家を建てる前に土地を購入することもありますが、土地を取得する為の資金を贈与した場合や父名義の建物を子どもに贈与した場合等は特例を使うことはできず、贈与税は非課税とならないので注意が必要です。
5-2.祖父と父の両方から贈与を受けた場合
祖父と父の贈与を受けた金額を合計し、そのうち受贈者が受けることができる非課税限度額までが非課税となります。
つまり、贈与者ごとに非課税限度額が設定されているわけではなく、受贈者ごとに非課税限度額が設定されているのです。
例えば、平成28年1月に祖父から700万円、父から700万円の贈与を受けたとします。
「3.非課税限度額」の表より、良質な住宅用家屋に該当する場合は、祖父と父が贈与した金額を合わせて1,200万円までが非課税となります。
この場合、祖父と父から合わせて1,400万円の贈与を受けていますので、1,200万円からはみ出た金額の200万円には贈与税が発生します。
5-3.住宅ローンを返済するために贈与を受けた場合
この場合、住宅取得等資金贈与の特例を適用することはできません。
特例を適用することができるのは、居住用家屋取得の為の対価に充てる資金が対象です。
住宅ローンを返済の為の資金は居住用家屋取得の為の対価に充てる資金に該当しない為、特例を適用することはできません。
6.まとめ
今回は住宅取得等資金贈与の特例の基本的な内容についてご説明しました。
特例を受ける為には、ご紹介した要件の他にも更に細かい適用要件があることや贈与するタイミング、また、必ず翌年の確定申告の際に贈与税の申告を行わなければならない等、注意すべき所が多くあります。
この特例を使って贈与を受ける前には、税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
1つ1つの適用要件を確認し、特例を上手に賢く使って頂きたいと思います。
著者:山﨑 あすか(相続診断士)
監修:税理士法人エスネットワークス