【保存版】急な相続発生で慌てない!遺産相続完全マニュアル

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遺産相続

遺産相続・・・ニュースやドラマ等でもずいぶん耳にするようになってきましたが、具体的に何をもって遺産相続というのかをご存じでしょうか?

遺産相続とは、亡くなった方の遺された財産を受け継ぐことをいいます。
相続が発生したら、大抵の方は遺産相続をすることになります。

でも、遺産相続といっても、具体的にはどんなことをするのか?どのようにして進めていけば良いのか?よく分からない方も多いのではないでしょうか。

今回は、遺産相続の手続き内容や手順等について、大まかな流れを解説していきます。

遺産相続の手続きは多岐に渡り、人それぞれ方法も変わってくる為、様々なパターンが予測されます。
その中でも今回は、一般的にコレは押さえておこう!という手続きをご紹介させていただきます。

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1. 遺産相続とは

遺産相続とは、亡くなった方の遺産をその配偶者や子、または親や兄弟等の親族が受け継ぐことをいいます。
遺産には、預貯金や不動産、有価証券や美術品、骨董品等だけではなく、銀行へのローン返済やその他の借金等の負債も全て含まれます。

亡くなった方(遺産を遺す方)を被相続人といい、遺産を受け取る方を相続人といいます。
遺産相続は、被相続人が亡くなると同時に開始します。

2.遺産相続手続きの大まかな流れ

遺産相続には、とてもたくさんの手続きがあります。
また、それらの手続きによっても集める書類や、手続きを行う場所も違います。

いったい、何から始めたら良いの?と、途方に暮れてしまう方もいらっしゃるでしょう。
被相続人や相続人となる方の状況によっても、流れが前後したり変わることもありますが、基本となる手続きの流れをご紹介していきます。

2-1.遺言書を探す(検認手続きも含める)

2-1-1.遺言書を探す

まずは、被相続人が遺言書を遺していたかを探すことから始めます。

遺言書の有無でその後の手続きの流れが大きく変わります。
被相続人が生前に、遺言書を遺していた、またはそのありかを伝えておいてくれれば、すぐに見つかると思いますが、何も伝えていなかった場合には、相続人が探さなければなりません。

遺言書には大きく分けて2通りあります。
公正証書遺言と自筆証書遺言の2つです。

公正証書遺言自筆証書遺言

 

公正証書遺言を遺していたかもしれないという心当たりのある方は、お近くの「公証役場」で問い合わせてみてください。

公正証書遺言の原本は、公証役場にて保管されています。
どこの公証役場にあるか分からないという場合でも、公証役場にて検索できるようなシステムになっていますので、違う公証役場に保管してあった場合でも見つけることができます。

一方、自筆証書遺言の場合には、公正証書遺言のような公的な保管場所はありません。
被相続人がどこかに隠しているという可能性も考えられます。
被相続人が普段の生活の中でしまっていそうな場所を、探すしかありません。
銀行の貸金庫や、被相続人が生前に親しかった友人等に託しているというケースもあります。

自筆証書遺言を見つけた場合には、すぐに開いてはいけません。
検認という手続きが必要になります。

2-1-2.遺言書の検認

遺言書の検認とは、遺言書に記載された内容を確認する作業のことです。

公正証書以外で封印してある遺言書は、開封前に家庭裁判所で検認手続きをしなければなりません。
なぜ検認を行う必要があるのかといいますと、遺言書の形状を調査・確認し、遺言書の内容を明確にして偽造や変造を防止する為です。
(遺言書の内容の効力を証明するものではありませんので、ご注意ください。)

公正証書遺言以外の遺言書を、検認をせずに遺産相続手続きに使用することはできません。
家庭裁判所にて検認を受けた印を以て初めて、検認を受けた遺言書であることが証明される為、公的な手続きにも使用することができるようになります。

2-2.財産調査

「1.遺産相続とは」でも述べたように、遺産とは預貯金や不動産等のプラスの財産から、負債等のマイナスの財産まですべての財産を「被相続人の遺産」として考えます。
その為、財産の洗い出しをすることが大切になってきます。

この後で解説させていただきますが、財産の分け方を決める際や、相続税の申告・納付をする際の計算にも大きく関わってくるので、後から知らない財産が出てきた!ということにならないように、この段階でしっかりと調査をしておきましょう。

