円と見なして算定。
2-2-2. 手数料算定具体例
遺言書作成において、相続人、受遺者が複数の場合には、それぞれ毎に手数料額を算定して合算します。
さらに、相続、遺贈額合計が1億円までは11,000円を加算。手数料令19条は、遺言加算という特別の手数料を定めております。
[ケース①]
財産:1億円 | |
---|---|
相続人と相続額 | 手数料 |
配偶者 1億円 | 43,000円 |
追加加算 | 11,000円 |
手数料総計 | 54,000円 |
例えば、財産1億円を配偶者1人に相続させる場合の手数料は、先の表により、43,000円です。
1通の遺言公正証書における目的価額の合計額が1億円までの範囲になりますので、この場合は総計54,000円になります。
[ケース②]
財産:1億円 | |
---|---|
相続人と相続額 | 手数料 |
配偶者 6,000万円 | 43,000円 |
長男 4,000万円 | 29,000円 |
追加加算 | 11,000円 |
手数料総計 | 83,000円 |
配偶者に6,000万円、長男に4,000万円の財産を相続させる場合には、配偶者の手数料は43,000円、長男の手数料は29,000円となり、その合計額は72,000円になります。
ただし、手数料令19条により、72,000円に11,000円を加算した83,000円が手数料となります。
[ケース③]