【保存版】遺される家族のためにぜひ検討したい遺言書の全て

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遺言書

遺言書について考えたことはありますか?

遺言書を遺すという行為は、今や映画やドラマの中の話だけではなくなってきました。
もし明日、自分に何かあったら、遺されたご家族について、そして自分自身がやり残したこと等、次々と思いつくことがあるとしたら、それは、遺言書を用意する時期かもしれません。

ここでは、遺言書とは何か、どういう種類があるのか、もし遺言書を遺すとしたらどの遺言書を遺せばいいのかについてお話をさせて頂きます。

遺言書を遺すという行為が、何よりも残された人々の不要な争いを避け、ご自分の想いや意志をご家族や親しい方々に最後まで伝えられる、確かな手段になるということをお伝えしてまいります。

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1. 遺言書とは

遺言書は、作られた方の意思表示を伴った最後のメッセージであり、法的な効力を持つことができるものです。
遺言書はなぜ必要になるのでしょうか?

遺言書は作らなければ法的に罰せられるというものでもありません。
遺言書での意思表示がなければ、相続人の間で協議して分割するだけです。
それで問題が生じないというのであれば、遺言書はなくてもよいものかもしれません。

しかし、相続が起きた時に最も心配されるのは、遺された相続人の間で争いごとが起きてしまうことです。

遺言書は「法定相続よりも優先させる」という強い原則のもと、遺言者の最後の想いや意志の実現、相続人の間の様々なトラブルを防ぎ、解決の方向へさえ導いてくれます。

では、どのような種類の遺言書があるのか、また、どのようなケースに遺言書がその効力を発揮するのか、具体的な例を挙げて見てみましょう。

1-1. 遺言書の種類

遺言書には「普通方式遺言」と特別な状況下におかれている時のみ認められている「特別方式遺言」があります。

普通方式の遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言と3つの種類があり、一般的には普通方式のいずれかで作成されます。

まずは、遺言書がどのような場合に必要になるかを覗いて、それぞれの遺言書の作成の話に移っていきましょう。

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1-2.遺言書を遺した方が良いケース

これら以外のケースにも、遺言書を遺すことで不要なトラブルを未然に防ぐことができるのです。

2.遺言書作成の準備

遺産相続について遺言を遺す場合には、まず財産目録を作成します。

財産には、土地や建物などの不動産や預貯金などのプラスの財産があれば、借入金などのマイナスの財産もあります。
それら財産の詳細な情報の整理と一緒に、次にどの相続人に相続させるかを考えていきます。

有効な遺言書を遺したい場合や公正証書で作成する場合は、事前に戸籍や不動産の登記簿謄本を取得しておきましょう。

その中で、もし、重大な理由により、除きたいと考えている推定相続人がいれば、家庭裁判所への申立で廃除することもできます。
必要であれば、弁護士や税理士など専門家に相談しながら行います。

相続税がかかる見込みがあれば、分割案について税理士にも相談するとなお良いでしょう。

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3.遺言の方式と作り方

ここでは一般的に使われている「普通方式遺言」について詳しくお話していきます。
用途に合わせて選択をしていくとよいでしょう。

3-1.自筆証書遺言

遺言の方式としては費用もかからず、最も簡単に作れるものになります。

遺言者が、必ず全文を自筆で書き、日付、氏名に押印を行います。
いつでも気軽に作成できますが、訂正があった場合にはその方法に注意が必要です。

一方で、検認が必要なため家庭裁判所に出向いて行くことや、遺言書が死後発見されなかったり、紛失・偽造の恐れもあります。
専門家による内容チェックが行われない場合、遺言として不備があることで効力を失う恐れもありますので、気をつけなければなりません。

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3-2.公正証書遺言

普通遺言書の中では一番安心で確実な方法と言われています。
また、相続人の間で揉めたり複雑であることが予想される場合は最も信頼できる方法です。

公証役場で公証人、証人2名以上の立ち合いのもとで、遺言者が口述して公証人が作成しますので、文字の書けない人でも作成可能です。

公証人が病院等に出向いて作成することもできます。

遺言書は公証役場で保管されますので、紛失の心配もなく家庭裁判所での検認も不要です。
しかし、財産の額によって費用がかかってきます。

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3-3.秘密証書遺言

作成する人の数が普通遺言書の中では最も少ない種類です。

遺言内容は秘密にしたまま、作成した遺言書を公証役場で認証してもらいます。
証人2名以上の立ち合いのもとで公正証書遺言と同じように、公証人が日付を封書に記載し署名・押印されますので、作成した事実は公証役場に残ります。