▼参考
まずはここから始めよう!これで解決!!相続財産の調査方法
相続財産とは/範囲を整理して相続時のトラブルを防ごう

そして、被相続人の財産が分かったら、その財産の評価をおおまかで良いので行います。

概算で、財産の総額が相続税の基礎控除額を上回っているのか、下回っているのかを判断します。
基礎控除額を上回っていた場合には、相続税の申告・納付を行う必要があります。
(「3-4.相続税の申告・納税」で詳しく解説します。)

▼参考
相続財産の評価額はどう決まる?気になる評価方法を徹底解説

2-3.相続人の確定

相続人の確定や、「2-2.財産調査」は、絶対にこの手順で行わなくてはならないという訳ではなく、同時進行で行っていただいても問題ありません。
ただし、財産調査と同じくとても重要な項目になります。

相続人(=財産を受け取る方)の確定は、被相続人の家族構成によっても変わってくるので、下記の図を参照にしてください。

法定相続人の範囲と優先順位

 

推定相続人が割り出せたら、戸籍を収集して他に相続人となる方は、本当にいないか?という調査を行います。

被相続人に前妻がおり、その間に子供がいたことが戸籍を取って初めて発覚した。という事例もありました。
他の相続人が見つかった場合には、その後の遺産分割協議に大きな影響が出てくるので、最初の段階で相続人の確定を行っておきましょう。

2-4.遺産を相続するのか放棄するのかを決める

被相続人の遺産が明らかになったら、今度はその遺産を相続するのか?または相続しない(放棄する)のか?を決めます。

純に、すべての遺産を相続しますということであれば「単純承認」という相続方法になります。

遺産には、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含まれる為、財産調査を行った結果、もしもマイナスの財産の方が多かった場合には、負債を背負ってしまうことになります。
そういった方の為に、遺産を相続せずに放棄するという選択もあります。
これを「相続放棄」といいます。

相続放棄を行うことによって、最初から相続人でなかったことになります。
従ってすべての財産を相続しないことになりますので負債等を背負うこともなくなります。

また、負債があった場合で、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか分からない場合等は「限定承認」という相続の方法もあります。

これは、プラスの財産がマイナスの財産を上回った場合、上回った分だけ相続をして、マイナスの財産がプラスの財産を上回った場合には、プラスの財産を限度としてマイナスの財産を相続するという方法です。

単純承認、相続放棄、限定承認の中からどの相続方法を選択するのか、決めなくてはなりません。
そして、相続放棄と限定承認には相続発生から3ヶ月以内に手続きを行うという期限も設けられています。

特に、限定承認の場合は、相続人全員で手続きをしなかればなりません。
相続人が1名だった場合には、ご自身の意思のみで決断することもできますが、相続人が複数名の場合には、その他の方の意思を確認する必要もあります。

財産の状況や相続人の状況を踏まえた上で、期限があるということもお含み置きいただいて、どうするのかを考えていきましょう。

▼参考
これを読めば相続放棄は完璧!相続放棄の総まとめ
負債は相続したくない!限定承認の活用とかかる費用

2-5.財産の分け方を決める(遺産分割協議)

遺産の相続をするということになった場合、今度はその遺産を「誰が」「どのように」相続するのかを話し合います。(=協議)

遺言書が遺されていなかった場合、そして、相続人が複数の場合には、遺産分割協議を行う必要があります。

また、遺言書が遺されていたとしても、具体的な財産の分割について記載がなかった場合には相続人で協議を行わなければなりません。
遺産相続の手続きを進めていく中で、この遺産分割協議がまとまらずに時間がかかってしまい、相続税の申告・納付に間に合わないといったケースもあります。

遺産分割協議の進め方については、下記の記事をご参考にしてみてください。

▼参考
みんな納得!円満!遺産分割協議の方法と手順を知ろう

2-6.遺産分割協議書の作成

遺産分割協議がまとまったら、その内容を書面に落とし込みます。

書面で残しておくことによって、後々の相続人間のトラブル予防にもなりますし、不動産の名義変更や銀行口座の名義変更や、相続税の申告・納付の際に必要になってくるので、遺産分割協議を行った場合には作成しておきましょう。

遺産分割協議書には、絶対に守らなければならないという形式はありません。
ですが、誤った書き方をしていた場合に、名義変更を行う際に修正をするように指摘されることもあります。
一般的な形式等をお調べいただくか、協議内容が複雑な場合には専門家に作成を依頼するのも手です。

