2次相続で適用できる!相次相続控除で税金を抑える方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
相次相続控除

例えば父親が亡くなり、続いてすぐに母親が亡くなってしまうなど、短い期間に相次いで相続が起こった場合、相続人にとって相続税の負担が大きく増えることが考えられます。
このような場合、相続税はそのまま払わなければならないのでしょうか?

最初の相続で税金を払ったのに、次の相続でまた同じ財産に相続税を払うことに、疑問を感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。

そこで今回は、被相続人が、過去に支払った相続税の一部を控除できる相次相続控除について、どういう要件を満たすと受けられるのか、その場合の計算方法等を、事例を交えながらご説明いたします。

税金を少しでも減らせることができるかもしれません。
この機会に、相次相続控除について理解しておきましょう。

スポンサードリンク

1.相次相続とは

たとえば、父親を亡くした後、数年の内に今度は母親が亡くなるという話は珍しくありません。

このように、身近な肉親が相次いで亡くなるということで、父親の財産を相続した母親の財産を、一定期間内に相続するということを「相次相続」と言っております。

2.相次相続控除

相次相続によって相続を受ける人は、前の相続で相続税を払っても、また同じ財産に相続税がかかってくることがあります。
それによって、納税負担が非常に大きくなることが考えられます。
そこで、相続税の負担を軽くするためにできた制度が、「相次相続控除」です。

死亡した人が、死亡前10年以内に相続(第1次相続)で財産を取得して相続税を支払った場合に、次の相続(第2次相続)での相続人の相続税額から相続税の一部を控除するというものです。

相次相続控除

上記のように、先の被相続人の祖父から父が、相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得し、相続税が課され納付します。
その後、9年後に父が亡くなり、今度は子が財産を取得し相続税が課されます。その時、申告によって相続税額から一定の金額が控除されます。

では、控除を受けるためにはどのような要件が必要なのか、次にご説明してまいります。

相次相続控除の要件

相次相続控除が受けられるのは次の3つの要件に当てはまる人です。

(1) 被相続人の相続人であること
この制度の適用対象者は、相続人に限定されています。
相続の放棄をした人及び相続権を失った人、遺言書で財産をもらった受遺者や、相続放棄をして生命保険のみを取得した者などは含まれません。

(2) 今回の相続の開始前10年以内に発生した相続により、被相続人がその財産を取得していること

(3)  前回の相続で被相続人に相続税が課税されていること
その相続の開始前10年以内に開始した相続により取得した財産について、被相続人が相続税を支払っていることが要件となります。
例えば、配偶者の税額軽減等で前回の相続では相続税の納税が生じなかった場合は、この要件にはあてはまらず控除は受けられません。

3. 相次相続控除の計算方法

3-1. 計算式(※)

控除できる税額は以下の計算式から求めます。

相次相続控除 計算式1

[注意:C*>B-Aのとき、つまり100/100を超えた時はC*=B-Aとして計算します]

A=今回の被相続人が前回の相続で支払った相続税
B=今回の被相続人が前回の相続でもらった財産価額
C=今回の相続における財産価額の合計額
D=今回の相続で相次相続控除をうける相続人が取得した財産価額
E=前回の相続から今回の相続までの経過年数(1年未満は切り捨て)

この計算式でわかることは、仮に、今回の相続の被相続人が前回の相続で相続税を支払って、その後すぐに亡くなった場合には、経過年数による減額はないので、その相続税が、そのまま今回の相続税の計算上控除されるということになります。

つまり、相次相続控除では、前回の相続において課税された相続税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した後の金額を今回の相続に係る相続税額から控除しようというものです。

出典:国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4168.htm

3-2. 事例その1

ひとつの例をあげて、ご説明してまいりましょう。

祖母が3年前の節分(2/3)に亡くなり、その時に800万円の相続税を支払った。[一次相続]

落ち着き始めたと思った今年5月に父がまた亡くなった。

父は母である祖母から受け継いだ財産が1億2千万円。
今回の相続財産価額の合計額が1億円。

今回の相続で相次相続控除を受ける子が取得した財産価額は8,000万円。[二次相続]

この事例を上記(※)の計算式にあてはめると、

相次相続控除 計算式2

計算の結果、このケースでは399万円が相続税から控除されることになります。(※2)
経過年数は、3年3か月ですが、この場合は、1年未満を切り捨てて3年で計算します。

3-3. 事例その2

似たようなケースですが、計算上の数字(上記公式C*)が変わった場合は下記の式が成り立ちます。

祖母が3年前の節分(2/3)に亡くなり、その時に1,000万円の相続税を支払った。[一次相続]

落ち着き始めたと思った今年5月に父がまた亡くなった。

父は母である祖母から受け継いだ財産が1億5千万円。
今回の相続財産価額の合計額が1億8,000万円。

今回の相続で相次相続控除を受ける子が取得した財産価額は9,000万円。[二次相続]

相次相続控除 計算式3

このケースでは350万円が相続税から控除されることになります。

4.相次相続控除が算出されない場合

4-1.配偶者控除との関係

相次相続控除は、前回の相続において被相続人が納めた相続税がある場合に、その相続税額を基に計算する制度です。

仮に、今回の被相続人(母)は、前回の父の相続において配偶者の税額の軽減により相続税を納めることがなかった場合、相次相続控除額は算出されませんので、相次相続控除を受けることはできません。

4-2.二次相続と対策

相次相続控除は2次相続以降の相続税申告に適用されます。

1次相続発生から2次相続発生までの期間が10年以内という要件もありますので、被相続人が亡くなられた時点で、被相続人が10年内に相続税を納税している場合がないか、気をつけてみておくことをおすすめいたします。

5.注意点

相次相続控除が適用できるのは、二次相続の相続人に限られます。
その中で、相続放棄をした人や相続権を失った人が、遺贈により財産を取得した場合には、相次相続控除の適用にはなりませんので注意が必要です。

相続人が複数いた場合に、遺産分割が終えていない場合でも相次相続控除は適用できます。
その場合、各相続人は法定相続分で相続財産を取得したとして計算を行い、それを相次相続控除の計算においても同様に行います。

6.まとめ

短い期間に相次いで相続が起こった場合、相続人にとって相続税の負担が大きく増えることが予想されます。
相続税はそのまま払わなければならないのかという疑問に対して、過去に支払った相続税の一部は控除できるという、相次相続控除制度のご説明いたしました。

1 0年の間に相次ぐ相続を受けた場合、相続税の優遇制度があることをご理解いただけましたでしょうか。
この手続きは相続税申告の際に行われますので、可能性のある場合には税理士等の専門家にご相談しながら行うことをおすす

めいたします。

著者:相続ハウス 奈良澤 幸子 (相続診断士)
監修:税理士法人エスネットワークス

相続が発生したらまずは相談を【お金の知りたい】の無料相続相談

大切な人がお亡くなりになると、悲しむ暇も無いほど、やることがたくさんあります。
何をどうやってどれから進めれば良いのかわからなかったり、余計な手間や時間、支出を避けたいと思っている方は多いと思います。

そう思われるかたは「お金の知りたい!」がオススメする無料相続相談を是非ご活用ください。
経験豊富な相続診断士がしっかりとお話を伺い、スムーズな相続のお手伝いをいたします。

詳細はこちら