証人は誰でもなれる訳ではなく、
・未成年者
・推定相続人
・受遺者とその配偶者ならびに直系血族
・公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、雇人
に当てはまる人はなることができません。
上記の人以外で証人を2人自分で用意できれば証人費用はかかりませんが、遺言内容を知人に知られたくないなどの場合、公証役場で証人を用意してもらうことができます。
その場合の報酬は公証役場によって違いますので、作成する公証役場に確認しましょう。
参考までに、世田谷公証役場の場合は次の通りです。
・証人1人あたり 5,000円 (世田谷公証役場の場合)
2-3.公証役場以外で遺言を作成する時の費用
公証役場に行けないなどの事情がある場合、公証人に希望の場所まで出張してもらい、そこで遺言を作成することができます。
手数料 | 「2-1.手数料」の1.5倍 |
---|---|
日当 | 20,000円(4時間以内の場合10,000円) |
交通費 | 実費 |
2-4.その他の費用
公正証書遺言作成の際、原本は公証役場で保管し、謄本と正本を遺言者に交付します。
その際、各1通を作成して交付しますので、その各通につき1枚250円の手数料が必要となります。
・謄本…「原本」の内容の「全部」の写しで、公証権限のある公務員が認めた文書のこと
・正本…「謄本」の一種で、「原本」と同じ効力を持ち、「謄本」のように何通も作成できる文書のこと
2-5.支払う場所
作成をする公証役場にて支払いをします。
3.専門家に頼む場合
遺言書を作成する際、専門家に依頼をするのも1つの手です。
専門家に依頼すれば、公証人との打ち合わせや原稿作成、書類収集などを全て任せることができるためとても楽です。
また、公証人は遺言内容については法律的に不備があるかは確認してくれますが、この内容で本当にもめないかどうかや将来どのような問題が起きそうか等の確認まではしてくれません。
経験豊富な専門家に頼めばそのようなアドバイスもしてくれることもあります。
専門家といえば弁護士、司法書士、行政書士に頼むのが一般的ではありますが、専門家でないと作成してはいけないという法律上の決まりはありません。
一般の人でも遺言作成はできますので、資格がない人が遺言専門店を営業している場合もあります。
専門家に頼む際はその人が信頼できるかどうか、また遺言作成経験が豊富かどうかを確認することをおすすめします。
4.金融機関に頼む場合
最近では金融機関で遺言信託を行っている所もあります。
作成費用は各金融機関で異なりますが、目安として最低324,000円~となっているところが多いようです。
ただし、これがどれくらいの範囲まで含まれているのか(書類収集や遺言保管費用は含まれているのか)、弁護士等の専門家のチェックが入っているのかは各金融機関に確認をしましょう。
5.まとめ
公正証書遺言の費用に焦点をあてて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
他の遺言より費用はかかりますが、逆に言えば費用がかかるに値するだけの効力や安全性が公正証書遺言にはあります。
そして、遺言が確実に成立するということは遺された家族が遺産分割でもめる可能性も低くなりますので、より確実にするためには専門家に相談するのもいいでしょう。
遺言は遺された家族に送る最後のメッセージです。
想いのこもった最後のメッセージを確実にその人に届けるためにも、安心・安全・確実な遺言を遺しましょう。
著者:相続ハウス 彼末 彩子(相続診断士)
監修:司法書士法人おおさか法務事務所