遺言書は遺言者が持ち帰り保管します。
遺言書の内容が秘密であるということから、不備によるトラブルが起きる可能性もあります。
また、家庭裁判所の検認が必要です。

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絶対に誰にも秘密で遺す/秘密証書遺言の書き方と手続き方法

3-4.その他特別な事情の遺言書とは

これまでご説明した「普通方式遺言」を用意することができないような場合、特殊な状況下にある時には、「特別方式遺言」という、作成の要件を緩和した方式が認められています。

特別方式遺言には、【危急時遺言(一般危急時遺言・難船危急時遺言)】と【隔絶地遺言(一般隔絶地遺言・船舶隔絶地遺言)】があります。
これらの遺言は、緊急事態が収まり、遺言者が普通方式での遺言作成ができる状態になって6ヶ月間生存していた場合は、特別方式で作成した遺言は無効となります。

4.遺言書作成費用

3種類の普通遺言書の中では、自筆証書遺言が最も費用がかからず、次に秘密証書遺言、そして、公正証書遺言の順でお金がかかることになります。

また、どの遺言書であっても、専門家にチェックをしてもらったり文案を作成してもらうことで費用はかかります。

有効で有意義な遺書を遺すためには、一概に費用だけで決められるものでもないので、その財産額や相続人の数、相続人の関係を考えながら選択していくことが大事です。

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知っておくべき!確実に効力を発揮する遺言書作成費用
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5.遺留分について

「遺留分」は民法で保障されている法定相続人が受取れる最低限度の相続分です。

遺言書では、「法定相続よりも優先される」という原則がありますが、法定相続人の権利である「遺留分」に、もし配慮せずに財産の分割を行った場合、相続人の間で揉め事が生じることにもなります。

相続人の「遺留分」の侵害とならないように、あらかじめ配慮しながらの遺言書作成が、後々のトラブルを避けることにもなります。

遺留分を請求する権利(遺留分減殺請求)は、直系血族(子や親等)のみに与えられているものですので、兄弟姉妹にはありません。

6.特別受益者と特別寄与者

特別受益者とは、亡くなった人から生前に特別に贈与を受けたなど、特別の利益を受けた相続人のことを言います。
相続が発生した際に、不公平にならないように調整することになります。

また、特別寄与者は、被相続人の財産の維持、増加に特別に貢献した人をいいます。
貢献度の程度に応じて上乗せして財産を相続させることにより実質的平等をはかるのが、寄与分制度です。
法定相続人にのみ認められている制度ですが、客観的な資料も必要とされます。

▼詳しく知りたい方はこちら
特別受益があると相続分が変わる/計算方法と事例
寄与分があると相続分が変わる/計算方法と事例

7.遺贈

一般的に、相続人以外の者に遺産を与えるときに「遺贈する」といいます。
遺贈は遺言書があることによって効力が発生します。
遺言によって遺言者の財産の全部または一部を贈与することをいいます。

▼詳しく知りたい方はこちら
相続や贈与とは違う!理解しておきたい遺贈について徹底解説

8.遺言の撤回・変更

遺言書は、何度でも撤回・変更が可能です。
自筆証書遺言は変更したい部分を訂正することもできますが、内容によっては破棄して作り直した方が早く確実な場合もあります。

公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されていますので、全部または一部を取消す場合は公証人手数料がかかります。
内容の変更に関しては、更に所定の手数料がかかりますが、変更の度合いにより手数料が少なく済む場合もあります。

