【保存版】何からはじめればいいの?遺産相続手続きの流れ

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遺産相続 手続き

相続が発生すると、様々な手続きを行う必要があります。
しかし、何からはじめたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

相続発生後の手続きの中には、期限が設けられているものもあります。
その期限を過ぎると、ペナルティが課せられることや、負の相続財産まで相続しなくてはならなくなる等、相続をうける人にとって不利益な事態が発生することがあります。

今回は、遺産相続手続きの大まかな流れと必要となる主な手続きについて、注意点を交えてご紹介していきたいと思います。

1.相続発生後の手続きの流れ

遺産相続手続き

※画像をクリックすると拡大表示されます。

2. 葬儀前や直後に必要な届けと手続き

葬儀の前や後に、急いで行わなければならない手続きが以下の手続きです。

・死亡届の提出
・死体火・埋葬許可申請
・年金受給停止の手続き(被相続人が65歳以上の場合)
・介護保険資格損失届(被相続人が65歳以上または、40歳以上65歳未満で要介護認定を受けていた場合)
・住民票の抹消届
・世帯主の変更届(被相続人が世帯主の場合で、その世帯に15歳以上の方が2人以上存在する場合)
・遺言書の検認(被相続人が自筆証書遺言若しくは秘密証書遺言を遺していた場合)

3.遺言書の有無の確認

3-1.遺言書がある場合

法律的に有効な遺言書がある場合、原則としてその内容に従った遺産分割をします。

ただし、法定相続人の全員が遺言書と異なる遺産分割をすることに同意した場合は、遺言書と異なる遺産分割をすることができます。

3つの遺言書

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3-1-1.自筆証書遺言・秘密証書遺言がある場合

自筆証書遺言や秘密証書遺言がある場合、検認手続きをする必要があります。

検認手続きとは、相続人に遺言書の内容を明確にし、遺言書の偽造等を防止する為の手続きで、家庭裁判所に請求して行ないます。

ここで注意していただきたいのが、検認手続きはあくまでも、遺言書の内容を明確にするものであって、遺言書の有効性を確認する手続きではありません。

検認手続きが終わり、遺言書の内容が法律的に有効な遺言書である場合は、遺言書に基づいて遺産分割を行ないます。
法律的に有効な遺言書がある場合は、遺産分割協議は必要ありません。

不動産の名義変更や預貯金の解約等も、検認された遺言書とその他必要書類を持参すれば進めることができます。

▼詳しくはこちら
勝手に開けると無効になる!遺言書に必要な検認の申立方法

3-1-2.公正証書遺言がある場合

公正証書遺言がある場合は、自筆証書遺言や秘密証書遺言と異なり、家庭裁判所で行なう検認手続きが不要です。

検認手続きは、通常申立てから検認まで1ヶ月程度かかります。
一方、公正証書遺言の場合は検認を行う必要がない為、すぐに遺産分割を行なうことができます。

また、公正証書遺言の場合、作成時に公証人という法律のプロが遺言書の内容を確認している為、法律的に無効な遺言書が作成される心配はありません。

さらに、遺言書に遺言執行者が定められている場合、この遺言執行者が他の相続人に代わって、遺言書通りの遺産分割手続きを行うことができます。

▼詳しくはこちら
安心!確実!揉めない!手間楽!公正証書遺言のすすめ

3-2.遺言書がない場合

遺言書がない場合は、すべての相続財産を法定相続分通りに分割をするか、相続人全員で遺産分割協議を行ない、誰がどの財産を取得するのかを決めます。

どの遺産を誰が取得するのかが具体的に決まったら、通常その内容を紙に記し、相続人全員が署名・捺印をします。
この書面を遺産分割協議書と言います。

不動産の名義変更や相続税申告、銀行口座の解約等、あらゆる場面で必要となります。
ただし、法定相続分通りに分割する場合等は、遺産分割協議書の作成が不要となる場合があります。

4.法定相続人の調査・確定

法定相続人を確定しなければ、相続人1人あたりの相続分がどれくらいになるのか、また、誰が相続する権利があるのかを確定することができません。
その為、法定相続人の確定は非常に重要な手続きとなります。

