親族以外が財産を受け取る遺贈にもかかる相続税の計算方法

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遺贈 相続税

相続税と聞くと「親族が亡くなり、その財産を相続した場合に発生するもの」というイメージをもっている方が多いのではないでしょうか?

実は、親族以外の人が亡くなり、その財産を譲り受ける場合でも相続税が適用されます。
今回は、親族以外が財産を受け取ることになった場合、どのくらい税金がかかるのか、相続税について、その計算方法をお伝えします。

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1.遺贈とは

1-1.遺贈とは

遺贈とは亡くなった人が生前に書いた遺言によって財産を引き継ぐことを意味します。
つまり、そこには亡くなった人の意思があり、財産を引き継ぐのは親族とは限らない、ということです。

たとえば、生前によく介護をしてくれた親族ではない方の名前が遺言に書かれているケースなどが当てはまります。

もちろん、遺言に配偶者や我が子の名前を書いて遺贈をするケースもありますが、一般的に遺贈という言葉からイメージするのは、親族以外への遺産贈与ではないかと考えられます。

1-2.相続と贈与の違い

「遺贈=被相続人の意思を引き継ぐ」のに対し、相続は被相続人の意思とは関係なく、法定相続人が財産を引き継ぐことです。

被相続人から見て、子・直系尊属・兄弟姉妹・配偶者が法定相続人に該当します。

相続できる順位が決まっているため、直系尊属や兄弟姉妹の場合、親族が亡くなったからといって必ず相続できるというわけではありませんが、配偶者や子であれば、原則として勝手に財産を引き継ぐことになります。

▼相続人の範囲について詳しく知りたい方はこちら
誰がどこまでなれるの?法定相続人の範囲やパターンを解説

そして贈与と遺贈は、受け取る側の意思の有無によって区別します。

贈与とは、「当事者の一方が自己の財産を無償にて相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる」と民法549条で定められています。

第549条
贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

つまり贈与の場合には、「これ、あげるね」と「うん、もらうね」がセットでないといけません。
それに対して遺贈は「これ、あげるね」と一方的な意思表示であるといえます。

2.遺贈時の相続税の計算方法

以下の例で計算方法を確認してみましょう。

<例>
親族ではないAさん
生前贈与(前年):200万円  遺贈:1,800万円(不動産)

親族のBさん
相続:3,000円

親族のCさん
相続:3,000円

2-1.課税価格を求める

Aさんは相続開始の前年に200万円の贈与を受けており、これは生前贈与加算に該当します。

生前贈与加算とは、相続の開始前3年以内に受けた贈与財産を相続税の課税価格に含めることを意味します。

生前贈与は本来、相続税を安くするのに有効なのですが、しかし、余命わずかというタイミングで慌てて生前贈与が行われることによって、相続税を安くしすぎないように設けられたのが「生前贈与加算」と呼ばれる制度です。

今回のケースでは、Aさんの課税価格は「1,800万円+200万円=2,000万円」となります。

2-2.相続税額を求める

この計算には、親族のBさんとCさんがいくら相続したのかを知っておく必要があります。

(1)Aさん・Bさん・Cさんの課税価格合計(相続資産)を求める

2,000万円+3,000万円+3,000万円=8,000万円

(2)基礎控除額を計算する

3,000万円+(600万円×法定相続人2人)=4,200万円

(3)(1)から(2)を差し引く

8,000万円-4,200万円=3,800万円

(4)国税庁の相続税率を参考に相続税を計算する

3,800万円×20%-200万円=560万円

(5)(4)×Aさんの課税価格÷(1)で相続税を按分する

560万円×2,000万円÷8,000万円=140万円

【参考】国税庁HP:相続税の税率(https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4155.htm

2-3.相続税の2割加算と贈与税額控除

上記で求めた140万円に2割加算をする必要があります。
この「相続税の2割加算」は、相続税を支払う人が一親等の血族及び配偶者以外である場合に加算されます。

たとえば、兄弟姉妹・祖父母・遺言で財産をもらう血のつながりのない人・遺言で財産をもらう代襲相続ではない孫などが該当します。

その結果、「140万円×1.2=168万円」になります。

さらにAさんの場合、既に贈与税を支払ったであろう生前贈与が加算されていました。
このままでは二重課税になってしまいますので、168万円から既に支払った贈与税額を差し引きます。

Aさんの場合、200万円を生前贈与されていたので、その際に支払った贈与税額は基礎控除額の110万円を引いて、「(200万円-110万円)×10%=9万円」です。

168万円から9万円を差し引いた159万円が、Aさんの納付する相続税額になります。

3.遺贈をする際に注意しておきたいこと

「1-1. 遺贈とは」で説明した通り、遺贈には遺言が必要になります。
遺言にはルールがあり、自分で書く「自筆証書遺言」を作成する場合には注意が必要です。

書き方を間違えてしまうと、法的に無効とされてしまったり、受遺者(遺贈で財産を受け取る人)を困惑させてしまう可能性があります。

そうした危険性を回避するためには、専門家に相談するか、公証役場で公証人に遺言を作成してもらう「公正証書遺言」にすることをおすすめします。

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4.まとめ

遺贈の場合、相続よりも税金が多くかかり、相続税を納めるため現金が必要になります。
Aさんのように遺贈により不動産を取得した場合、相続税のほかに登録免許税や専門家への報酬等も発生します。

もし遺贈で不動産をあげようとするなら、現金も一緒に遺贈しましょう。

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