▼参考
どうして必要?どうやって作る?遺産分割協議書

2-7.各手続き(名義変更、相続登記、相続税申告等)

遺産分割協議書の作成が完了したら、次はその協議書を使って手続きに移ります。
名義変更とは、被相続人が保有していた預貯金や有価証券の口座の名義変更です。

また、不動産を所有していた場合にも、名義変更を行う必要があります。
相続が発生したことを原因として不動産の名義変更を行うことを、「相続登記」といいます。

これらの手続きを行う際に、遺言書が遺されていた場合には、必ずその遺言書が必要書類になります。

また、遺言書が遺されていなかった場合には、遺言書の代わりに「2-6.遺産分割協議書」で解説した遺産分割協議書が必要になってきます。

これらの名義変更には、特に期限はありません。
ただし、長年放置しておくと後々になってトラブルの種になりますので、遺産相続手続きを進めていく流れで一緒に済ませてしまうことをおすすめします。

そして、遺産の財産額が相続税の基礎控除額を上回っていた場合には、相続税の申告・納税手続きを行います。

この手続きには期限があります。
相続税の申告・納付は、相続発生から10か月以内に行わなくてはなりません。

従って、「2-2.財産調査」の段階でご自身が相続税の申告対象ということを把握した場合には、その後の「2-3.相続人の確定」~「2-6.遺産分割協議書の作成」までの手続き、そして相続税の申告・納付の全てを10か月以内に終わらせるということを念頭に置き、手続きのスケジュールを組み立てるようにしましょう。

では、遺産相続手続きはどのように進めていけばいいのでしょうか?
それぞれ、手続きを行う場所やご用意いただく書類も違います。
次の章で、主な手続きについてご説明していきます。

3.遺産相続手続き

3-1.銀行・証券口座解約

被相続人が、銀行口座や証券口座を開設し、そこに預貯金や有価証券を保有していた場合には、解約をするか名義変更をする必要があります。

銀行預金の場合には、基本的に被相続人の相続発生を銀行が何らかの形で知った時点で、口座は凍結されてしまいます。
これは相続発生後に相続人や他の誰かが、勝手に被相続人の財産を引き出してしまうのを防ぐ為です。
ですが、口座は一度凍結されてしまうと、相続人が手続きをしない限りその口座に預けているお金を動かすことはできません。

この手続きには、特に期限がありません。
ただし、相続に限らず、長期間取引が無かった口座は、法律上は5年または10年が経過すると、(引き出す)権利が消滅します。
現状は、それ以上が経過しても引き出すことができることが多いようですので、やはり期限は無いと理解しておいて良いでしょう。

口座の解約・または名義変更を行う場合には、まず被相続人がお金を預けている銀行にその旨を伝えます。
銀行によって、手続きに必要な必要書類や記入する書類が変わってくるので、まずは問い合わせてみてください。

この時に、遺言書もしくは遺産分割協議書が必要になってくるので、これらが用意されていない場合には、銀行口座の解約や名義変更手続きは原則としてできません。

また、被相続人の連続戸籍や、被相続人の相続人であるという記載のある戸籍等も必要になってきます。
これらの書類には、銀行によって取得してからの期限が設けられていますので、取得するタイミングにも気を付けてください。

証券口座についても、基本的には銀行と一緒です。
ますは、証券会社に解約・名義変更の旨をご連絡することから始めてください。

3-2.生命保険金の受取り

被相続人が、生命保険に加入していた場合には、受取人となっている方が保険会社に連絡をします。
生命保険については、相続が発生したことを保険会社に伝えない限り、保険会社の方から告知してくることはありませんので、ご自身で問い合わせてください。

保険の受け取りについては、保険商品にもよりますが、概ね2年としているものが多いです。
詳しくは、契約している保険会社等に確認しましょう。

また、受取方法や、記入する書類についても、各保険会社によって異なりますので、お電話をして保険会社の指示に従う形になります。

被相続人が生命保険に加入した場合には、死亡診断書が必ず必要になりますので、失くさないように保管しておいてください。

3-3.不動産登記

相続によって取得した不動産を、売却してしまいたいとお考えになる方もいらっしゃるでしょう。
また、他人に貸して家賃収入を得たいと考える方もいらっしゃるでしょう。

ただし、ご注意いただきたいのが、「2-7.各手続き(名義変更、相続登記、相続税申告等)」で解説した「相続登記」を行って所有権をご自身に移さなければ、他人と賃貸契約を結ぶことや、売却をすることはできません。