4-1.調査方法

一般的に、被相続人の戸籍を確認する方法があります。
通常、相続が発生した場合は、被相続人の生まれた時から亡くなった時までの戸籍を集める必要があります。

例えば、被相続人が以前に別の方と結婚をして、その方との間に子どもがいた場合、その子も法定相続人になります。
このように法定相続人を確定する為に、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得します。

戸籍の収集の仕方は、まず、被相続人の本籍地を管轄する市区町村役場で現在の戸籍を取得します。
取得した戸籍には、1つ前の戸籍の情報が記されています。

次に、1つ前の戸籍がある市区町村で戸籍の取得を依頼します。
このように、取得した戸籍の1つ前の戸籍に遡るという方法で、出生までの戸籍を取得していきます。

特に古い時代の戸籍等は読み方が複雑で、難しいものがあります。
また、戸籍がたくさんある方の場合は、すべての戸籍を取得するまでに時間がかかります。
その際は、弁護士や司法書士等の専門家に依頼して、相続手続きに必要な戸籍を取得してもらうことも可能です。

4-2. 法定相続人を欠いた場合

もし、相続人のうちの1人が参加せずに遺産分割協議が行われた場合、その遺産分割協議は無効となります。

例えば、相続人は誰も知らなかったが、戸籍を見ると実は被相続人には、前妻との間に実子がいたという場合、その実子も法定相続人となります。
その為、前妻との間の実子を交えて、遺産分割協議を行わなければなりません。

5.財産の調査

相続が発生すると、被相続人のマイナス財産を含むすべての財産が相続財産となります。

この財産の調査が難しい場合があります。
他の相続人がすぐにわかる場所や発見できる場所に保管されていれば問題ないですが、どこの銀行口座にどれくらいの預貯金があるのか等、相続人が財産を探すのに時間がかかります。

すべての遺産分割が済んでから新たな財産が発見されるということもあります。
新たに発見された場合、特段遺産分割で新たな財産が発見された場合の分割方法を決めておかない限り、原則として新たに発見された財産について、相続人全員で再び遺産分割協議をする必要があります。

また、たくさんの銀行口座をお持ちの方は、解約をする際には相続人が金融機関ごとに手続きを行わなければならない為、時間と手間がかかります。
その為、遺言書にご自身の財産について記載をしておくか、ある程度ご自身の財産はどのようなものがあるのか、元気なうちに相続人等に伝えておくことをおすすめします。

また、複数の口座をお持ちの方は、生前に預けておく金融機関を決めてまとめておき、不要なものは解約する等の対策も有効です。

6.遺産分割

6-1.遺産分割の流れ

遺産分割協議手続きの大まかな流れ

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▼詳しくはこちら
みんな納得!円満!遺産分割協議の方法と手順を知ろう

6-2.遺産分割の方法

遺産分割の種類は、一般的に大きく分けて4つあります。
それぞれの種類や特徴については、下記の表をご参照下さい。

遺産分割の種類と比較

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分割案が決まったら、それらを書面(遺産分割協議書)にし、署名捺印をします。

▼詳しくはこちら
どうして必要?どうやって作る?遺産分割協議書について

6-3.遺産分割がまとまらない場合

相続人の間で話し合いがまとまらない場合、弁護士や裁判所が間に入り、解決案や解決に必要な助言等を行ってくれる、遺産分割調停という手続きを行います。

それでもまとまらない場合は話し合いではなく裁判官の審判(「裁判」の一種)によって分割方法が決まります。

▼詳しくはこちら
遺産分割がまとまらない!遺産分割調停で解決策を

7.期限がある手続き

7-1.相続放棄・限定承認

相続放棄とは、被相続人のすべての財産を相続しないとすることです。
主に、プラスの財産より負債等のマイナス財産が多い場合に使われます。

相続放棄をすると負債を相続することはなくなります。
その代わり、相続人はプラスの財産も相続することはできなくなります。

一方、限定承認とは、プラスの財産の範囲内でマイナス財産の弁済を行うことです。
相続財産すべてを放棄する相続放棄とは異なり、債務を相続財産の範囲内で相続し、債権者に返済します。
プラスの財産とマイナス財産のどちらが多いか不明な場合に利用する方が多い方法です。

どちらの制度も、手続きをする期限が定められています。
原則として自己のために相続の開始があったことを知ってから3ヶ月以内に手続きをする必要があります。
これを過ぎた場合は原則として手続きを行なうことはできません。

