期限内にスムーズに完了!相続放棄手続き完全マニュアル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
20151103_00

相続が発生した際に、もしかしたら相続放棄をする必要が出てくるかもしれない。

または、相続が発生したが相続放棄をしなくてはいけなくなった。もめ事に巻き込まれたくないから相続放棄したい・・・などの理由が挙げられます。

そんな時に、相続放棄をするにはどんな手続をふめば良いのでしょうか。

今回は、相続放棄を、いつ、だれがどこでするのか、必要なものは何か、手続の仕方はどのようにするのか、放棄の手続きが完了するまでにどれくらいの期間がかかるのか、相続放棄の手続きに関する情報をご案内していきます。

また、相続放棄をしたけれどやっぱり取り消したいと思った場合に、取り消すことができるのか、取消の申請をすれば全て認められるのか、相続放棄をしたら今後どのようなことがあるのか、などについてもご紹介してきます。

相続放棄には期限がありますので、放棄をするとなった時に焦らないように、備えておきましょう。

スポンサードリンク

1. 相続放棄とは

相続放棄とは、亡くなった人の財産を、一切相続しない(放棄する)ことをいいます。

相続とは、亡くなった人のプラスの財産(預貯金や不動産など)だけでなくマイナスの財産(ローン・借金・連帯保証など)も全ての財産を引き継がなければなりません。

自分が関係なかった借金などを背負う場合もあります。

そういった自分の気持ちや都合に関係なく引き継ぐことになる相続に、自分は関わりたくありませんと放棄することを「相続放棄」といいます。

2. 相続放棄の手続き

2-1.いつ、どこでするのか

原則として、相続が開始してから3ヶ月以内に、亡くなった人(被相続人)の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。

2-2.だれがするのか

原則として、相続人が申請します。

2-3.どのようにするのか

相続放棄の際に必要な書類を集める

相続放棄申述書に必要事項を記入

集めた書類を家庭裁判所に提出

家庭裁判所から照会書が届く
(家庭裁判所に必要書類を提出した数日~2週間後に照会書という書面が自宅に送られてきます。照会書には質問事項があるので、質問に回答し家庭裁判所に返送をします。)

相続放棄の完了!

集めた書類を家庭裁判所に提出するところまでを、3ヶ月以内に行う必要があります。

仮に、相続開始を知った日から2ヵ月半後に家庭裁判所に相続放棄の申し立てをしたとします。そこから家庭裁判所が審査をするのに1ヵ月かかった場合、3ヶ月という期限を過ぎてしまうことになりますが、あくまでも提出を3ヶ月以内にすれば良いので、この場合は相続放棄が成立したといえます。

家庭裁判所の審議の時間は、期限には影響しません。

また、相続放棄の手続きは自分でもできますが、期間が短く必要な書類が何なのかを確認するのも、場合によっては大変な作業です。書類の収集から代行してくれる専門家もおりますので、確実に放棄をしたいとお考えの場合は、専門家にお願いすることを検討してみるのも一つの手です。

2-4.手続に必要なもの

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本 ⇒市役所で取得できます。
  • 相続放棄する人の戸籍謄本(被相続人との関係の分かる戸籍) ⇒市役所で取得できます。
  • 相続放棄申述書 ⇒家庭裁判所でもらうか、ホームページからダウンロードもできます。
  • 収入印紙(800円分) ⇒郵便局やコンビニで取得できます。
  • 郵便切手 ⇒照会書を郵送してもらうための切手代になります。各家庭裁判所によって金額は異なるので事前に家庭裁判所に確認をしてから購入しましょう。

上記以外にも必要な書類はありますが、相続放棄する人が配偶者なのか、また、子供や兄妹姉妹なのかなど、どの立場にあるのかによって、用意する書類が変わってきます。

3.3ヶ月以内という手続き期限について

先程からご紹介しているように、相続放棄には3ヶ月という期限が設けられていますが、親と疎遠だったことにより、多額の借金を抱えていたことを亡くなるまで知らなかった。もしくは、財産状況が複雑すぎて、財産の調査が終わらない・・・など色々な事情により、期限を過ぎてしまった場合や間に合いそうにない場合もあります。

そのような事態が発生した場合、どのような処置がなされるのでしょうか。

3-1.3ヶ月を過ぎてしまった場合

以下の条件を満たしている場合、家庭裁判所が調査した上で相続放棄が認められることがあります。

  • 死亡時に財産調査をしたが借金があるとはわからなかった
  • 死亡後に相続財産を処分していない
  • 借金の存在を知ってから3ヶ月以内である

借金の督促状などの通知が来て、初めて借金の存在を知った時から3ヶ月以内だ。という主張を家庭裁判所に納得してもらえれば、相続放棄が間に合う可能性もあります。

但し、これだけではなく裁判官に、なぜ相続放棄が間に合わなかったのかを納得してもらえるような「上申書」というものを、通常の相続放棄の際に提出する相続放棄申述書に添付をして提出する必要があります。

これらが揃って初めて、期限が過ぎてしまった場合でも相続放棄が認められる可能性が出てきます。

上申書の内容なども、とても重要な判断材料になるため慎重に作成する必要があります。そのような場合には、専門家の力を借りることも、スムーズかつ安心に手続きを進めるためのポイントです。

3-2.3ヶ月を過ぎてしまいそうな場合

被相続人の財産調査がなかなか終わらず、3ヶ月の期限内にプラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いのか判断がつかない場合もあります。

そのような場合には家庭裁判所に、相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内と定められている期限を、延長する申し立てができます。