これは、相続によって不動産を取得したとしても(遺産分割協議書を作成しても)、その遺産分割協議書を以て登記を行わなければ、権利はあるけれども登記簿上は被相続人名義のままになっているからです。

割と見落とされがちな点なので、相続登記には相続税申告のように期限が設けられていないこともあり、いざ売却をしようと思った時に、被相続人名義のままになっているのですぐに売却できない・・・という様な事例がよくあります。

従って、まずは売却をしようと思ったら、きちんとご自身の名義に登記がされているのかを確認しましょう。

名義変更を行い、はれて所有権が自分に移ったら、その不動産はご自身の意思で保有し続けることも、他人に貸すことも、あるいは売却することもできます。

売却をする際には、まずは対象となる不動産の売買価格の相場を知ることから始めます。
対象不動産の近隣にある不動産屋さんに、査定を依頼しましょう。
何社かに依頼をし、相みつを取られることをおすすめします。

3-4.相続税の申告・納税

相続が発生した際に、人によっては相続税の申告・納税を行わなくてはなりません。
この手続きは、相続人が行います。

まずは、ご自身が相続税の申告を行う必要があるのかを判断する必要があります。
相続税の申告は誰しもが行う訳ではなく、対象となった方のみが行います。

相続税の基礎控除額というものがあります。
基礎控除は、法定相続人が1人以上いれば誰でも控除を受けることができます。
簡単に言いますと、相続財産から基礎控除を引いた残りの額に対して相続税がかかるので、基礎控除額を引いたら0円になる場合には、相続税は発生しません。
つまり、申告・納税の対象外になるという訳です。

では、その基礎控除額はいくらなのか?といいますと、
「3,000万円+600万円×法定相続人数」と定められています。

仮に、被相続人の遺産総額が5,000万円遺されていて、相続人が3人いたとします。
この場合、「3,000万円+600万円×3人」で、基礎控除額は4,800万円になります。

被相続人の遺産5,000万円から、この基礎控除額4,800万円を差し引くと200万円となります。
この200万円が相続税の課税対象となります。
つまり、この場合には相続税の申告・納税が必要になるという訳です。

詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
▼参考
基礎控除額を計算して相続税がかかるかチェックしてみよう!

相続税の申告対象であることが分かった場合には、申告書を作成し、相続税がいくら発生するのかを計算します。
そして申告書と共に、算出された税金額を期限内に税務署に支払う流れになります。

申告及び納付は被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
また、この相続税の申告・納税を放置した場合には、税務署からペナルティが課される場合もありますので、申告期限内に速やかに終えるようにしましょう。

▼参考
もう過ぎてる?/相続税の申告期限と過ぎた場合のペナルティ

相続税の申告書の作成や、税金の計算は、遺産の内容によってはご自身で行うのは大変煩雑な作業になります。

また、仮にご自身で行ったとしても、申告書への記入や計算が間違っていることもあるので、後から税務署の調査が入るリスクも高まります。

申告の対象であることが発覚した段階で、専門家である税理士に作業を依頼することも、遺産相続手続きをスムーズに進める為の手段です。

4.まとめ

今回は遺産相続をする際の、手続きとして総括的な解説をさせていただきました。

一般的な手続きの流れにはなりますが、相続が発生するとこれだけの手続きを行う必要があるということです。読んだだけでも気が遠くなるような手続きの多さや、手順かもしれません。

それだけでなく期限が設けられている手続きもあります。
その為、遺産相続手続きを進めていく上で最初に取り掛かるべきことは、ご自身にどんな手続きが必要なのか?また、期限は?必要な書類は?これらの項目を調べることです。

そして、調べた上で順序を決めて手続きを進めていくことが大切です。
やみくもに手続きを進めていった結果、また同じ書類を取る手間が増えてしまった、手続きが間に合わなかった・・・なんてことにもなりかねません。

できるだけ無駄を省き、効率よく手続きを進めていく為にも、基礎的な知識を把握されておくことをおすすめします。

著者:相続ハウス 栗田 千晶(相続診断士)

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