また、相続放棄の場合は相続人各人が相続放棄をすることができますが、限定承認の場合は相続人全員が共同して行わなければなりません。
つまり、相続人のうち1人でも限定承認したくない人がいる場合は、限定承認をすることができません。

▼詳しくはこちら
これを読めば相続放棄は完璧!相続放棄の総まとめ
借金があっても相続したい!「限定承認」の手続き方法

7-2.所得税の準確定申告・納付

被相続人が、自営業または、年収2,000万円以上の給与所得者の場合に、申告・納税が必要になります。
亡くなった方は自身の確定申告を行えませんので、亡くなった方の代わりに、相続人が行います。
これを準確定申告といいます。

準確定申告は相続発生から4ヶ月以内に被相続人の住居地を管轄する税務署に申告書を提出・納付する必要があります。
不動産の家賃収入がある方や一部の有価証券をお持ちの方は申告する必要があるか等、税理士にご相談下さい。

確定申告

※画像をクリックすると拡大表示されます。

7-3.相続税申告・納付

相続税は、基礎控除範囲内を超えた場合に発生します。

現行の基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、被相続人には妻、子2名がいた場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数3名で、4,800万円までが非課税となります。
相続財産の総額が4,800万円を超えた場合には、相続税が発生します。

相続税の申告が必要な場合、被相続人の相続が発生した日から10ヶ月以内に被相続人の住所地を管轄する税務署へ相続税申告書の提出・相続税の納付をしなければなりません。

また、特例など(小規模宅地の特例、配偶者控除)を使って相続税額が0円となる場合にも、申告は必要です。

▼詳しくはこちら
申告は必要?不要?知っていて損はない相続税の申告の基礎知識

8.期限のない手続き

8-1. 銀行口座解約・有価証券名義変更等手続き

金融機関ごとに、口座の解約手続きや株等の有価証券の名義変更手続き・解約手続きを行う必要があります。

銀行の口座に関しては、金融機関は名義人の相続が発生したことを知ると口座を凍結してしまいます。
解約手続きをしなければ、口座からお金を引き出すことも振り込むこともできなくなります。
その為、公共料金やクレジットカードの引き落としに使っている口座を凍結する場合は注意が必要です。

口座の解約手続きや有価証券の名義変更手続・解約手続きを行う際は、各金融機関によって提出する書類が異なる場合があります。
必ず金融機関に確認をして下さい。

8-2.不動産の名義変更手続き

被相続人が不動産を所有していた場合、法務局でその不動産を受け継ぐ方の名前に名義を変更します。
不動産の名義変更手続きに期限はなく、変更しなかったことによる罰則等もありません。

しかし、不動産の名義変更を怠っていると、後々下記のようなトラブルが生じる可能性がありますので、早めに名義を変更することをおすすめします。

・不動産の売却や不動産を担保提供等ができない
・相続人全員が固定資産税を支払う義務を負う
・相続人の誰かが認知症になると、裁判所を通して成年後見人を選任して遺産分割協議をする必要がある
・相続人の相続が発生したことにより新たな相続人が増え、遺産分割協議が困難になる
・相続人に行方不明者がいると、所定の手続きを踏まなければ名義変更ができない
・相続人の債権者に差し押さえられる可能性がある
・不動産賠償が受けられない

8-3.その他の手続き

相続が発生した後にやらなければならない主な手続きとしては、既に述べてきたものの他にも、例えば自動車の名義変更手続き、運転免許証やパスポートの返却、携帯電話の解約、ゴルフ会員権の処分等、様々な種類の手続きが必要となります。

被相続人がどのような財産を持っていたのかによって異なりますので、期限のあるものから先に取り組まれることをおすすめします。

9.まとめ

今回は遺産相続手続きの大まかな流れと必要となる主な手続きについてご紹介しました。

手続きに関しては、細かく掘り下げるとまだまだ行なわなければならないものがたくさんあります。
手続きに期限があるものに関しては、期限を過ぎてしまうと手続きを行えなくなるものやペナルティが課せられる場合もある為、注意して下さい。

慌てず確実かつスムーズに財産を承継することができるように、元気なうちに準備をされることをおすすめします。

著者:山﨑 あすか(相続ハウス)

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