これを「相続放棄における熟慮期間の伸長」といいます。

相続財産の洗い出しに時間がかかっている、また、相続をするのか放棄をするのか判断するのに時間がかかっている・・・と間に合わなさそうな場合は、家庭裁判所へ申し立てをしましょう。

4.相続放棄の種類

相続が開始すると、相続人は3つの選択肢の中から、いずれかひとつを選ぶ事になります。

相続財産を受け継ぐ際に、とくにこれといった手続きはいらない「単純承認」(被相続人のすべての財産(権利義務)を承継すること)以外の選択肢を選んだ人は法に則った手続きが必要になります。

単純承認以外の選択肢が、以下になります。

相続放棄 被相続人が遺した財産を、プラス・マイナス問わず一切相続しません。
相続開始を知ったときから3ヶ月以内に手続きが必要ですが、限定承認とは異なり、単独での申立ても可能です。
限定承認 プラスの財産とマイナスの財産のどちらかが多いか分からない場合に利用される制度です。
被相続人が遺した財産のうち、マイナス財産よりもプラス財産が上回る場合には、その上回った範囲内で相続ができます。申し立てをしておいて、マイナスの財産が多い場合は、不足分を支払う必要はないというメリットがありますが、相続開始をしったときから、3ヶ月以内に相続人全員で手続きを行う必要があり、手続きも煩雑です。そのためよほど多額の財産が残る見込がなければ、相続放棄を選択する相続人が多いようです。

5.相続放棄と代襲相続について

代襲相続とは、本来、相続人となるべき相続者が、相続開始前に死亡していたり、相続欠格・相続排除により相続権を失った者に代わって、その子供たちが相続をする制度のことです。

相続放棄をした場合は、はじめから相続人でなかったこととして見なされるため、代襲相続は起こりません。

例えば、母親が亡くなりその配偶者(父親)と子供が法定相続人だった場合、もし子供がそれ以前に亡くなっていた場合は、その子供のさらに子供(孫)が代襲相続をしますが、

子供が相続放棄した場合は、その子供(孫)は、法定相続人になれないのです。

そうなると、この場合は、亡くなった母親に父母がいれば配偶者(父)と父母(祖父母)が法定相続人となります。

父母(祖父母)も相続放棄をした場合は、配偶者(父)と兄弟姉妹が法定相続人となります。

20151103_01 20151103_02

6.相続放棄を取り消したい

6-1.相続放棄を取り消すことはできるのか

家庭裁判所に申述をし、受理された放棄をやっぱり後から取り消したい…と思った際に、相続放棄の取り消しを申請することはできるのでしょうか。

一度受理された相続放棄を取り消すことはできません。

6-2.なぜできないのか

相続放棄の申述を行うと、家庭裁判所はその申し立てについて合理性があるかなどについて審議をします。そのように審議を経て受理された申し立てを、「やっぱり相続したい」と言ってそれが簡単に通ってしまうのでは、わざわざ家庭裁判所に申し立てをして、審議、受理をされる意味がなくなってしまうからです。

6-3.取消等が認められるケース

脅迫や詐欺、重大な勘違いによって相続放棄をしてしまった場合には認められるケースもあるようです。

その場合にも、家庭裁判所に取り消しの申し立てをすることになります。

但し、このケースで取消が認められる可能性はかなり低いようです。

また、放棄自体を最初からなかったことにする「撤回」は絶対にできませんので、ご注意ください。

7.相続放棄を行った後にすること

相続放棄をする理由として、一番多いのがマイナスの財産を放棄したいという理由の人が多いです。そういった人々が、身に覚えのない借金を回避するために相続放棄をする訳です。

しかし、相続放棄をして借金返済をする義務がなくなり一安心…と言いたいところですが、一つしなければならないことがあります。

裁判所というのは、相続放棄が終わったことを、金融機関に通知することまではしません。従って、そのままにしておくと金融機関は相続放棄が完了したことをずっと知らないままでいるのです。

そうなると、相続放棄がされているにも関わらず、金融機関は請求書を送付してきます。そのような事態を未然に防ぐために、相続放棄が無事完了したら、相続放棄申述受理通知書のコピーを金融機関に送付して、相続放棄をして受理されたことを知らせましょう。

まとめ

今回は、相続放棄の手続きをする際の基本的な知識、手順や必要書類、相続放棄と代襲相続の関係や取り消しについての情報をご紹介させて頂きました。

ご存知のとおり、相続放棄には期限が設けられており、相続発生後から3ヶ月以内に手続きを終えなければなりません。

財産の洗い出しや、必要な書類を集めなければならず、これは結構タイトなスケジュールになります。ですが、一度認められた相続放棄は原則として取り消すことができませんので、期限が決められている中でも慎重な判断が必要になってくると考えられます。

相続放棄は、相続関係の法律の中では、最も強力なものであるとも言われています。
判断に迷う場面もあるかもしれませんが、よく考えて実行に移されることをお勧めします。

著者:相続ハウス(相続診断士) 栗田 千晶
監修:銀座中央総合法律事務所 清水 保晴(弁護士)

「知らなかった」で損をしないために【お金の知りたい】の無料相続相談

相続はとても複雑なもので、お一人ずつ状況が違います。
正しい知識を知らないことで損をしたり、親族でトラブルに発展することも少なくありません。

そこで「お金の知りたい!」がオススメする無料相続相談をぜひご活用ください。
経験豊富な相続診断士がしっかりとお話を伺い、スムーズな相続のお手伝いをいたします。

詳細はこちら

相続無料相談