秘密証書遺言も、公証役場で手続きを行っている為、公正証書遺言と同様に手数料がかかります。
万が一、遺言書が複数ある場合は、日付が最も新しいものが有効となります。

9.遺言の実現

9-1.遺言能力

遺言能力とは遺言を作成できる能力のことを言います。

言うまでもないのですが、遺言内容を理解できて、その遺言によって相続人や受遺者が自分の死後どのようになるかを想像できる能力が備わっていることです。

遺言能力がないと判断された人が作成した遺言書は無効になってしまいます。

これら以外に、民法において15歳未満、精神障害がある人や代理人が遺言書を遺されても効力はないものとなります。

▼詳しく知りたい方はこちら
無効な遺言書で損しない!確実に相続する為に遺言能力の有無をチェック

9-2.付言事項の力

「付言事項」は、遺言書の最後に記載される内容です。

被相続人から相続人に対して、感謝の気持ちや遺言書に記載された内容の経緯や理由など、遺言書の固い内容から一転して本当の気持ちを伝えることができるメッセージです。

法的拘束力はありませんが、これをきちんと遺すことで、相続人間の不要な争いを避けるためにはとても有効なものです。

【事例】
長男の嫁の弥生さんには、10年以上にも及ぶ長い間、私の介護をお願いすることとなってしまいました。
――――――中略―――――――― 。
その長年のご苦労に報いるために、この遺言書に記載の通りいくらかの遺産を弥生さんに遺贈したいと思います。
二男、三男には言い分もあるかもしれないが、どうか同意して下さい。
そしてこの遺言内容で皆が揉めたりすることがないようにして下さい。母からの最後のお願いです。

「付言事項」は、相続が円満に行われるための影の大きな立役者とも言えます。遺言書には「付言事項」を活用したいものです。

9-3.証人

先にもお伝えしましたが、公正証書遺言と秘密証書遺言には、それぞれ証人が必要になります。
公証役場に申し出を行う証人には条件があり、次に該当する人は証人にはなれません。

① 未成年者
② 推定相続人、及びその配偶者、直系血族
③ 公証人の配偶者、四親等以内の親族、書記、雇い人

身近で見つからない場合は、公証役場に頼むこともできますし、専門家に相談して作成する場合には、その専門家に頼んでいるという方も多いです。

9-4.遺言書の保管

遺言書は、遺言者の死後、発見されて実行されることで意味を成すものです。

遺言書の実行を滞りなく行われる為に、保管から発見までは重要な部分になります。
弁護士や司法書士、金融機関の貸金庫など信頼できるところに預けるか、死亡時に遺言書が発見されるように、大切な所持品と一緒に保管し、それとなくそれらの場所をご家族等に伝えておくことです。

また、銀行等でご自身の貸金庫に保管すると、亡くなった後、凍結してしまいますので避けましょう。

9-5.遺言書開封

公正証書遺言以外は、勝手に開封はできません。
自筆証書遺言・秘密証書遺言は裁判所に提出し、検認という手続きを行い、遺言書の内容の執行となります。

保管者または発見者は、遺言者の死亡を知った後、速やかに遺言書を家庭裁判所に提出します。
この手続きは、遺言書の偽造・変造を防止するために行います。

その後、相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせると共に、遺言書の形状、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を確認します。
遺言内容の有効・無効を判断する手続きとは異なります。

▼詳しく知りたい方はこちら
遺言書の内容を確実に実現させる!遺言執行者の重要性

9-6.遺言執行

遺言内容を実現させる行為が遺言執行です。
遺言者が指定している場合もあれば、相続人であるご家族のどなたかが行うこともあります。

遺言書の内容というのは、遺言者が亡くなった後に実現されるものですので、遺言書通りにそれを確実なものにするために遺言執行者という人を決めておく方法もあります。

▼詳しく知りたい方はこちら
遺言書の内容を確実に実現させる!遺言執行者の重要性
必見!相続をスムーズに行うための遺言執行者選任申立の手続き

10. まとめ

今回は、遺言書とは何か、どういう種類があるのか、もし遺言書を遺すとしたらどの遺言書を遺せばいいのかについてお話をさせて頂きました。

相続が発生した場合、遺言書がなくても事態はそれなりの状況の中で流れていきます。

しかし、遺された者たちが右往左往するようなことが予測されるとしたら、遺言書は助け舟の如く必要なものです。
もしなかったとしたら、それこそ末代まで引きずる争いを残すことになるかもしれません。

遺言書という何よりもの事前の備えがしっかりしていれば、揉め事などにかかる余分で無駄な時間とエネルギーを費やさずに済みます。
一通の遺言書によって、遺された関係者が穏やかで気持ちの良い相続を受けることで、遺言者にとっても良い人生の締めくくりにもなっていくのではないでしょうか。

著者:相続ハウス 奈良澤 幸子(相続診断士)

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